健康の意識 忍者ブログ

黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第39話 模擬戦~最初で最後の真剣勝負~

翌日、俺は練習場に向かっていた。

「あれ、渉?」
「お、シンクか。どうしたんだ?」

ちょうど鉢合わせになったシンクに、俺は聞いてみた。

「僕はエクレに稽古をつけて貰おうかなって」
「そうか……なあシンク、一つだけいいか?」
「え、何?」

俺の言葉に、首を傾げるシンクに、俺は今までやりたかったことを頼むことにした。










そして僕とシンクは練習場に来ていた。
そこでお互いにそこにあった普通の剣を構える。

「それじゃルールを確認する。紋章術の使用は禁止、どちらかが降参するか、武器が壊れればその人の負けだ。これで双方ともいいな?」
「はい、問題ありません」
「僕もです」

ロランの確認に、俺達は頷いた。
俺がシンクに頼んだのは、模擬戦だった。
一度でもいいから、どちらの剣筋がいいのかを鑑みておきたかったのだ。
俺のハンデは、シンクと同じ、普通の剣を使うことだ。

「シンク、ここでは神とか神じゃないとかなんて関係ない。全力で来い」
「了解!」
「それでは、始めッ!!」

お互いに言葉を掛け合ったのを確認したロランの合図により、俺とシンクの最初で最後の全力での模擬戦が幕を開けた。

「ふっ!」
「はっ!!」

シンクが振りかざす剣を、横に避けることで躱す。

「はぁああ!!」

そこにまるで狙っていたかのように、シンクは横なぎに剣を振りかぶっていた。

「甘い!」
「ッく!!」

俺はそれを、手にしていた剣で軽く打ち流すと、体勢が崩れたシンクにめがけて俺は剣を振り下ろす。
だが、シンクもすぐに体勢を立て直し剣の腹で受け止めた。

「っち!」

俺は舌打ちをすると、剣を押し出して後方に下がる。
シンクも俺から距離を取った。

「中々やるな。先の戦いで見についたのか、それともシンクに元々あったのか……」
「そっちこそ」

俺の評価に、シンクはそう返してきた。
確かにシンクは強い。
前の魔物戦で感化されたのか、元から素質があったのかは分からない。
だが、目の前にいる者はかなりの腕だ。
俺も手を抜くわけにはいかない。

「はぁぁ!!!」
「やああ!!」

俺が一歩踏み出すのと同時に、シンクも俺に向かってきた。
そしてお互いの剣が交わった。

Side out





3人称Side

「すごい……」

シンクと渉の模擬戦を見ながら、静かに呟いたのは、エクレールであった。
それは渉の強さか、それともアグレッシブな動きで交わしながら反撃をするシンクか。
答えは両方だ。
渉からの剣劇を、練習で培ってきたアグレッシブな動きで躱し、隙を見て反撃をするシンクの動きからは素人の雰囲気などは一切なかった。
言うのであれば、剣の達人にも匹敵するほどだ。

(剣筋はそこまで良くはない。それでも渉と渡り合えてる)

渉の引き締まった表情を見たエクレールには、彼が本気で戦っていることが分かった。
いつになく真面目な表情をしていたからだ。

(それなのに自分の時は………)

エクレールは、前の模擬戦の時の事を思い出していた。
その時、エクレールは渉に完全に遊ばれていた。
勿論、だからと言って彼女が弱いと言うことと”=”ではない。
だが、エクレールの心の中では、どこか悔しさがあった。

(今度は今の渉の表情をさせるほど、強くなって見せる)

エクレールは、渉達の模擬戦を見ながらそう強く心に誓うのであった。

Side out





「はああ!!」
「やああ!!」

俺とシンクの剣がお互いに交差してせめぎ合う。
俺はすぐに後方に下がり、乱れた息を整える。
何度目の打ち合いかは分からない。
シンクはかなり強い。
いや、強くなり続けていた。

(恐ろしい、この戦いで自己学習をしてやがる)

そう、シンクは不思議なことに、模擬戦で自己学習をしながらどんどんスキルを、身に着けていたのだ。
剣筋だけがすべてではない。
剣の扱い+体の動きだ。
剣筋が良くてもぼさっと突っ立っていれば、よほどの剣筋でなければ不利となる。
ある程度は動かなければならない。
シンクは後者の動きの方が優れていた。

(このままだったら負けるッ!!)

「ふぅー……」

俺は心を静かにしながら息を吐く。
そして俺は剣腹を根元から、人差し指と中指でなぞる。

「古賀流……」

俺は静かに流派を口にしながら、一気にシンクの前に移動する。

「ッ!?」

シンクは慌てて剣を横に構え、俺の攻撃を防ごうとする。
だが、それは無駄に終わる。

「爆裂!!」
「ッぐ!!」

俺は一気に剣を突き刺した。
紋章術や紋章剣、神術を使わない剣術の一つ。
自分自身で創り出した流派で、うまく行けば相手の剣は砕けているはずだ。
そして、俺の放った渾身の技は、うまく行きシンクの剣を貫いて俺の剣が、のど元に突き付けられていた。

「これで―――――ッ!?」

”俺の勝ちだ”と言おうとした瞬間、俺の持っていた剣は音を立てて刃の部分が砕けた。
どうやら、普通の剣では今の一撃に耐えきれなかったようだ。

「そこまで! 今回の模擬戦は、引き分けとする」

それを見届けたロランは、動揺を隠した様子で告げた。
俺は一歩下がるとお辞儀をすると、片づけを始めた。
こうして、俺とシンクとの真剣勝負は、引き分けという結果で終わった。

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