さて、俺の今の状況は。
「だ、誰だ―――――ウギャ!?」
「邪魔だ!!」
目の前にいる邪魔な人たちをひたすらに斬って斬って切り裂いています。
なんでそうなるのか、それはほんの数分前にさかのぼる。
「全く一体全体何なんだ?」
俺は頭を抱えながら走っていた。
周りの様子からに戦争の様なものであることは理解できる。
なのに………
『この勇者、とても強い!!』
なぜ実況がいるんだ?
と言うより、まるでスポーツのような雰囲気がする。
なのに、目の前で行われるのはどう見たって戦争だ。
「はぁ!」
「っと?!」
突然剣での襲撃があった。
目の前にはあのおじさんと同じ色の服を着た傭兵のようなものだった。
「ふん!」
「ぐあ!?」
俺は剣撃を避けると正宗で思いっきり切りつけた。
その瞬間、目の前にいた人は煙に包まれた。
「………は?」
煙が晴れた時に見た光景に、俺は思わず言葉を失った。
なぜなら、そこには猫の顔をしたボールのような生物がいたからだ。
「お前、ビスコッティの兵士だな!!」
「かかれ!!」
そして今に至る。
(と言うより俺は今どこに向かってるんだよ!?)
俺は当てもなく一直線に走っている。
『速い、速すぎる!! この謎の人物は一体何者なのでしょうか!!』
「ん?」
再び実況をしている人の声が聞こえてきた。
空中に浮かんでいる正方形の物を見ると、そこには俺が映し出されていた。
「俺かよ!」
『もしかしたらビスコッティ共和国が召喚した二人目の勇者なのかもしれませんね』
だから勇者って何ぞ?
俺はツッコみたい気持ちを抑えてただひたすらに走る。
そして目の前にいる敵を斬って行く。
けがはしてないから、大丈夫……だよな?
そんなこんなで走って行くと行き止まりとなっていた。
そして下の方では短めの金髪に頭には青い鉢巻をした少年と、緑色の髪をした少女がいた。
話が聞けると思い、下に降りようとした瞬間向かいの崖に、下の二人に向けて攻撃を放とうとしている銀色の髪をした女性の姿が見えた。
「二人とも、後ろの上から攻撃が来るぞ!!!」
「ッ!!?」
俺は大きな声で下の二人に伝えると、緑色の髪の少女が両手にある短剣でその攻撃を防ぐが、防ぎきれずに吹き飛ばされた。
「ほんのちびっと期待してきてみたが………所詮は犬姫の手下か」
「ッ!? レオンミシェリ姫!」
攻撃を放った人物に、少女はその女性の名前と思われる単語を呟いた。
「ちっち、姫ときやすく呼んでもらっては困るの」
その人物は何やら変わった生き物に乗っていた。
「わが名はレオンミシェリ・ガレット・デ・ロワ。ガレット獅子両国の王にして百十段の騎士」
そう言ってへんな生き物が一歩踏み出す。
「閣下と呼ばぬか、この無礼者が!!」
『来たー!! 来ました! レオンミシェリ閣下、戦場到着!!』
実況の人が何やらわめいている
「ははは! それはさておき、私は先に進ませて貰おう」
そう言って銀色の女性は去って行った。
「よっと!」
俺はすぐさま二人の横に着地した。
「うっ!?」
「え、あ、ごめん」
そして二人を見ると少女が上で、少年がしたに横たわっている状態だったが、少年は少女の胸を掴んでいた。
(何やってるんだ? この二人)
その少年は自分の手を……というより感触を感じて少女を見て一言呟く。
「女の子?」
「ッ!?」
その少年の言葉に少女は固まる。
俺も固まる。
「この………すっとこ勇者がぁぁ!!!」
「吹っ飛べ!!」
やることは一緒だった、俺と緑色の髪をした少女は少年を吹き飛ばした。
『おっと仲間割れか!? そしてこの勇者、意外とアホか?』
「いちいち実況すな!」
今更突っ込んでも遅いツッコミをする。
「ったく、胸揉んで挙句の果てには女の子だなんて失礼極まりないだろ。どこをどう見れば彼女が男に見えるんだ?」
「ッ!?」
僕の言葉に横にいた少女が頬を赤くしていた。
まさか怒らしたか!?
「と、ところでだ。あんたは何者だ?」
「あーそれは後々、今はあの馬鹿者を連れて追いかけないと」
「そ、そうだな」
俺の提案に少女は頷くと俺達は少年の元へと走って行くのであった。
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