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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

【案内板】

黄昏の部屋(別館)

当サイト、『黄昏の部屋(別館)』へようこそ。
こちらでは某小説投稿サイトで、私TRcrantが投稿していた小説を掲載しています。
読まれましたら拍手や感想などをして頂けると執筆意欲向上に繋がったりします。
(『その力の先にあるもの』と『IS(インフィニット・ストラトス)~破門されし者~』は、本館の方にて掲載されています。)

*注意*
本サイトの小説はすべて二次創作です。
そのため、突然の削除などが行われる可能性がございます。
二次創作が苦手な方は、ご覧になられないことをお勧めいたします。
拍手または感想等を募集しております。
拍手コメントでレスが不要な方は、拍手コメント時にその旨をコメントに明記してください。
明記されてない場合は、HN共々雑記にてコメント返しにて表記されますのでご注意ください。
注意事項はこちらをご覧ください。
他、明記されていない細かい注意点は本館と同じですので、そちらの方をご覧ください。

それでは、ごゆっくりとお楽しみください。

===更新履歴(最新の3日分のみ表示)====
・7月28日
『けいおん!~軽音部と月の加護を受けし者~』第110話を掲載しました。
雑記を掲載

・7月25日
『けいおん!~軽音部と月の加護を受けし者~』第109話を掲載しました。
雑記を掲載

・7月18日
『けいおん!~軽音部と月の加護を受けし者~』第108話を掲載しました。
雑記を掲載
=======
掲載作品一覧

魔法少女リリカルなのは~世界からの来客者~

魔法少女まどか☆マギカ~革命を促す者~

魔法少女リリカルなのは~目覚めた力~

魔法少女リリカルなのはstrikers~失った力~

DOG DAYS~誤召喚されし者~

ティンクル☆くるせいだーす~最高神と流星の町~

魔法少女リリカルなのは~目覚めた力~RB

To Loveる~二つの人格を持つ者~

けいおん!~軽音部と月の加護を受けし者~

二人の神と欲望に駆られた人間たち


カミカゼ☆エクスプローラー~無を司りし者~

拍手[8回]

PR

『けいおん!~~軽音部と月の加護を受けし者』最新話を掲載

こんばんは、TRcrantです。

大変お待たせしました。
本日、『けいおん!~軽音部と月の加護を受けし者~』の最新話を掲載しました。
今回はホームセンターでの話が主な内容となります。
実際に店内で遊ぶのはほかのお客様に迷惑になるのでやめた方がいいというのはある意味常識だったりもします。
……たぶん。

さて、拍手コメントへの返信を行いたいと思います。

『ラブライブの小説も書かれているんですか。今度見てみようと思います』

コスモさんコメントありがとうございます。
はい、実は少し前から『ラブライブ!』の小説を書いていたりします。
ただ、この原作は色々な作品との各櫃が強く、不要なトラブルを起こしたくなかったため、こちらでは告知しておりませんでした。
もし読んでいただけるのでしたら、参考までにご感想などをいただければ幸いです。

『ラブライブ!ヒロイン希望アンケートで絵里、真姫、凛をお願いします!』

エレキさん、コメント&投票ありがとうございます。
絵里、真姫、凛の三名への投票を確認しました。
こちらでの回答も有効となっておりますので、ご安心ください。

『花陽をヒロインにお願いします』

ぬこっちさん、コメント&投票をありがとうございます。
花陽への投票を確認しました。

なんだか、票数が微妙に偏っているなと思っている今日この頃です。


それでは、これにて失礼します。

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第110話 ホームセンター珍道中

荷物持ちをかけたじゃんけん勝負は第八戦を終えていた。
現在の戦況を言うのであれば、

澪:1回
律:2回
ムギ:0回
梓:2回
唯:3回

というのが、それzれの荷物を運んだ回数だ。
どうやら僕は運がいいようで1回もギターケースを持つことはなかった。
とはいえ、一番の悲劇は

「待ってよ~」
「じゃんけん三連敗は自分の責任だぞー」

じゃんけんで三回連続で負けて永遠とギターケースを持ち続けることになった唯だろう。

「今日は鞄だって重いんだよ!」
「それも自業自得だ」

唯の反論に、僕はため息交じりに言い返した。
重くなった原因の荷物は、これまでの付けを支払う形になっている。
要するに自業自得ということになるのだ。

「そんな目で見ても、持たないぞ」

そんな中、唯が恨めしそうな眼で僕を見ていることに気が付いたので、僕はそう言い放った。

「浩介君、助けて~」
「うお!? 女性の武器を利用しやがった!」

上目づかい+涙目で助けを求めてきた唯に、律が驚いたような声を上げた。

「……勝負とは、いつも理不尽なものだ。諦めな」
「ば、バッサリ……」

唯の助けてアピールを一蹴した僕に驚いたのだか、あきれたのだかわからない声を上げる律をしり目に、僕は唯から視線を逸らした。

(危ない。あと少しで本当に変わるところだった)

一瞬でもケースを持とうと心が動いた自分を叱咤する。

「唯ちゃん、そろそろ時間よ」
「はぁー……今度こそ負けない!」

ムギの言葉を受けて僕たちのところにまで歩いてきた唯はギターケースを置くと気合を入れなおして手を組んだ。

「返り討ちにしてくれよう!」

そんな唯に応じるように律達も手を組み始めた。

「なんだか子どもですね」
「私は子供だっ」

梓のつぶやきに、胸を張って答える律は、ある意味清々しささえ感じた。

「大人になりましょうよ……」
「というか、威張るなよ」

そういいながらも、手を構えている梓や僕も同じなのかもしれない。
そんな中、一人手を構えていない人物がいた。

「澪、どうしたんだ?」
「じゃんけんだよ!」

それに気が付いた律たちの呼びかけに、澪は僕たちのほうへと視線を向けた。

「これなんだけど」

そういって僕たちに見えるように差し出してきたのは、先ほど手渡されたチラシだった。
チラシには『春の新生活応援セール』と銘打って、さまざまな商品と値段が書かれていた。
安いかどうかは分からないが、春先で新生活を始める人が多いこの季節。
セールと銘打てばお客が集まるという戦略が見え見えなチラシだった。

(食器棚があったら買ったんだけど)

なんだかんだで放置していたが、家の食器棚の問題はいまだに解決していないのだ。
あまりにもひどいので、現在は色々なものを使って棚を支えている状態だが、これが非常に面倒くさい。

「こういう棚とかを一つ置けばすっきりすると思うんだ」
「いいんじゃない?」
「そうですね。この値段なら何とか部費で買えそうですし」
「まあ、置き場所が増えるのはいいことだもんね」

僕を含めた全員が、賛成だった。

「それじゃ、ホームセンターにでも行こうか」
「っ!?」

なんだかホームセンターという単語にムギが強い反応を示したような気がしたが、気のせいだろうか?

「おっと、その前にこれをやろうぜ!」
「そうだね! 今度こそ、勝つよ!」
「まだ続けるのか」

もうやめたと思っていただけに、ため息が出そうだったが、やらないわけにはいかず、僕たちは再びギターケースを持つ人物を決めるべくじゃんけんをするのであった。










「ここがホームセンター!」

チラシに記載されていたホームセンターに到着するや否や、感動したような声を上げたのはムギだった。

「ここにはいろいろな便利なものが、揃っているのよね!」
「は、はい」

そのままのテンションで問いかけられた梓は若干押され気味に答えた。

「ムギ、ホームセンターに来るのは初めてかー?」
「うん。前から一度来てみたいって思ってたのよ!」

ブレザーをひらひらと開いたり閉じたりしている律の問いかけに、ムギは目を輝かせながら頷くと僕たちに背を向けた。

「行きましょう!」

ずんずんと前に進んでいくその姿は、まるで未開の地へと探検する隊長という異名を持つ男性タレントを思わせる感じだった。

「あ、私も!」
「おい! ギターを忘れてるぞ」

それに続くように駆けだした唯を律が呼び止めた。

「ごめん、ごめん」

頭をかきながら戻ってきた唯は、ここ来るまでに数回連続で負けたために持ち続けているギターケースを手にすると、店の奥のほうへと姿を消した。

「家具売り場はどこだろう」
「いや、僕に聞かれても」

二人の後姿を見送ったところで投げかけられた疑問の声に、僕は首を傾げながら答えた。

「仕方ないな、全員で手分けして探そう」
「そうだな」
「その方が早いですね」

律の提案に、僕たちは満場一致で賛成すると、家具売り場を探すべく手分けして捜索に当たることになった。

(それにしても、本当にいろいろ揃ってるな)

家具売り場を探しながら店内を見て回っていると、その品揃えに僕は舌を巻いていた。
まるでほとんどの物がここで揃うのではないかという錯覚を感じるほど、品ぞろえが良かったのだ。

「で、もう見つけちゃったけど」

目的の家具売り場を見つけた僕は、息を吐き出しながらあたりを見回す。

(目印は……あの布団でいいか)

近くにあった布団売場に陳列されていたピンク色の布団を目印にした僕は、唯たちを探すべくその場を後にした。

「確かこっちのほうに唯の反応が……」

あてずっぽうに探すとかなり時間がかかるので、僕は軽く魔法を使っていた。
とはいえ、唯の生体反応をたどっているだけだが。
その反応をたどった僕がたどり着いた場所で見た光景は

「ズギューーーン!!!」

電動式のねじ回しを動かしてはしゃぐ唯の姿だった。

「何をやってるんだ?」
「あ、浩君! これ、かっこいいでしょ!」

満面の笑みを浮かべながら電動式のねじ回しを僕に差し出してきたが、僕はいったいどういう反応をすればいいのだろうか?

「バァン、バァン、バァン!」
「こら、うるさい!」

梓と澪と僕に向けてねじ回しを動かす唯に、澪が叱咤する。

「はい、三人は死にました!」

そして何故か僕はやられてしまった。

「子供か」

澪たちのいるほうに歩きながら思わず口からそんな言葉が漏れてしまったが、出来ればわかって欲しかった。
自分がどれほど恥ずかしい行為をしているのかということを。

「まったく。浩介の言うとおりだぞ」
「……そういう律は何をしている」

僕の言葉に賛同する律だが、その頭には工事現場などでかぶっている黄色に緑色の細い線が横に入ったヘルメットのようなものに四角形の物体がくっついているものをかぶっている律に、僕は問い掛けた。
そんな妙な格好をしている律は視線を澪のほうへと移すと

「のわ!?」

四角形の物体(ヘッドライトだった)に明かりを灯して澪を照らした。

「店の物を用もなく触るな!」
「いやーん。おやめになって―★」

今度は澪と律が騒ぎ始めた。
もはや呆れるしかなかった。
とはいえ、一番呆れているのは僕の横に立っている梓だろうけど

「ねえ、見てみて!」
「今度は何ですか?」

そんな僕たちに声をかける唯に、げんなりとした声色で返事をしながら視線を向けると

「これなんか、動きやすそうだよ!」
「ぶかぶかじゃないですか」

工事現場などでよく着られている作業着を身に纏っている唯の姿があった。
とはいえ完全にぶかぶかでお世辞にも動きやすいという感じはしなかった。

「それでね背中に”放課後ティータイム”って書いてもらおうよ」
「暴走族かっ」

唯の提案に思わずツッコミを入れてしまった僕に、唯はその場に座り込むと誇らしげに胸を張った。

「……ムギは?」
「ムギ先輩はあっちのほうで色々と見て回っています」

これ以上はさすがに付き合いきれない(主にツッコみの関係で)ため、僕はこの場にいないムギの場所に行くことにした。
梓からムギの居場所を教えてもらった僕は、この混沌と化した場所を梓に任せ(半ば押しつけだが)て、ムギを探すべくその場を後にするのであった。





「結局見つからなかったな」

お店の中を一通り歩き回ったところで僕は一つ大きく息を吐き出しながらつぶやいた。
ムギを探していたのだが、ムギを見つけることができなかったのだ。

(痕跡をたどってはみたけど、どれだけ移動してるんだ?)

ムギの生体反応をたどって歩いていた僕は、いろいろな場所をぐるぐると歩く羽目になっていた。
それはまさしく、好奇心旺盛な子供のような感じだった。
そして、気づけば出入り口のほうへとたどり着いていたのだ。

「あれ?」

ふと気づくと、テーブルのようなものが置かれている場所に律や澪たちの姿があった。
それだけではなく、探していたムギの姿も。

「あ、浩介! どこ行ってたんだよ。まったく、子供か?」
「お店の物を使って遊んでいたやつの言葉か? それ」

わき腹に両手を添えて呆れたような口調で言葉を投げかけてくる律に、僕はジト目で反論した。

「というより、ムギのその大荷物は何?」
「買っちゃったの♪ ホームセンターって本当に素晴らしい場所ね」

満面の笑みで答えるムギの両手にはパンパンに膨れているレジ袋があった。

「それで、棚のほうは?」
「明日の放課後に学校まで届けてもらうことになった」

ムギから視線を外した僕の問いかけに、携帯電話を手にしていた澪が答えた。

「それで、唯たちは?」
「さあ? どこか見てるんじゃない?」

次いで出た僕の疑問に、律は首を傾げてながら答えた。

「みんな~」
「お、噂をすればだな」

僕たちに駆けられる唯の声に、視線を向けると手を振りながらこっちに向かってきている唯と梓の姿があった。
なんだか梓は強引に連れてこられている形だけど。

「それじゃ、皆も揃ったんだし、楽器店にでも行くぞ」
「ちょっと待った」

楽器店へと向かおうとした僕を呼び止めたのは、唯だった。

「まだゲームは終わってないよ!」
「……まだやる気か」

腕を構えている唯の姿に、僕はため息を漏らしながら唯たちのところに戻った。

「それじゃ、いくよ! じゃんけんポン!」

こうして、僕たちは再びギターケースを持つ人物を決めるじゃんけんをするのであった。










なんだかんだあってようやく本来の目的地でもある楽器店『10GIA』へと到着した。

「すみません」
「はい、何でしょうか?」

カウンターのほうに向かった僕が店員に声をかけると、店員の男性はこちらに向かってきた。

「このギターの査定をお願いしたいんですが」
「こちらですね」

律から受け取るような形でギターケースを手にするとそれをカウンターの上に置いた。
店員はケースのふたを開けて中を見る。

「はぁ、まさかあのあと四連敗するとは」
「勝利のブイ!」

どうでもいい話だが、あのあと律は四連敗という稀にみる大敗の結果を残していた。
さすがに肩が痛いのか手で肩を抑えながら腕を回していた。

「後、このクーポン使えますか?」
「失礼します……ええ。お使いになれます」

僕が差し出したクーポンを受け取り確認した店員は頷きながら答えるので、クーポンを使うようにお願いした。

「それでは、査定いたしますので、店内でお待ちください」

そんな店員の言葉で、僕たちは少しの間店内を見て回ることにした。

(とはいえ、楽器関係で買うのはないんだけどね)

本当に見ているだけだ。

「唯、どうしたんだ?」
「ねえ、浩君。あれってどうやって演奏するのかな?」

ギターを販売しているスペースで何かを見ている唯に声をかけると、一つのギターを指さして聞いてきた。
その先を見てみると、弦が上下二つあるタイプのギターがあった。

「ほかのギターと同じ。ただ、手の動きはこれまで以上にシビアに難しくなるから、やめておいた方がいいかもしれないな」

唯だったらもしかしたらものにするかもしれないが、さすがにこればかりはギャンブル過ぎる。

「へぇ~」
「査定をお待ちのお客様、お待たせしました!」

そんな時、遠くのほうから店員の声が聞こえた。

「どうやら査定が終わったみたいだ。戻ろうか、唯」
「うん♪」

僕の呼びかけに笑みを浮かべて頷いた唯は僕の腕に自分の腕をからめる。
まるでそれが普通だといわんばかりに。

(少し前までは離せとか言っていたのに……僕でも変わるものなんだね)

そんな人間じみた自分がどこか嬉しく感じつつある僕なのであった。





カウンターのほうにはすでに律たちが集まっており、僕と唯が最後に来る形となっていた。

「お待たせしました。こちらのギターですが60万円で買い取らせていただきます」

そして店員から営業スマイルで告げられた金額に、僕たちは愕然とするのであった。

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『けいおん!~軽音部と月の加護を受けし者~』最新話を掲載

こんにちは、TRcrantです。
大変お待たせしました。

本日『けいおん!~軽音部と月の加護を受けし者~』の最新話を掲載しました。
今回より、第2話の話に本格的に移っていきます。
まだまだ先は長いなと思わせつつ進んでいく感じになります。
この第2羽の話が終わるのに数話ぐらいはかかると思います。

さて、拍手コメントへの返信を行いたいと思います。

『冒頭に誤字がありました。唯が寝ているのを見て律がずっこけるところで 律ではなく率になっていました』

コスモさんご指摘のコメントありがとうございます。
ご指摘の箇所はしっかりと修正させていただきました。
また何か誤字等見つかりましたら、ご一報いただけると幸いです。

『 ハーメルンのアカウントを持ってないのでこちらに書かせていただきます。「ラブライブ!~たった一人の男子とスクールアイドル~」いつも楽しみに読んでます。 ヒロインの希望ですが活動報告でないですけど大丈夫ですかね? 大丈夫だとしたら凛ちゃんヒロインを見てみたいです。 他の作品ではあまり見ないので……』

ウィードさん拍手コメントありがとうございます。
一応ハーメルンのほうではアカウントを持っていない方でも感想をかける設定となっておりますが、どちらも目を通しているので、大丈夫です。
ヒロインの希望ですが、もちろん大丈夫ですよ。
実際に活動報告ではそういったものを作っていなかったりしますので、次回の投稿をめどに作成したいと思います。
ということで、凛のヒロイン希望を確認いたしましたので、その後報告という形で失礼します。


それでは、これにて失礼します。

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第109話 掘り出し物

「それにしても、こうしてみるといろいろありますね」

連絡通路内のすべての荷物を部室のほうに運び終えたのを見た梓が、しみじみとした様子でつぶやいた。

「何かあるたびにとりあえずということで置いていたからね」

ムギの言うとおりだ。

『置く場所がないからとりあえずここに』や『使うかもしれないからとりあえず』

そんな感じで連絡通路に置いていったのだが、気づけばまるでジャングルのような惨状となっていた。
フォローするのであれば、これが三年かけてであるということぐらいだろうか。

「それにしてもなんだ、このぬいぐるみの山は? お店でも開くつもりか?」
「それ、私が200円で取ったやつだよ!」
「知るか。とっとと持って帰れ」

胸を張りながら答える唯に僕は一周して近くにあったレモンか何かのぬいぐるみを唯に手渡した。

「ぶーぶー」

そんな僕の反応に、頬を膨らませながら抗議してくるが、僕はそれを無視した。

「あ、これも持ってけ」

そう言って律が渡したのは、お世辞にもかわいくもなんともないおじさんの頭だった。
おそらくはキーホルダーか何かだろう。

「それは私のじゃないよ」
「へ? それじゃあ、誰の」

唯の返事に、律はキーホルダーのようなものをまじまじと見つめながら首をかしげていると、それを強奪する人物がいた。
強奪した人物……澪は大事そうに抱えるとすたすたと自分のカバンのほうに向かっていく。

「あんたのかよ!!」

律がそうツッコみたくなるのもわかるような気がした。

「あれ、そっちのほうまで片づけるのか?」
「うん。使うことがなかったからついでにね」

連絡通路ではなく食器棚と化した場所の整理をしているムギに声をかけるとそんな答えが返ってきた。
そして次々にテーブルの上に置かれていくお皿やグラスの数々。

「こうして見てみると豪華だよなー」

テーブルの上に置かれた売れば数百万の値は下るであろう者の数々に、律は感嘆の声を上げた。
そんな中、唯はおもむろに一つの箱を手にした。
それはムギが箱の中に詰めていたものなので、中に入っているのは何らかの食器だろう。

「ムギちゃん、これっていくらぐらいするの?」
「それを聞きますか」

ある意味禁断の質問に、僕は驚きながらもムギの答えを待った。

「えっと、値段は分からないけれどベルギー王室で使われていたものと同じだったはずだけど」
「王室」

ムギの答えは僕の予想の斜め上を行くものであった。

(確実に万はいくな)

価値は分からないが、割ったらシャレにならないのだけは分かった。
そんな中、王室という衝撃の単語を耳にした唯は唖然とした様子で手に持っている王室御用達(?)の食器が入った箱を落とした。

「のわぁ!?」

間一髪のところで滑り込んだ律が箱をキャッチしたことで難を逃れた。

「ゆ、唯。心臓に悪いことをするな」
「ご、ごめんなせえ。わい、つい驚いちまって」
「誰?」

注意する律の言葉に、誰かのキャラを演じながら謝る唯に、僕は思わず小さな声でツッコむのであった。

「これは誰のだ? バケツに石とかが入ってるやつ」
「あ、それは僕のだ」

澪が見えるように掲げたのは、僕がよく使う道具だった。

「いったい何に使うんだよ?」
「何って、研ぐんだけど」

そうでなければ石(正確には研ぎ石だけど)を置いておかないはずがない。

「いや、そんな”常識だろ”みたいな感じで言われても」
「でも、何を研ぐんですか?」

律のツッコみをよそに、梓が疑問を投げかけてきた。

「魔導媒体……わかりやすく言えば魔法使いの杖のようなもの。形は色々あるから杖や水晶玉に剣とか。その中で剣の場合は威力を落とさないようにするために定期的研いで切れ味を維持する必要がある」
「なんだか大変なんだね」

僕の説明を聞いたムギが感心したような口調でつぶやいた。

「大変なのは最初のうちだけ。少しすれば全く苦にもならないよ。メンテナンスはいつも酷使していることに対する感謝の気持ち。そう思えば、どのようなメンテナンスも大変だとは思わなくなるもんだ。毎朝顔を洗ったりするのと一緒だ」
「へぇ……」

そんな僕の言葉に、間の抜けたような声で相槌を打つ律に僕は言うのも野暮だということを悟った。

「ほら、早く片付けの作業を進めるよ。これじゃいつまでたっても終わらない」
『はーい』

僕の催促にみんなはうなづきながら返事をすると再び片付け作業へと戻っていくのであった。










「何とか片付いたな」
「一仕事をした後のお菓子はうまいなぁ」

片づけの作業も一通り終えた僕たちは、いつものようにお菓子を食べていた。

「一仕事って……そもそもだらしなくしていたのが原因だけどね」
「そいつは言わねえお約束だよ」
「だから誰だよ」

僕の言葉に、渋い声で言ってくる律に、何度目になるかわからないツッコみを入れた。

「でも、私たちの物ではない私物もあるよな」

澪の視線の先にあるのは床に置かれt数箱の段ボールだった。
中身は音楽関係の雑誌などで、軽音部らしさを感じることができるものだった。

「真面目に活動していた頃もあったんですね」
「あずにゃん、今の軽音部が異常なだけで、過去の軽音部がいい加減な活動をし続けているわけじゃないからね」

梓がポツリと漏らした言葉に、僕は苦笑しながら口にした。

「高月君、それフォローになってないわよ」
「しかも、浩介が”あずにゃん”っていうのはものすごくあれなんだけど」

そんな僕にムギと律から指摘されてしまった。

「言うな律。僕もそう思ってきたところだ」
「だったら言わないでください!!」

僕の言葉に、梓から怒られてしまった。
なんだかんだ言って梓も僕から”あずにゃん”と呼ばれるのは嫌なのかもしれない。

(とはいえ、このあだ名は実に彼女を正確にとらえていると思うんだけど)

そういう理由で今後も呼び続けそうだった。

「ねえ、見てみて!」
「ん?」

そんな時、連絡通路のほうに入っていた唯が若干興奮気味に大きな声を上げながら戻ってきた。
両手にはアルミ製かどうかは分からないがケースがあった。

「お、もしかして金目の物か!?」
「意地汚く聞こえるぞ、それ」

興味津々で唯に近づきながら声を上げる率に、僕はぼそりとツッコんだ。
それはともかく、唯の持っているケースの中身が気になった僕たちは、ベンチの上に置いて中を見てみることにした。

「ギターだ」

中に入っていたのは茶色を基調にしたボディーでやや小さめなギターだった。

「少し古いけどかなり高そうなギターですね」
「そうだな……値段は分からないけれど、数万はいくと思う」

梓の言葉に頷きながら僕は値段の予想をした。
とはいえ、ほとんど適当だったりするが。

「なぁんだ、つまんない」
「もっと面白いものを期待したのに」

そんな中、あっという間に興味を失ったのか律と唯は不満げに言葉を漏らしながらギターケースから離れていった。

「軽音部なんですからもっと興味を持ちましょうよ!?」
「本当に分かりやすいよな、二人とも」

梓のツッコミに続くように苦笑していると、部室のドアが開いた。
入ってきたのは顧問の山中先生だった。

「あら、懐かしいわね」
「これ、先生のですか?」

梓の手にあるギターに気付いた山中先生の言葉に、梓が尋ねた。

「そうよ、父親の友人にもらったギターなの」
「もしかして、先生は軽音部だったんですか!?」

山中先生の返答に、梓はもしやといった感じで先生に問い掛けた。

「ええ、そうよ。言ってなかった?」

(まあ、言えるわけないけど)

山中先生の軽音部時代はある意味タブー扱いとなっているのだから、話せるはずがなかった。
何せ、話してしまえば、”そういった部分”も触れることになるのだから。

「やっぱりそうだったんですね! 学園祭の時うまいなって思ったんです!」
「まあ、かなりブランクはあったけど今の唯ちゃんよりはうまいわよ」

(久々の尊敬モードだ)

最近はなくなったが、尊敬のあまりに興奮した様子で目をキラキラと輝かせている梓の姿に、僕は懐かしさを感じていた。
最近はしなくなったが、最初はこんな感じだった。
まあ、どちらかといえば変に尊敬されるよりは普通に接してもらった方が僕としてはそれほど苦痛にはならないのでいいのだが。

「今度教えてもらってもいいですか?」
「いいわよ」

とんとん拍子で話が進んでいくが、一つだけ問題があった。

「唯、例のやつを」
「ラジャー」

僕は唯に声をかけてあるものを用意させた。

「梓」
「何ですか? 浩介先輩」

そんな中、僕は梓に声をかけた。

「確かに山中先生は、ギターがかなりうまいから別にかまわないんだけど……」

梓が怪訝そうな表情をうかべる中、僕はそう告げると

「これが学生時代のさわちゃんです」

と言って、唯が卒業アルバムにあった軽音部時代の山中先生の写真を掲げた。

「だけど、いいのか?」
「……やっぱりいいです」

梓の判断は取り下げだった。

「何でよ!!」
「まあそうなるわな」

頬を膨らませている山中先生に、僕は小さな声でつぶやくのであった。










「私物は持ち帰ることになっているので、持って帰ってください」
「えぇ……」

唯からギターを手渡された山中先生は若干戸惑ったような表情をうかべながら、ギターを受け取った。
だが、その表情が一瞬歪んだ。

「うーん……弾く時間がないのよね」
「え? それじゃ、どうするの?」

山中先生の言葉に、尋ねた唯に、先生はギターをもとのギターケースにしまうとそれをベンチのほうに立てかけた。

「これを売って部費の足しにでもして頂戴」
「おぉ、太っ腹!」

山中先生の判断は、それを売るというものだった。

「いや、太っ腹というより……」
「押し付けられてるだけだろ!」

ただ、その真意を見抜いていたのか、澪と律の反応は冷ややかだた。

「でも、いいんですか? かなりいいギターですけど」
「ええ。保存状態も悪いし、ちゃんと弾いてくれる人に買ってもらった方がこのギターも幸せだと思うの」

梓の問いかけに答えた山中先生の言葉には嘘花あった。

「あ、そういえば、楽器店での買取額アップのクーポンがあったから、それ使って」
「おぉ~、浩君も太っ腹だ!」

ふと、僕は自宅に届いていた買取額上昇クーポン(2割)のことを思い出したので、僕は快くそれを提供することにした。
まさか、これが飛渡でもない珍騒動へと発展するとは知らずに。





「さてと、それじゃ行きますか」
「なあ、このケース誰が持つんだ?」

すべての始まりは、律のその問いかけだった。
今日は誰も荷物がやや多めだ。
多めとはいっても、どっさりといった様子は見受けられない。
もっとも唯だけは別だが。
ムギの大量の食器などについては深く考えないようにした。
きっと何らかの方法で持って帰るのだろうから。
それはともかく、問題になっているのは、誰がギターケースを持っていくかということだ。
見つかったギターはレスポールに比べれば重さは軽い方だ。
だが、それも持つのが非力な女子だとそれも大きく異なる。

(まあ、僕が持てばいいか)

唯一の男手なのだから、僕が持っても問題はない。
そんな結論に至った僕は、自ら立候補しようと手を上げようとした時だった。

「だったら僕が――「ちょっと待ったぁ!」――」

僕の声を遮るように律が待ったをかけたのだ。

「じゃんけんで負けたらケース持つゲームやろうぜ!」
「意味が分からない」

律の提案に、僕は速攻でツッコんだ。
いったいどんなゲームなのだろうか?

「いや、だからな。みんなでじゃんけんをして、負けたら決められた間はそのギターを持つっていう遊び。じゃんけんなら公平に……あ」

言葉通りに受け取ったのか、内容を説明する律は何かを思い出したようで言葉を止めた。

「浩介って、心を読むのって使えたりするのか?」
「当然。人の嘘を見抜くのに必要だから常時使えるようになってる」

”魔法”の二文字を口にしなかったのは非常にありがたかった。
部室内とはいえ、出入り口に近いところで口にされるのは非常に危険だ。
軽い魔法を使っているところを見られても、手品や見間違いなどといくらでもごまかしはいくが言葉はそうはいかない。

(まあ、どっちも目撃されれば危険なんだけど)

だからこそ部室では魔法のたぐいの話はあまりしないのだ。

(いつかこの部室に対盗聴盗撮の結界魔法でも展開しておくか)

そんなことを考えているあたり、僕にはもしかしたら隠す気など全くないのかもしれないが。
閑話休題。

「それって、解除は」
「できない。今のように出力を弱めることはできるけど、それでも少しでも集中すれば律たちがその時に強く考えていることは分かる。対策には真逆のことを思えばいいんだけど、そんなことをするのは難しいだろうし」
「それじゃ、ずるじゃないですか!」

梓からもっともな抗議の言葉が返ってきた。

「だったら、目を閉じればいい。僕のこれは目に入った人物の心を読み解くんだから。じゃんけんで全員がグーやチョキを出すまで目を閉じておけばいい」
「それじゃ、それでいこう」

(まあ、一番手っ取り早いのはやらないことなんだけど)

それを言うのはちょっとばかり空気を読んでいないと思ったので、僕は心の中にとどめておくことにした。
そして僕は目を閉じた。

「それじゃ、行くぞー!」
「本当にやるんですか?」

乗り気ではない梓が、律に尋ねる。

「おやおやー、梓ちゃんは負けるのがいやなのかなー?」
「む?! そんなことないです! やってやるです!」

律の挑発に見事乗せられた梓は、いつかの合宿の時に口にした言葉を言い放った。

「それじゃ、最初はグー」

(適当に出すか)

律の掛け声を耳にしながら、僕はそんなことを考えていた。

「じゃんけんポンっ!」

そして僕は適当にグーの手を出すのであった。

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