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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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『けいおん!~軽音部と月の加護を受けし者~』最新話を掲載

こんばんは、TRcrantです。

本日『けいおん!~軽音部と月の加護を受けし者~』の最新話を掲載しました。
今回も某ドラマネタが入っております。
手品のタネというのはなかなか自分では思いつかないものなんですね(汗)

それはともかくとして、今年も残すところあとわずか。
一年間大変お世話になりました。
また来年もよろしくお願いします。

さて、拍手コメントへの返信を行いたいと思います。

『バス座席がまさか浩介と慶介が隣だとは思わなかったです。 2015年も頑張ってください』

コスモさん、コメントありがとうございます。
浩介と慶介が隣同士というのはもとからあった案でした。
まあ、それを生かせたかどうかは別ですが(苦笑)
今年一年ありがとうござました。
こちらこそ、また来年もよろしくお願いします。


それでは、これにて失礼します。

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第118話 手品と悲劇

「それじゃ、この中から好きなカードを一枚とって」

さらにしばらくして僕は慶介の目の前である程度カードシャッフルすると、カードを伏せたまま横に広げて慶介に差し出した。

(どうしてこうなったんだ?)

僕はこうなった経緯を軽く思い出してみることにした。
たしか、そうだ。
女性に引っ叩かれたショックから立ち直った慶介に言った”お前はウソをつくと目が大きくなる”と言った僕に、嘘だと否定した慶介にそれを証明するためだった。

「…………」

事の経緯を思い出している中、慶介は警戒しながらカードを一枚取った。

「それを僕に見えないようにして覚えて」

横に広げたカードを一つのヤマに戻したながら僕が指示すると、慶介はカードが僕に見えないようにしながら表の方を見る。

「それじゃ、そのカードを好きなところに戻して」
「本当に、これで分かるのか?」

カードを横に再び広げて促す僕に疑いの声を上げながらも、カードを伏せて戻したので、僕はそれを再び一つのヤマに戻した。

「それじゃ、最後にこれを好きなだけシャッフルして」

カードのヤマを受け取った慶介は、念入りに何度も何度もカードをシャッフルしていく。

「ほら」
「これから僕はカードを一枚一枚見せていくから、慶介はカードを見て全部”違う”って答えて。僕は慶介の目を見
てさっき手にしたカードを当ててみせよう」
「やってもらおうじゃないか」

当てられないと思っている様子の慶介が頷いたのを確認した僕は、伏せられるように簡易テーブルの上に置かれているトランプのヤマの一番上のカードを手にすると、それを慶介の目の前に掲げる。

「違う」

慶介の答えを聞いた僕は、そのカードを簡易テーブルのヤマが置かれている場所とは違うところに置いて、またトランプのヤマから一番上のカードを手にするとそれを見せていくという行為を繰り返した。

「違う」

慶介が、数十回目の否定の言葉を口にした、その数十回目の段階で、僕はようやくそのカードを見つけた。

「慶介が選んだカードはこれだな?」
「…………」

僕の言葉に、慶介は固まった。
それはまるで信じられないとばかりに。

「ど、どうして!?」
「言っただろ? 慶介は嘘をつくと目が少し大きくなるって」

どうやら的中のようだった。
慶介の問いかけに答えず、僕はトランプを集めて箱にしまった。

「まあ、これで嘘はつけないってわかっただろ」
「ちょっと待て!」

カードをカバンにしまおうとしたところで、慶介から待ったがかけられた。

「何か?」
「そのトランプ、少しだけ貸して」

どうやら、トランプを貸してほしかったみたいだった。

「絶対に仕掛けがあるに決まってる! 調べさせてもらうぞ」
「どうぞ、好きなだけ。トランプはそんなに使うわけじゃないから、気のすむまで調べれば」

僕は慶介にトランプを手渡すと、鞄に入れておいた本を取り出す。
ちなみに、今のは魔法ではなく、本当にただのインチキだ。
タネもちゃんとある。

(あ、梓にメールでも送っておくか)

本を読もうとしたところで、僕は旅行中の軽音部についてまだ何も話していなかったことを思い出したので、僕は鞄に本をしまい代わりに携帯電話を取り出すとメールを表示させて文章を打ち込んでいく。

(練習を怠らないように……っと、こんなものかな)

我ながら、固すぎないかとも思うがこのくらいがちょうどいいということで納得することにした。
そしてそのまま梓の携帯にメールを送信した。
送信完了のメッセージが表示されたのと同時に、窓の外が一気に真っ暗になり、轟音が車内に響き渡った。
どうやらトンネルに入ったようだ。

(危なかった。あとちょっとで圏外になるところだった)

トンネル内で圏外になることはないが、時頼そうなってしまうことがあるので、僕はほっと胸をなでおろした。

「分かったぞ!」
「ん?」

そんな僕に、慶介がいきなり声を上げた。

「やっぱり、『俺が嘘をつくと目が大きくなる』ってのはウソじゃないか!」
「あぁ。あれのことか」

慶介の言葉で、僕はようやく慶介が何のことを言っているのかがわかった。

そんな僕をよろに、慶介は突然カードを数枚取り出すと僕の前に掲げた。
それは僕が慶介に貸していたトランプだった。

「仕掛けはこのトランプにあったんだ。一見上下対称になっているように見える模様だけど、この真ん中の風車だけは違う」

そう言って慶介が指摘した個所を見ると3枚あるうちの2枚の上側には羽根はないが、1枚には上側に羽根があった。

「浩介は、予めカードの向きをすべてそろえて置いて、俺にカードを覚えさせた隙にカードを逆向きにした。俺の選んだカードは逆向きになっているからいくらシャッフルしても同じだ」

得意げにネタを暴いていく慶介は、一旦言葉を区切った。
僕は慶介の推理を静かに聞いていた。

「つまり、浩介は俺の目を見ていたのではなく、トランプの模様を見ていたんだ!」
「別に、そう思いたければ思えばいいんじゃない? それでお前のプライドが満足するなら別にかまわないけれど」

自信満々に語られた慶介の推測に、僕は動揺もせず普通に言い返した。
僕の強気な言葉とは裏腹に、慶介の推測は見事に当たっていたりする。

「なんだと? 降参なら降参って言えよ!」
「別に」

とはいえ、あのくらいのトリックは道具さえあれば子供でも思いつく。
それを言い当てられたところで悔しくもなんともない。
逆に、むきになっている慶介の方がある意味面白く思えてきた。

「だったらこうしよう。今からもう一度同じことをしてもらおうじゃないか。そこで当てたら浩介の言ったことを認めてやるよ」
「いいぞ」

慶介の提案に乗った僕は、もう一度その場で同じことをすることになった。
先ほどと同じ手順でカードを選んでもらい、それを覚えさせそして伏せてあるカードのところに戻させる。
慶介はこの時に、模様が一致しているかを念入りに確認していた。
そしてそれを気が済むまでシャッフルしていく。

「さあ、当ててみろ!」
「それじゃ、遠慮なく」

僕は自信満々の言い放った慶介にそう告げると、慶介にカードを一枚もかざすこともなくトランプカードの中から一枚のカードを選ぶと、それを慶介に向けて掲げた。

「これだろ」
「…………なんでだよ!!」

どうやら見事に当たりだったようで、驚きに満ちた表情を浮かべながら慶介が叫んだ。

「窓ガラスに写ってた」

理由を告げた僕は、慶介の背後にあるドアの窓ガラスを指差した。
そこには窓があり、いまだにトンネルの中のため、それが鏡の役割を果たしていたのだ。
つまり、完全なインチキっだ。

「…………もう一度」

種明かしをすると、慶介はゆっくりとバインダーを下して、見えないようにしてやり直しを求めてきた。

「何度やっても同じだと思うけど」
「なぜだ?」
「内緒」

慶介の問いかけに、僕は一言告げるとトランプをポケットに入れた。

「いいから教えてくれよ」
「嫌だ」

なおも食い下がる慶介に、僕は再び拒否すると読みかけの本を読むことにした。

(それにしても、よく話すことがあること)

隣の座席で楽しそうに談笑している唯たちの様子を横目に、僕は心の中でつぶやくのであった。










「あ、浩介」
「今度は何?」

再び散策をしている僕に声をかけてきた慶介に、僕は要件を尋ねた。

「浩介のトランプで、今度は俺に手品をさせてくれ」
「別にかまわないけど、失くすなよ?」
「分かってるよ」

慶介のお願いを断る理由もないので、僕はポケットから先ほどしまったトランプを手渡した。
しっかりとくぎを刺して。

「それじゃ、俺の華麗なシャッフル捌きを見てろよ」
「いいから、早くしろ」

変にかっこつけて告げる慶介を急かして、僕は慶介にシャッフルをさせた。

「うわ!?」
「何をやってるんだよ。馬鹿」

シャッフルを始めて早々、見事に失敗してトランプを周囲に散らばした慶介に、僕は片手を頭に当てながら口を開いた。

「わ、悪い」
「いいから慶介はそっちに散らばったカードを拾え」

申し訳なさそうに謝る慶介に檄を飛ばしながら、僕は周囲に散らばったトランプを拾っていく。

「よし、これで全部だな」
「いや、まだ残ってる」

ことを成し遂げたような清々しさを醸し出す慶介に、僕はある方向を指さしながら告げた。
彼にとって不幸だったのは、今僕たちがいる車両は先程慶介にビンタをした女性のいる車両であること。
そして何より、ぐっすりと眠っている先ほどの女性のスカートの上に僕のトランプがのっていることだ。

「おいおい、勘弁してくれよ」

先ほどあれで恐怖を味わった慶介は、声をひきつらせながらも恐る恐るといった様子で女性に近寄っていく。
そして慶介は女性のスカートへと手を伸ばした。

(ま、まさか起こさずに取る気か?!)

慶介の決断は、ある意味勇者よりもすごかった。
それはともかく、ゆっくりと手を伸ばした慶介だったが、無情にも女性が身じろぎをしたためにトランプは女性の足元という、非常に取りづらい場所に落ちてしまった。
今度こそ女性を起こすかと思ったが、慶介はさらに信じられない行動にでた。
なんと、足元にあるトランプカードを取ろうとしているのだ。
だが、それは傍から見れば確実に痴漢行為をしているようにしか見えないものだった。

(もう知らない)

どうなるのかを悟った僕は、巻き込まれないようにするために慶介から距離を取った。
そして、無謀なことをしている慶介だったが、その動きが止まった。
かと思えばまるで吹き飛ばされたかのように通路を挟んだ反対側の座席まで後ずさった。
どうやら、最悪な事態になってしまったようだ。

「あんたはさっきから何を考えてしてるんだ! もう今度は許さない」
「だ、誰か助けて!」

怒り心頭の様子で英語をまくし立てながら立ち上がる女性から逃げるように、慶介は僕が立っている方向とは反対側の車両へ逃げていく。

「ぶっ殺してやる!!」

だが、それを猛追する女性は物騒な言葉を口ずさんでいた。
しかも口調も変わってるし。
まあ、慶介のやったことを思うと、そうなって当然だとは思うが。

(とりあえず、今のうちにカードを回収しておこう)

僕は女性が慶介を追いかけているすきに、最後の一枚のカードを回収しておくことにした。
さて、逃げ出した慶介だったが、すんなりと捕まったようで先程と同じ要領で体の向きを変えられると

「のおお!!!」

断末魔と共に殴られるのであった。

「ほうふへ、はへほ?」
「そうだな」

ものすごく言っていることが理解できなかったが、何を言いたいのかはすぐに分かった。
殴られた鼻を抑えながら戻るように促す慶介に、同情を隠せなかった。
そんなことを思いながら、僕たちは自分の席がある車両へと戻るのであった。











「それは違うよ!」
「いや、おにぎりは最初に香りを楽しんでパリパリ―とした食感を堪能するのが通なんだって」

戻ってすぐに聞こえたのは、何やら議論をしている律と唯の声だった。

「あ、浩介君おかえり。あれ? どうして佐々木君は鼻を押さえてるの?」

僕たちに気付いたムギの問いかけに、僕はどう答えたものかと悩んだが、

「ちょっとしたミスだ」

結局そう答えることにとどめた。

「浩介!」
「浩君!」
「な、何!?」

そんな僕に詰め寄るように声をかけてきたのは、律と唯だった。
その眼は真剣そのもので、僕は固唾を呑んで後に続く言葉を待った。

「おにぎりは海苔から先に食べるんだよね!」
「いいや、食感を楽しんでから食べるのが正しいよなっ?」

二人が聞いてきたのは、おにぎりの食べ方だった。

(何? このくだらない不毛な争い)

二人にしてみれば重要なことなのだろうが、関係のない僕から見ればまったくもってくだらないものだった。

「知らんっ!」

だからこそ僕の答えもそうなるわけで。

「えぇー、ちゃんと答えてよ!」
「そうだぞ! 男はここでびしっと言ってこそじゃないか!」

僕の出した答えにこちらににじり寄りながら猛反発してくる二人に、僕は一つため息をつくと

「自分の好きなようにすればいいだろ」

というのであった。
結局、この後もおにぎりの正しい食べ方討論は律が車窓から見える富士山に気づくまで続くのであった。
それが、僕たちが京都駅へ向かうまでの出来事だった。

(なんだか、あとが思いやられるな、これ)

しょっぱなから色々とカオスな状態になっているこの修学旅行に、僕は不安を覚えるのであった。
ちなみにこれは余談だが、二回も女性に怒られた慶介だが、京都駅に到着するまでどんよりとしていた。
さすがの慶介も、ショックからの立ち直りは時間がかかるようだった。
とはいえ、すぐに立ち直られたらある意味すごい人になるわけだが。

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『DOG DAYS~誤召喚されし者~』&『けいおん!~軽音部と月の加護を受けし者~』最新話を掲載

こんばんは、TRcrantです。

大変お待たせしました。
本日、『DOG DAYS~誤召喚されし者~』の最新話を掲載しました。
基本的には本章の流れと同じですが、次話からはオリジナルで進んでいきます。
まあ、分かる人にはわかってしまう展開ですが、楽しみにしていただければ幸いです、

そしてさらに『けいおん!~軽音部と月の加護を受けし者~』の最新話を掲載しました。
いよいよ修学旅行が始まりました。
ちなみに、この話は某ドラマのネタを使ったりしています。
そんな本作ですが、本日より1月3日まで、真位置に掲載させていく予定ですので、楽しみにしていただけると幸いです。

さて、ここで拍手コメントの返信に移らせていただきたいと思います。

『 けいおんの更新待ってました! 修学旅行の部屋割りが男女混合ですかw 何かが起きる気がします 誤字ありましたよ。 115話梓のセリフ 「はい。浩介k先輩」になってました 』

コスモさん、コメントありがとうございます。
ひと月にわたり放置状態となっており、大変失礼しました。
ちゃんとコメントは拝読させていただいておりますので、ご安心ください。
リアルでは絶対にありえない部屋割りです。
男女混合ならではのイベントもご用意しておりますので、楽しみにしていただけると幸いです。
また、該当の箇所の誤字ですが、コメントをいただいた日に修正を完了しております。


それでは、これにて失礼します。

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IF-D 第7話 近づく終わり

戦が始まった当初は、ブリオッシュたちと組んでいたがやはりどうしても気まずくなってしまったため、俺は逃げるようにグラン砦へと向かっているシンクたちの方と合流した。
エクレールからは『勝手に配置を変えるな』というありがたいお叱りを受けたものの、理由などは特に聞かれることもなく、特例と言うことで配置の認めてくれた。
尤も、姫君がOKを出してくれたことが一番大きいのではあるのだが。
そんなこんなで、グラン砦にたどり着いたのだが……

「ここからは私一人で行きます」

先ほど俺たちに向けて出されたレオ閣下の挑戦状を聞いた姫君が、突然そう言い出した。

(自分で話し合う気か。だが……)

俺は何となくっではある物の、嫌な予感がしてならない。
だからこそ、少しだけ意見をすることにした。

「それは認められません、姫君」
「え!?」

俺の言葉に驚いた様子で見てくる姫君。

「私もご一緒に行かせていただきます」
「私一人で大丈夫なので、渉さんは――」
「でしたらお聞きしますが、上に到着した際に攻撃されたらどうするのですか? 奇襲攻撃に対応できるのですか?」

俺はとことん性格が悪いなと思いつつ、姫君を問い詰める。

「今のレオ閣下は宝剣を奪うために躍起になっている。どのような事が起こるかは予測も出来ない。そんな状況で姫君を一人で行かせるのは、大問題です。護衛役として一人つく必要がある」
「おい、渉! 姫様に何ていう事を――「親衛隊長は黙ってろ!」――ッ!?」

俺に怒鳴ってくるエクレに怒鳴り返して無理やり黙らした。

「ということで、護衛には自分が付きます。もし嫌な場合でしたら、申し訳ありませんが姫君には眠って頂きます」
「ッ!?」

俺は神剣の吉宗を展開して、姫君に向けて構える。
吉宗なので、切ることはできない。
よってただの脅しだ。
だが、そのことを知らない姫君にとっては抜群の効果を発揮したようで、

「分かり……ました」

姫君は声を震わせながら了承した。

(こりゃ、後で謝った方がいいな)

姫君が上に向かう準備をするのを見ながら、俺はそう考えるのであった。










昇降機に乗り、武道台へと向かう中、姫君は大剣を手に俺は神剣二本を手に無言となっていた。
俺はそこでひとつ深呼吸をしてから口を開いた。

「先ほどは無礼の数々、大変申し訳ありませんでした」
「え?」

俺の突然の謝罪に、姫君が驚いたような声を上げた。

「俺も衣食住を見て貰っている恩もあるので、これくらいしなければ罰が当たります」
「そんな、もともとは私のせいで……」
「確かにそれはあれですが、色々な人たちとの出会いもたくさんありました。だからこそ今の俺は姫君の懐刀。姫君の身を守り、姫君の命を聞く……それが俺のやるべきことです」

俺は自分に言い聞かせるように姫君に告げた。
そうだ、今の俺は懐刀だ。
相手が向かってくるのであれば、手を汚してでも主を守らなければいけない。

「勿論、二人の話し合いを邪魔する気はありません。到着し次第、自分は離れた場所で待機します」
「ありがとうございます」
「お礼を言われるほどの事ではないですよ」

お礼を言ってきた姫君に、俺は苦笑い交じりに答えた。

「ところで、ダルキアン卿とユキカゼのことですが」

だが、姫君にはどうやら話が残っていたようで続けさまに切り出された話題に、俺は何も言わずに続きの言葉を待つことにした。

「お二人と喧嘩でもされたんですか?」
「別に喧嘩などは……」

していないと言おうとしたが、なぜかそこから先の言葉を口にすることができなかった。
別に姫組が俺を威圧しているわけでもなく、ただそれを口にするのが憚られたからだ。
もしかしたら、ウソをついたところですぐに姫君に本当のことがわかるという予感めいたものを感じていたからかもしれないが。

「理由を聞いても?」
「お二人の班から外れて私たちのところに来たので、そうじゃないかなと思ったんですけど」

俺の疑問に答えるようにして語られた姫君の答えは、実に理に適っているものだった。

「……もしよろしければ、ケンカの理由を教えていただけますか?」

神妙な面持ちで姫君は言葉をつづけた。

「……姫君にお話しするのもおこがましい理由ですよ」

そう前置きを置いて、俺は理由を話すことにした。

「人の気持ちを理解しようともせず、自分の身勝手な言葉で傷つけた……のかもしれませんし、それ以外の理由かもしれません」
「それ以外?」

姫君は俺の後半の言葉に疑問を抱いたようで、深く掘り下げてきた。

「詳しくは言えませんけど、でもこの戦が終わったらちゃんと話してみます」
「頑張ってくださいね、渉さん」
「ありがとうございます」

深く聞こうとしなかったことと、応援してくれたことに、俺は姫君に軽く頭を下げながらお礼を言った。

「貴方とこうしてお話ししたのは初めてですね」
「そうですね、自分も姫君とまともに話すのは、これが初めてです……と、到着しましたよ」

話がひと段落したところで昇降機が一番右側を指示したのを見て、俺は気を引き締めた。
そして、ゆっくりと扉が開く。

「お邪魔いたします。レオンミシェリ閣下」

姫君が前を見据えて声を上げると、昇降機を降りた。
俺も一歩遅れて昇降機を降り、奇襲に対応できる位置に立った。

「レオ様が国の宝剣を賭けて戦われるのであれば、私も宝剣を手にこの場に来ないといけないと思い、失礼ながら勝手に推参しました」

レオ閣下の表情は目が見開かれており、かなり動揺しているようにも見えた。

(俺と姫君の二人で来ることが予想外だったのか、それとも……)

俺が思考に耽っていた時、レオ閣下のそばにいたメイドのような人が、短剣を手に姫君に向かって行くのが見えた。

「はぁ!!」

間一髪のところで姫君の前に立ち神剣二本で防ぐことに成功した。

「分かりやすい奇襲どうも!!」
「無礼なふるまいについてのお叱りは後でいくらでも! 今は説明している時間がありません!!」

神剣と相手の持つ短剣に火花が散る。

「なッ!? しま――――」

俺は支点をずらされ、そのまま前のめりになってしまった。
倒れるのは免れたが、相手は姫君の所に向かって行こうとした。

「きゃあ!?」

その瞬間、姫君から発せられるエネルギーによってメイドの人は少しばかり後ろのほうに吹き飛ばされた。
その姫君の手にはピンク色で二回り小さな短剣が握られていた。
だが、その剣からは異様なものを感じることからそれが宝剣であることはすぐに分かった。
俺はすぐに奇襲を仕掛けてきたメイドの人に剣を突き付け、身動きを制限する。
その間、俺は頭の中で考える。

(どうも嫌な感じがする。これは空模様のせいなのか?)

周りの雰囲気が少しずつではあるが、悪くなっているのに俺は気付いていた。
それは、姫君とレオ閣下が言い合っているからではない。

(まさかとは思うが、プラスのエネルギーが消えかけているのか?)

それならば今の雰囲気にも説明がつく。

(だとすれば――――)

「ッ!?」

突然動悸と激しい眩暈が俺を襲った。
まるで、体の奥底から揺さぶられたかのような気持ち悪さを感じる。
しかしそれも、ほんの一瞬の事だった。

『グラナ浮遊砦攻略戦に参加中の皆様にお知らせします』
「ん?」

そんな中、突然聞こえてきたのはアナウンスだった。

『雷雲の影響か、付近のフロニャ力が、若干ではありますが弱まっています。また落雷の危険もあることから、いったん戦闘行動を中断してください。繰り返します――――』

(フロニャ力が弱まっている………俺の思った通りか)

俺はアナウンスを聞きながら自分の推測があっていたことを確認した。

「あの皆さん、屋根のあるところへ」

青髪のメイドの人が提案するとゆっくりと歩いて行った。

「二人とも」

俺は対峙している二人に静かに声をかけて、移動するように促した。
この時俺は、説明がつかないほど焦っていた。
二人はゆっくりとだがメイドの人のいる所に向かって行く。
そんな時、突如としてマイナスエネルギーが増幅した。

「「「ッ!?」」」

その次の瞬間、地震が発生した。

(これはまずい!!)

増幅し続けるマイナスのエネルギー、総称邪気。
その瞬間、武道台が宙に浮かび始めた。

「ミルヒ!」
「レオ様!」

名前を呼びあう二人だが、俺は空を見ていた。

(あれが、邪気の原因か)

俺の視線の先にあったもの、それは

―――とてつもない邪気と闇の力を秘めている漆黒の球体だった。

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第117話 波乱の幕開け?

修学旅行当日。
僕たち桜ヶ丘高等学校の3年は、クラス別に東京駅の新幹線ホームに集まっていた。
そこが集合場所だったからだ。

「人多すぎだろ」

平日ではあるが、人がごった返しているホームを見て、思わずげんなりとしてしまった。
人混みが嫌いだというわけではないが、好きでもない。
とはいえ、ライブでは話が別だが。

「おーい、こっちこっち!」
「分かったから、大きな声を出すな」

ただでさえ人が多いのがいやなのに、視線までこちらに注がれてはたまったもんじゃない。
僕は両手を大きく振りながら自分の立っている位置をアピールする律たちのいる方に、小走りで向かっていく。

「おはよう、高月君」
「おはよう」

さわやかな笑みを浮かべながら挨拶をするムギに、僕は挨拶を返した。

「浩君の席って、私たちの横なんだよね?」
「そうみたい」

座席は数日前に配られたしおりに記載されていたので、自分たちの座る場所は把握している。
ちなみに、一番後ろの席だった。

「遅刻している人はいないわね。それじゃ、皆、乗って」
『はーい』

そんな話をしていると、クラス全員がそろったことを確認した山中先生の指示で、僕たちは新幹線に乗り込む。

「あれ」
「よっ、浩介」

自分の席に向かった僕は、隣……窓側の座席に意外な人物が腰かけていたことに首を傾げた。

「どうして慶介がそこなんだ?」
「どうしてって……ここが俺の席なんだよ。っていうか、しおりに書いてあっただろ?」

僕の疑問に、慶介はジト目でこちらを見ながら答えた。

「興味がなかったから自分の位置しか見てない」
「いつもの浩介らしい対応だなっ!」

そんなどうでもいいツッコミを聞きながら、僕は荷物を上のほうに置くと、そのまま慶介の隣の席に腰掛けた。
それからすぐに、新幹線はゆっくりと動き出した。
こうして、僕たちの修学旅行は始まるのであった。










「……………」

いくつかの駅を出てしばらくしたころ、僕は隣で音楽プレーヤーにヘッドホンを接続して聴いている慶介にストレスを感じてた。
ストレスを感じている理由は、音漏れがひどすぎるからだ。
本人にすれば、いい曲だと思っていても、こちらにしてみればただの雑音でしかないのだ。
しかも、聴いている曲はエフェクトのようなものがかけられているやつだし。
ちなみに、余談だが持ち物で音楽プレーヤーなどを持ってきてはいけないという注意事項はないらしく、別に持ってきても問題はないとのこと。

(騒がれてもあれだけど、雑音を聞きながら堪えるのは嫌だぞ)

ボリュームを下げるように言えばいいのだろうが、慶介の使用しているタイプのヘッドホンではいくら音量を下げても音漏れがするのには変わらない。
その結果、僕は考え付いたある方法をとることにした。

「……おい」
「――――」

軽く慶介の腕をたたきながら呼ぶが、慶介は車窓の眺めを満喫(曲に合わせて体を上下に振っていたが)しているようでまったく反応がなかった。

「おいっ」
「いてっ。なんだよ」

今度は頭を軽く叩いて呼びかけてみたところ、ようやく反応が返ってきた。

「慶介、万能ナイフ持ってきたか?」
「持ってきたが、何に使うんだ?」

僕の問いかけに、慶介は鞄から万能ナイフを取り出すと用途を聞いてきた。

「ちょっと切りたいものがあるだけ。ほら、慶介は聞いてなよ」
「おう」

僕は適当に慶介の疑問に答えると、ヘッドホンをつけるように促した。
万能ナイフとはいえ、さすがにナイフやハサミなどはついていない。
あるのはカンのふたを開ける物や爪切りといったものだ。
僕はその中で爪切りを出すと、再び体を上下にゆすっている慶介の近くにあったコードを手にした。
そして、僕はそのコードを爪切りで切断した。
雑音がなくなったことを確認した僕は、投げ捨てるようにコードから手を放し、万能ナイフを簡易テーブルの上に置いて伏せておいた本を手に取った。

「あれ?」

突如音が聞こえなくなったことを不審に思った慶介は、コードを手繰り寄せる。

「浩介!」
「弁償するから静かに満喫しろ」

慶介の怒りに満ちた声に、僕は本から視線を逸らさずに一蹴した。

「あれは、俺が小遣いを貯めてようやっと手に入ったものだったんだぞ!」
「……」

血の涙を流している慶介に、罪悪感を感じた僕は鞄の中に手を入れた。
そして、心の中で呪文を紡ぐと、先ほどまでなかったものの感覚が伝わってきた。

「泣くな。これをあげるから」
「ヘッドホン……」

慶介に手渡したやや大きめのヘッドホンを慶介は目を瞬かせてみていた。

「安心しろ。それは慶介が持っていたのより数倍の値段だから。何回か使っただけで、別にどこも壊れてないし」
「い、いいのか?」
「僕は本を読んでるだけで十分だから。弁償の意味を兼ねてあげる」

高揚した様子で聞いてきた慶介に、僕は頷きながら答えた。

「浩介! お前は天使だな!」
「……」

先ほどとは打って変わって大げさに手を取って言ってきた慶介に、僕はなんとなく寒気を感じてしまった。
ヘッドホンを壊した人に言う言葉でないのは明らかだが、本人が喜んでいるのだからそれで良しとしよう。

【マスター、最初からそれを渡すつもりなら、普通に渡してもよかったのでは?】

事の成り行きを見守っていたクリエイトが、誰にも聞こえないように頭に直接話しかけて(祖国では念話と呼んでいるが)きた。

【普通に渡したら、あのヘッドホンを使いそうだから】

そして僕も念話でクリエイトにそう返した。
慶介のことだ、”大事なものだからこっちが壊れるまで他のは使わない!”とか言いそうだったので、この処置がある意味最善だったと僕は信じているのだ。
それはともかく、少ししてヘッドホンを装着した慶介だったが、音漏れがすることは一切なかった。
体を上下にゆするのは鬱陶しかったが、それは我慢することにした。










「ふぅ。たまには歩かないとね」

テレビでやっていた、エコノミック症候群とやらにかからないようにするための対策である歩行を僕はしていた。

(それにしても、外国の人が多いな)

何故かは知らないが、今いる車両は外国の観光客と思わしき人たちの姿が目立っていた。
ちなみに、今いるところは僕たちの座席がある車両ではない。

「おい、浩介」
「ん?」

突然名前を呼ばれた僕は、歩くのを止めて呼んだ人物のいる方向に振り向く。

「何をやってるんだよ? こんなところで」
「何って、散策だけど」

飲み物が入った水筒のコップ部分を片手に近寄ってくる慶介に、僕は答えた。

「散策って、ここですることか?」
「たまには歩かないと健康に悪いんだよ」

慶介からの指摘に、僕はやれやれとため息をつきながら言い返す。

「それにしても、一体何を飲んでるんだ?」
「コーヒー、微糖」

僕の疑問に対する慶介の答えに、僕は言葉が出なくなった。
しかも答え方が某有名な缶コーヒーのCMのナレーションと同じだし

「どうした? あ、もしかしてコーヒーが飲みたいとかか?」
「そうじゃなくて、二泊三日の修学旅行の飲み物でコーヒーを入れてくるか? 普通」

そういえば、小学生の時の遠足でオレンジジュースを水筒に入れていった奴がいたような記憶がある。
あれもあれで、ありえないような気もするが。

「そうか? 別におかしなところはないと思うん―――」

慶介がコップのほうに視線を落としながら答えていると、突然車内が大きく揺れた。
恐らくカーブかなんかに入ったためだろう。
僕も少しよろめいたが、人にぶつかったりはしていないので問題はなかった。
あるとすれば……

「ど、どうしよう……コーヒーが」
「ああ、見事にやっちまったな」

よろめいた慶介が座席に腰掛けるご婦人のスカートにコーヒーをかけてしまったことぐらいだろう。
婦人は今はぐっすりと眠っているようだった。

「慶介、ここは男の見せ所だぞ」
「そうだな。しっかりしないとな」

僕は慶介に婦人……女性を起こすように促すが、それは不要だったようだ。
覚悟を決めた慶介は、ポケットからハンカチを取り出した。

(って、ハンカチ?)

慶介のとった行動に、僕が目を瞬かせている中、慶介は何を思ったのかその場に跪いた。
そして両手を女性が腰かけている座席のほうに……って、まさか。
僕の予想は正しかったようで、慶介はなんとコーヒーを拭きだしたのだ。
それで拭けるのかどうかは微妙だが、問題なのは、一歩間違えれば確実に痴漢に間違えられることだ。

「慶介、それは――――」

僕は慌てて慶介の行動を止めようとしたが、それはちょっとだけ遅かったようだ。

「Hey!」

怒りが込められた慶介を呼ぶ女性の物と思われる声によって。

「いったいあなたは何をしているのよ!」
「ひぃっ!?」

どうやら女性は外国の人だったようで、まくしたてるように慶介に英語を話し始めた。

「しかも私のスカートを汚して! これ高かったのよ!」
「だ、誰かおしぼりを!」

まくしたてるように怒鳴る女性に、慶介は背を向けてこちらに逃げてきた。

(って、僕を巻き込むな!!)

僕も逃げ出そうとしたが、その必要はなかったようだ。
何せ、慶介は走り出してすぐに女性に捕まったのだから。
肩をつかまれた慶介は、そのまま体を半回転させられ。

「マダムっ!」

思いっきり平手打ちされた。
慶介を引っ叩いたことで満足したのか、女性は慶介に背を向けると、自分の席に戻って行った。
対する慶介は、引っ叩かれた頬を片手で押さえながらこちらに歩いてきた。

(素直に起して謝ればいいものを)

下手なことをするから痛い目を見るのだと、僕は心の中でため息をついた。

「戻ろうか、浩介」
「そうだな」

僕は何も言わずに慶介と共に僕たちの座席のある車両に戻るのであった。










「いやー、旅行はいいな!」
「律ちゃん、お行儀が悪いよ」
「そうだぞ。座席の上で胡坐をかくな」

戻ってすぐに聞こえたのは、修学旅行という行事に開放的な気分になっているであろう律の声と、それを咎める唯と澪の声だった。

「あ、浩君おかえり。あれ? どうして佐々木君はどんよりしてるの?」

僕たちが戻ってきたことに気付いた唯が出迎えながらも、女性に引っ叩かれたことでどんよりとしている慶介に気が付いたのか、疑問を投げかけてきた。

「ちょっとしたハプニングだ」

それが僕ができる最善の答えだった。

「お、そうだ。折角だし記念写真を撮ろうぜ!」
「いいね、いいね!」

そんな僕たちをしり目に、律の提案に唯が賛同した。

「少しは落ち着け」
「いいじゃない、旅の思い出にもなるんだし」

律の提案に、止めるように言う澪をムギが宥めた。

「ということで、浩介写真撮って」
「はいはい」

僕が止めても素直に聞くような感じではない(そもそも止める気もない)ので、僕はカメラを受け取るとディスプレイをのぞき込んで四人が入るように自分の立ち位置を調整した。

「ちょっとそこ! 用もなく立ち歩くのは止めなさい!」

そんな僕たちを見つけたのか、山中先生に怒られてしまった。

「浩介が写真をどうしても撮りたいと言って聞きませーん」
「……おい」

律によって、何故か僕が首謀者になってしまった。

「先生もこっちに来て一緒に撮ろうよ」
「行かないわよ! まったく貴方たちは」

唯の誘いに、山中先生は即答で拒否すると、怒ったように注意しながらこちらに向かってきた。
そして山中先生が僕たちのほうに来たところで、律から両手の人差し指と親指を合わせるようなジェスチャーを送られた。

(あー、なるほどね)

その意図を悟った僕は、すぐさま行動に出ることにした。

「山中先生」
「何よ!」

僕の呼ぶ声にこちらを振り向いたところで、僕は写真を撮る合言葉である

「はい、チーズ」

と告げた。
そしてシャッターを切ると、そこにはいい笑顔でポーズをとる山中先生の姿があった。

(ヲイヲイ)

うまく乗せられている山中先生に、僕は何とも言えない気持ちを抱いてしまった。

「あ……」

そしてそれは山中先生も同じようで、声を発したかと思えば、肩を落として僕たちの前から去って行った。
その後姿を見てなんだかとてもかわいそうに思えてしまった。
とどめを刺した僕が言うのもあれだが。

「それじゃ、次は私が撮るから、浩介君はこっちに来てね」
「わかった」

ムギの心遣いに感謝しながら、僕はムギにカメラを手渡すとムギが立っていた座席のほうに移動した。

「よっこらせいと」

移動してきた僕の隣に、まるでそこにいるのが当然だと言わんばかりの勢いで唯が移動してきた。

「熱々どすなー」
「いやん、照れますなー」
「……いいから早く写真を撮れ」

律のからかいを含んだ言葉に照れたように頭をさする唯をしり目に、僕はムギに写真を撮るように急かした。
これ以上からかわれると、顔が真っ赤になった間抜け面が記録に残ってしまうからだ。

「はい、チーズ」

ムギの合図によって僕を含めた軽音部メンバーの写真撮影は無事に終わった。
そのあとは自分の席に戻り、再び鉄道の旅にいそしむことにした。

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