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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第37話 闇の書の意志

俺は、近くで感知された巨大な魔力がある場所に向かっていた。

「ここが一番魔力の高い場所か」

俺は周りを見回してみたが、そこには何もいなかった。

「………一体どこにいるんだ?」

俺はエイミィさん達の勘違いかと思い始めた時だった。

「ッ!!?」

周囲の雰囲気が変わるのを、俺は肌身で感じた。
どうやら魔力反応の主が現れたようだった。
そう思い俺は、気配のする場所に視線を移した。
そこにいたのは……

「お、お前は――――ッ!?」

黒い羽根を生やした、リインフォース……いや、闇の書の意志であった。

「我は再び呼び起されてしまった」

そんな闇の書の意志は、俺に気付くことなく言葉を続けた。

「我を呼び起こしたのは、お前か?」
「え?!」

突然声をかけられ、俺が口に出来たのはそんな言葉だった。

「お前が我を呼び起こしたのか?」
「分からない」

再度問いかけられた俺は、そう答えた。

「そうか……我は闇の書、だが我を織りなす部品がまるで足りない………防衛システムや転生能力も」
「それは、すべてが壊されたからだ」

俺は闇の書の意志にそう告げた。

「そしてそれを望んだのはほかでもない、あなた自身だ」
「我が望んだ? それはありえない、我はただ破壊するだけの魔導書だ」

俺の言葉に闇の書の意志が悲しげな表情を浮かべて呟いた。

「違う!! お前は破壊をするだけの魔導書ではない! 今の主が、無限の悲しみを終わらせたんだ!!」
「そんなことはありえない。我らを労わってくれる主などいるはずがない」

俺の言葉を否定する闇の書の意志。

(やっぱり話し合いでは無理か)

俺は内心でそう思っていた。
そして少し前の事を思い出した。










それは執行人と俺と真人とのやり取りだった。

『お前に出来る事?』
『ああ、そうだ。俺には何か出来る事はあのかなって………』

俺の言葉に、執行人はすかさず答えた。

『ない』
『……それは、なぜです?』

俺は執行人に尋ねた。

『お前の力は空っぽだ。味も何もないな』
『そ、それはちょっと言い過ぎなような気が』

執行人の言葉に、真人が軽くフォローを入れた。

『言い過ぎでもない。お前のその力には何の意味がある? お前は何が為にその剣を振るう?』
『………』
『それに答えられないようでは、ここにいることもできないだろう』

執行人の言葉は、的を得ていた。
だから、その時俺は満足に反論も出来なかった。










だが、今は答えることが出来る。

「お前の悲しい物語は、この俺の手で終わらせる!!」

だから、俺は戦う。
俺が、この力を振るう目的を確実にするために。

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