とある世界にて俺と執行人に健司とで向かい合っていた。
「ルールの説明をするぞ。使う魔法は自由。魔力が無くなるか、相手がリタイアすれば勝ちだ」
「分かった」
「同じく」
執行人の言葉に、俺と健司が頷いた。
なぜこうなったのかと言うと、執行人名物の練習も終わった時の事だ。
『健司、真人と模擬戦をやれ】
と突然言い出したのだ。
こうして俺と健司の模擬戦が決まったのだ。
もちろん、俺に拒否権はなかったが。
「それでは、始め!!」
「はぁぁ!!」
俺と健司は一直線に駆け出すと剣を振るった。
「っと!!」
それを健司は干将莫邪で防ぐと押し返してきた。
「そこ!」
「喰らうか!」
押し返された隙を狙って、俺に向かってくる健司だが俺は横に移動することで回避した。
そしてクリエイトを弓状に変形させると一発射た。
「ちぃ!」
「ブレイク・インパルス!!」
俺の矢を一発喰らう健司に、俺は攻撃力の高い矢攻撃を放つ。
「喰らうか!! I am the bone of my sword.
偽・螺旋剣」
「のわぁ!?」
健司による一撃に俺は慌てて回避する。
危うく直撃しそうになった。
まあ、多少はかすったが。
「ブレイクイヤー・マルチショット!!」
俺はそれに答えるように矢を10本射た。
それは扇状に放たれる。
「
熾天覆う七つの円環」
回避できないと悟ったのか、結界を展開する。
だが……
「ぐあああ!?」
俺のブレイクイヤーにある結界魔法や防御魔法をすべて破壊するスキルのおかげで、健司の結界は破壊され3発喰らうことになった。
そして俺はこの隙を無駄にはしていない。
「行くぞ!! 一刀………」
「しま――――」
「両断!!」
俺は剣状にしたクリエイトを思いっきり健司に振りかざす。
これで倒せただろうか?
答えは否だ。
「I am the bone of my sword.Steel is my body,and fire is my blood」
健司が唱えているのはおそらく、固有結界だ。
本来であればここは防ぐべきなのだが、俺は健司がどのくらい強くなったのかを見たかったのでそのまま見ることにした。
「I have created over a thousand blades.Unknown to Death.Nor known to Life」
だが、ただ見ているだけではない。
俺はある準備をしておくことにした。
「Have withstood pain to create many weapons.Yet,those hands will never hold anything.So as I pray,"unlimited blade works"!!」
そして辺りの景色は一変した。
そこはまるで砂漠の中にあるオアシスのような場所だった。
言い方は変だが、前方には砂漠が、後ろの方には森林が広がっていた。
これが健司の創り出した世界。
まるで天国と地獄だ。
「
壊れた幻想!!」
「ぐぅ!!」
突如として健司が弓を射てきたので避けるが、突然発生した暴風に俺は吹き飛ばされそうになった。
「はああ!!」
「っし!」
健司が干将莫邪を俺の方に投げてくるが、俺はそれをバックステップで回避する。
「ファルス」
「なッ!?」
俺の一言で空中に無数の魔法弾が出現する。
これが俺の新たに作り出した能力。
その名も格納放出だ。
これは、事前に作り出した魔法弾をクリエイトの中にしまっておき、一言で一気にそれを放出するものだ。
弱点と言えば、作り出すのに時間が掛かることだが。
「健司、お前は強い。だから俺も本気で行く。ファイアー!」
それを俺は一気に放った。
健司のいた場所が爆煙に包まれる。
だが、俺は油断しない。
剣状のクリエイトを手に、俺は一気に肉厚する。
「一刀……」
「やば――――」
煙が晴れると、そこにいたのは防御魔法で防いで立っている健司だった。
しかしその姿はすでにフラフラだ。
「両断!!」
そんな健司に俺は容赦なく剣を振り下ろした。
「そこまで!! この勝負、真人の勝ちだ!!」
こうして、この模擬戦は俺の勝利となった。
だが、健司はどんどん強くなっているという感じが、俺が感じた印象だった。
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