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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第46話 動き始める物語

どうも、山本真人です。
あれから2年たち、俺は二等櫛から空曹長にまで昇進しました。
まあ、あれから数多くの任務に就いているからだけど。

【山本空曹長、北3キロ先にターゲットです】
「了解!」

通信から、女性の声で情報が入った。
今日の任務は山奥でロストロギアを不正に取引する者が出るとの情報が入ったので、その取引をする人たちの身柄を拘束するというものだ。

『マスター、見つけました』
「おっと」

クリエイトからの言葉に、俺は上空で止まると真下にいるであろう人達に声を上げた。

「そこにいる人たち。あなた達のやっていることは犯罪です。大人しく降伏してください。そうすれば弁護の機会があります。もし抵抗する場合はこちらも相応の対応をいたします」

俺はいつもこのように勧告するようにしているのだ。
一応忠告するのも俺なりの慈悲だと思うからだ。

「誰がするかよッ!!」
「っと! 降伏の意思なしと確認。実力行使で行動を止めます!」

俺の元に放たれた誘導弾を軽くかわしてそう宣言すると、俺は剣状のクリエイトを弓に変える。

「ブレイクイヤー・マルチショット!」

俺は矢を10発装填すると、それを犯罪者たちに向けて何の戸惑いもなく放った。

「「ぎゃあああああ!!!」」

下にいた人たちの断末魔がしたけど、非殺傷設定だから大丈夫。
………たぶん。

「こちら山本。二人の身柄を拘束しました。これより本部に帰還します」
【え、ええ。了解しました。あと、レジアス中将がお呼びですので、ご帰還されましたら至急向かってください】

俺は通信の女性………オーリス三佐に返事をすると、二人を引っ張って地上本部に戻った。










「失礼します。レジアス中将」
「うむ、入りたまえ」

本部に帰還した俺は、言われた通りレジアスさんの元を訪れた。
目の前にいるいかついおじさんが、俺の直属の上司にもあたるレジアス・ゲイズ中将だ。

「さて、今回の任務だがご苦労であった。少々あの二人二は刺激が強すぎたようだが」
「すみません。忠告はしてあるので、それに応じなければ徹底的にぶっ潰せが自分のモットーですので」

苦虫を潰した様子で切り出してきたレジアスさんに、俺は素早く頭を下げて言い訳がましいことを口にした。

「いやいや、別に攻めているのではない。君のおかげで検挙率が上がり、再犯率も少しではあるが下降の兆しを見せた。逆にうれしいぐらいだ」
「恐縮です」

どうでもいい話だけど、この地上本部の検挙率は前から低かったらしいのだが、俺がここに来てからそれは少しずつ良くなっていき、治安も良くなり始めているらしい。

「私は、希少能力(レアスキル)持ちは嫌いだ。だが、君のような逸材は嫌いではない。そこでだ、山本空曹長に休暇を与える」
「休暇……ですか?」

俺はレジアスさんの突然の宣告に、驚いた。

「ああ、ここ最近ずっとオンシフトだったからな。たまには体を休めると良い」
「ありがとうございます」

俺は頭を深々と下げてお礼を告げた。
正直な話だが、最近休みが欲しいなと思っていた頃なのだ。

「話は終わりだ。下がりなさい」
「失礼します」

俺は、レジアスさんに一礼すると部屋を後にした。










「山本空曹長~!」
「ん? アリス二等陸士、どうしたんだ?」

部屋を出ると大きな声で俺を呼びながら駆け寄ってくる腰まで伸びているほどの長い青髪の少女がいた。
名前はアリス・アルフォード。
俺が管理局に入局した翌年に配属となった少女で、俺の初めての部下だったりする。
俺はアリスと呼んでいる。

「あの、お話ってなんだったんですか?」
「ああ、しばらく休暇だと」

俺に聞いてくるアリスに、俺はそのまんま答えた。

「休暇ですか~。いいですね」
「悪いな、アリスだけ働かせて」

俺が謝るとアリスは「いえいえ、好きでやっていることなので」と言ってくれた。
彼女とはたまにタッグを組んで戦場に出ることがある。
魔法の才能もなく、端から見れば俺の足を引っ張っているようにも見られるが、実際は俺にとっては最高のサポート要因でもあるのだ。
さらには俺が多忙でデスクワークが出来ないときは彼女が代わりにやってくれたりと、感謝してもしきれないのだ。

「それでもだ。いつもありがとな」
「いえいえ~」

俺とアリスが立ち話をしていると視界の隅に見知った人物を見たような気がした。

「あ、悪い、俺急用を思い出したんだった。ちょっと行ってくる!」
「あ、はい。お気をつけて」

俺はその人物の歩いて行った方へと走って行った。










しばらく走ると、すぐにその人物を見つけた。

「なのは!」
「あれ? 真人君、珍しいねここで会うなんて」

目の前にいた少女……なのはは俺を見ると驚いた様子で近寄ってきた。

「まあな。こういう事もあるさ」

俺はそう答える。
あの日から俺は彼女の俺の気持ちを打ち明けようとしたが、どうにも言えずじまいだった。

(今日こそは)

「あのさ、なのは」
「ん? 何かな、真人君」

俺は意を決して俺の気持ちをなのはに伝えようとした。

「俺さ、なのはの事が――――」
「なのは、そろそろ時間………って真人!? 久しぶりだな」

俺の告白を遮って表れたのは、管理局の制服に身を包むヴィータだった。

「………ああ、久しぶりだな。ヴィータ。ところで、二人とも任務だったりするのか?」
「ああ、と言っても今日は調査任務だからそんなに大変じゃないんだけどな」

俺の問いかけに答えるヴィータ。

「ついででいいんだけどさ、俺も同行してもいいか?」
「は? 悪くはねえがよ、大丈夫なのか?」

なんで俺はこの時そう口にしたのか、理由は全く分からない。
でも、そうしなければいけないと、俺の何かが感じ取ったのかもしれない。

「ああ、ちょうど今日から休暇なんだ。ここで会ったのも何かの縁だし、俺も手伝うよ」
「………分かった。それじゃよろしくな」

しばらく考えたのち、ヴィータはそう言って同行を許してくれた。

「あ、なのは」
「何? 真人君」

俺は、歩き出そうとするなのはを引き留めた。
今想いを告げようとしたが、任務に支障が出るといけないので、やめることにした。

「この任務が終わったら、話したいことがあるんだけどいい?」
「うん、良いよ。頑張ろうね真人君」

俺はなのはの言葉に頷くと、ヴィータの元に駆けよって行く。
そして、俺達は異世界での調査任務を遂行するのであった。

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