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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第41話 定まる覚悟

ある休日の一面が砂漠の世界にて。

「はぁぁ!!」
「甘い!」

俺の前で健司と執行人が模擬戦を行っていた。
なぜこうなったのか。
それは今から数時間ほど遡る。










「魔法を教えてほしい!?」

突然家に訪れた健司の一言がすべての始まりだった。

「ああ、俺は今思えば魔法に対する覚悟がなかったんだ。だから真人にそれを含めたすべてを教えてもらいたい!!」

そう言い切ると、健司は俺の前で土下座をした。

「お、おい。よしてくれよ!?」
「この通りだ!!」

俺の制止も聞かずに、健司は土下座を続ける。

「なるほど。覚悟は決まったようだな」

そんな中口を開いたのは、ベッドに腰掛けて本を読んでいる執行人だった。

「ああ」
「そうか。では、この僕が直接教えるとしよう」

執行人はそう告げるとゆっくりと立ち上がった。

「言っておくが真人はまだまだ半人前だ。教えを乞うのであれば俺の方が最適だ」
「お願いします!!」

執行人の若干のトゲのある言葉に、俺は執行人の事を睨みつけるが執行人はそんな俺を気にせずに、片手を地面に向けて掲げた。

「クロッキング・ブレザード」

執行人の呟きと同時に周りの空間から色が抜けた。
いわばそれはモノクロと呼ぶらしい。

「何をしたんだ?」
「時間を止める魔法だ。かなり高度な魔法なために、多用は出来ない」

今更だが、本当に何でもアリだよな、魔法って。










そして今に至る。

「よし、今日はここまでだ」
「あ、ありがとう……ございました」

時間にして約2時間にも及ぶ練習と模擬戦は、健司にとってかなりハードな物だったのか、息を切らしていた。

「この程度で息を切らしていては、まだまだ先は長いぞ」
「は、はい」
「もしかして、これから毎日続ける気か?」

俺は若干嫌な予感がしたため、執行人に聞いた。

「当り前だ。一日で良くなるものなどおらん」
「………」

どうやらこの数日間は、俺は平穏な暮らしが出来ないようだ。
なぜなら、いつの日にかは俺と健司との模擬戦があるだろう。

「心配するな。時間は今回のように止める。真人が怒られることはない」

執行人は別の事だと思ったのか、そう笑顔で言ってきた。
確かにそれも困った。
この間両親に長時間も起こられたのだから。
まあ、毎晩夜遅くに無断で出歩いていれば、それも当然だが。

「さあ、戻ろうか」
「了解」

こうして、健司の特訓は幕を開けたのであった。

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