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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第20話 正体

俺は今マミさんと言い争っていた。

「本当にやる気なのね?」
「くどい。やると言ったらやる」

僕は今目の前にいる赤い髪の少女……佐倉杏子と、さやかが横たわっていた。
俺がやるのは、マミさんにやったのと同じ因果律操作だ。

「でも、因果律操作何て二人同時にやったら渉君の体に負担が―――」
「平気だ。この程度で潰れるほど、俺は軟には出来てはいない」
「……それならいいのだけど」

マミさんの心配はもっともだ。
因果律の操作にはかなりの集中力と負担が生じる。
それを二人分もやるとなれば、かなりの負担が生じるだろう。
だが、俺はそっち方面に特化した存在だ。
そう簡単に潰れるのであれば、俺は消えた方がいい。

「では始めるか……コネクト」

そして俺は因果律操作を開始した。










因果律操作を終わらせた俺は、二人の目が覚めるのを待っていた。

「……ん」
「目覚めたか? 佐倉杏子」

ようやく目を開けた彼女に、俺は声をかけた。

「あんたの魔法少女のシステムは僕の手で消して置いた。まあ、魔法は使えるが魔力が無くなったら普通の少女に戻る」
「あんた、一体……」

佐倉杏子の表情が驚きに満ちていた。
それもそのはずだ。
このようなことは普通は出来ない。

「あんたの疑問はそこにいる愚か者が目覚めてからにしよう」
「は? って、さやか!?」

訳が分からないと言った表情をした佐倉杏子は、俺の視線を辿って思わず声を上げた。

「お、おい! さやかは」
「ああ、大丈夫だ。少しすれば目が覚めると思うぞ、佐倉杏子よ」

俺は安心させるように微笑みながら答えた。
実をいえば彼女への処置がかなり難しかった。
体とのリンクの切れた魂を、もう一度体とリンクさせて、それを戻して因果を消去したりとかなり手間がかかった。

「いや、あたしのことは杏子でいい」
「なら、俺の事も渉と呼ぶといい」

とまあ、そんな感じで話していた時だった。

「う……」
「さやか!」

突然うめき声をあげたさやかの元に駆けよる杏子。

「ここは何処? 私は何で……」
「ここは俺の家。お前はこの俺が生き返らせた」

何が何だかわからない様子のさやかに、俺は淡々と答えた。

「わ、渉……」
「お前の魔法少女のシステムは消去しておいた。今は魔法少女の力が残ってはいるが、それも魔力が無くなれば普通の少女に戻る」

俺は、さやかの方を見ずに淡々と説明した。

「だから、お前は出ていくなり何なり好きにしろ」
「わ、渉、何もそこまで」

俺は止めようとする杏子を無視して言葉をつづけた。

「人の話もろくに聞かず、手を差し伸べたにもかかわらずにそれを払いのけ、終いには友人を傷つけて殺そうとした奴を俺が許すとでも思ったか?」
「そ、それは……」

俺の言葉に押し黙る杏子。

「本当にごめん。謝って許されることじゃないのは分かってる。でも、私にも渉の手伝いをさせて欲しい」
「罪滅ぼしか?」
「そうかもしれない。でも、何もしないっていうのも何だか嫌なんだ」

俺はさやかの方を見た。
さやかの目には決意がうかがえた。

「許しはしないが、勝手にしろ。言葉ではなく行動でそれを証明するんだな」

俺はそう言うと、二人をリビングへと案内した。

「さあ、適当に座って」
「わ、分かった」
「にしても、何もないよね」

周りを見渡しながらさやかが呟く。

「置く必要がないだけだ。お~い、紅茶二人分よろしく」
「分かったわ」

俺の声に、マミさんが呆れながら答えた。

「あれ? 今の声って……」

声を聴いたことのあるさやかが、驚いた様子で俺を見た。

「おそらくさやかの考えている奴で、正しいと思うぞ」

そう説明した時、三人分の紅茶をトレイに乗せたマミさんが来た。

「お待たせ」
「ま、マミさん!!?」

さやかが驚きのあまりに席を思いっきり立ちあがった。

「久しぶりね、美樹さん」
「な、何でマミさんがここに?」

さやかが疑問に思うのも当然だろう。
何せ、マミさんは公では死んだことになっているのだから。

「それは渉君によって助けてもらったからよ」
「わ、渉が!?」

こっちを驚いた風に見るさやか。

「だったらあんた達を助けたのは、どこの誰なんだよ」

俺は呆れながら答えた。

「でも、渉って一体……」
「そうだな。まずはそこから話そう。何せお前たちはこの俺の仲間でもあるのだしな」

俺はそう告げると、席を立った。

「俺は、この世界を統括する三神の一人、主に世界の因果律を調節し世界を安定にさせる役割を持つ、世界の意志だ!」
「「………」」

俺の名乗りを聞いた二人は口を開けて固まっていた。

「「えぇ~!!!!!?」」

そして思いっきり叫んだ。

「わ、渉がその、神様!?」
「し、信じらねない」

二人とも驚きのあまりに、混乱しているようだ。

「ほらほら、二人とも落ち着きなさい」
「わ、悪い」
「すみません」

そんな二人を落ち着かせるあたり、本当にマミさんはカリスマ性がある。

「マミさんを助けたのも、この俺の意志としての力を使ったまでだ」
「でも、マミさんは魔女に食べられたはずじゃ」
「それは俺が見せた幻術……つまりは幻だ」

さやかの言葉に、俺はそう答えた。

「なんで、そんな事を」
「俺の目的の遂行に、正体がばれる訳にもいかなかったからな。」
「あんたの目的ってなんだ?」

杏子が俺に疑問を投げかける。

「そこを含めて全員に話していくんだ」

俺はそう言うと、ホワイトボードを引っ張りりだした。

「ところで、渉が使ってた気法って本当にそう呼ぶの?」
「それは否。正しくは神が使う魔法のようなものだから、神術だ」

俺の答えを聞いた二人が呆然としていたが、俺は咳払いをして事情説明を始めた。

「俺がここに来た理由。それはこの世界で不可思議な時間経過を確認したことによる」
「不可思議な時間経過?」
「簡単に言えば、ある一定の期間で時間軸が戻されてまた進みだしているんだ」

さやかの疑問に、俺は分かりやすく説明しながら答えた。

「そして、この時間経過異常を起こしているとみられるのが……」

俺はボードに暁美さんの写真を張った。

「彼女だ」
「転校生!?」
「そう言えば、こいつは時間操作をする魔法少女だって言ってたな」

杏子が思い出したようにつぶやく。

「彼女は、何らかの条件がそろった場合に自ら、もしくは自動的に時間回帰……以後はリセットと呼称する。それを起こしているとみられる」
「その条件って何なのかってわかってるの?」
「ああ。鹿目まどかだ」

俺はさやかの問いかけに答えた。

「まどかが!?」
「彼女は、まどかが魔法少女になるとリセットされるようになっている。それがこの不可思議な時間経過の原因だったんだ」
「そして渉が、その原因の究明にやってきたっていうわけか」

杏子がまとめるように言った。

「そう。そして色々と見ていくうちに、このリセットの裏に隠されたことが分かってきた」
「それが魔法少女と言う存在の秘密の事よ。私達は、それを解決することがこのリセット現象を止める方法だと考えて動いていたのよ」
「と言うことは、まどかが魔法少女にならなければいいってわけだね」
「いや、そうとも言い切れない」

さやかの言葉を、俺は否定した。

「な、何で?」
「それは、杏子の言うワルプルギスの夜と言う魔女の存在だ。これはざっと調べてみた限りだが、普通の魔女より因果を大量に保有している。このレベルまで行けば普通の魔法少女……暁美さんでも叶う相手ではない」
「と言うことは、必然的にまどかが魔法少女になって倒さなければいけなくなるってわけ?」

さやかの言葉に、俺は無言で頷いた。

「なんとかなんねえのか?」
「どうにもならないな。因果律を見る限りではまどかが魔法少女にならなければ、この世界は滅びると言う結果も出ている」
「そんな……」
「しかし、どうしてそんなことが」

杏子が俺に疑問を投げかけてきたので、俺は一枚の紙を二人の前に差し出した。

「これは?」
「それはこの世界の因果情報だ」
「何が書いてあるかさっぱり分かんないんだが」

杏子がそれを見て呻っていた。

「まあ、普通はそうだ。俺はそこからこの世界の成り立ちや現状などを読み取るというわけなのだが、このAとBを見てほしい」
「?? 別におかしなところはないようにも見えるけど」
「AとBのこの部分が同じだろ」

俺はそう言いながら赤ペンでその部分を囲った。
二人はなるほどと頷きながらそれを見ていた。

「その部分は、世界全般での因果律形成の経過を出されている所だ。上がこの世界自体の、下が鹿目まどかの因果律情報だ」
「嘘でしょ!?」
「全くそっくりだな」

俺の言葉を聞いた二人が驚いた様子で文字を読み直す。
そう、文字の配置から何からがすべて同じなのだ。

「これをまとめると、彼女はこの”世界”そのものになっているんだ」
「でも、それってかなりまずいだろ」
「もちろんだ。このままいけば魔法少女になったとたんに、世界から排除される」

杏子の言葉に、俺はそう答えた。

「なんとかなんないのか?」
「悪いが、こればかりはどうしようもない」

俺は首を振った。
世界自体になった彼女に、俺が手を出すことは難しいのだ。
もし手を出せば、世界が狂う可能性もあるからだ。

「ねえ、こうなった原因がもしあの転校生だったら、渉がまどかと契約して魔法少女にしたらどうかな?」
「ナイスアイデアだ!! それならいけるな。では、こうしよう」

俺は頭の中に浮かんだ計画を全員に話した。

「それって、あの転校生が完全に駒になるけど……」
「まあちょうどいいだろ。守るためとはいえ世界のバランスを崩したんだから、少しくらいは利用しないと気が済まない」

俺の一言に、二人が苦笑いを浮かべた。

「さあ、ワルプルギスの夜が来るまで休むように。それと二人はそれまで外出は禁止」
「ちょっと! なんでさ?!」
「二人は行方不明扱いだ。それが外にふわっと出られて見つかったら大問題になるからだ。悪いがそれだけは理解してくれ」

俺の言葉に、二人はあまり納得していなさそうであったが、奥の方に入って行った。
それを見た俺は、外に玄関へと向かった。

「どこに行くのかしら?」
「暁美さんの所だ。協力する意思があるのかを確認しに行く」
「気を付けてね」

俺はマミさんの言葉に片手をあげて答えると、そのまま外に出た。
そして俺は、暁美ほむらの家へと向かった。

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