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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第18話 美樹さやか救出作戦

突然走り出したまどかを追いかけた俺は、西洋風の建物が建つ場所に来ていた。
俺達の前に立っていたのは、佐倉杏子だった。

「あの……話って?」
「美樹さやか。助けたいと思わない?」

佐倉杏子の言葉に、まどかの表情が明るくなった。

「あっ……助けられる……の?」
「助けられないとしたら、放っとくか?」
「う……」

杏子の言葉に、まどかの表情が一気に暗くなる。
そんなまどかの様子に佐倉杏子は表情を柔らかくした。

「妙な訊き方しちゃったね。ばかと思うかもしれないけど、あたしはね。本当に助けられないのかどうか、それを確かめるまで、諦めたくない」

佐倉杏子の目には絶対に諦めないと言った意志が感じ取れた。

「あいつは魔女になっちまったけど、友達の声ぐらいは覚えてるかもしれない。呼びかけたら、人間だった頃の記憶を取り戻すかもしれない。それができるとしたら、たぶんあんただ」
「うまくいくかな?」

佐倉杏子の提案に、まどかが不安げに聞いた。

「わかんねぇよそんなの」

佐倉杏子の答えに、まどかの表情が再び曇るが、それを見て彼女は静かに笑った。

「わかんないからやるんだよ。もしかして、あの魔女を真っ二つにしてやったらさ、中からグリーフシードの代わりに、さやかのソウルジェムがポロッと落ちてくるとかさ。そういうもんじゃん? 最後に愛と勇気が勝つストーリー、ってのは」

彼女の言葉に、俺達は何も答えられない。
もとより、そのような事を考えたこともなかった。

「アタシだって、考えてみたらそういうのに憧れて魔法少女になったんだよね。すっかり忘れてたけど、さやかはそれを思い出させてくれた」

横を見れば、まどかの表情は真剣そのものだった。

「付き合いきれねぇってんなら、無理強いはしない。結構、危ない橋を渡るわけだしね。あたしも、絶対何があっても守ってやる、なんて約束はできねぇし」

佐倉杏子の忠告にまどかは首を横に振ると、一歩前に出た。

「ううん、手伝う。手伝わせてほしい」

そしてまどかは佐倉杏子に片手を差し出した。

「私、鹿目まどか」
「ったくもう、調子狂うよな、ほんと」
「え?」

まどかの行動に柔らかく微笑む。

「佐倉杏子だ。よろしくね」

そう言ってまどかの手にお菓子『うんまい棒』を渡した

「う……うん」

それを受け取ったまどかはそれを呆然と見ていた。

「で、あんたは来るのか?」

表情を少しきつくして俺の事を睨みながら聞いてきた。

「当り前だ。よくよく考えればまだ殴り足りなかったからな。生き返らせて土下座して謝らせたら、その後はイチゴのケーキを大量に買ってもらうんだ!!」
「………」

いや、自分でもわかっているからそんな憐れむような目で、俺を見ないでくれ。

「本当調子狂うよな」

そう言うと佐倉杏子はもう一本『うんまい棒』を俺に差し出してきた。

「食うかい?」
「………頂きます」

僕はそれを有難くいただくことにした。
………これ、どうやって食べるんだ?

「それじゃ、行くぞ」
「了解」
「うん!」

そして、俺達は美樹さやかを生き返らせるべく、歩き出すのだった。










あたりがオレンジ色のカーテンに包まれている中、俺達は陸橋の下を歩いていた。

「ほむらちゃんも、手伝ってくれないかな?」
「あいつはそういうタマじゃないよ」

ソウルジェムを片手で持ちながら歩く、佐倉杏子はそう答えた。
なぜかその手にはお団子があった。
しかも2つも。

「友達じゃないの?」
「違うね。まあ利害の一致っていうか。お互い一人じゃ倒せない奴と戦うためにつるんでるだけさ」

団子を食べながら佐倉杏子は、答えた。

「あと何日かしたら、この街にワルプルギスの夜が来る」
「ワルプルギス?」

彼女の告げた単語に、まどかが聞いた。

「超弩級の大物魔女だ。あたしもあいつも、たぶん一人じゃ倒せない。だから共同戦線っていうか、まあ要するにそういう仲なのさ」

彼女の説明が正しければ、ワルプルギスの夜と言う魔女は、かなりの強敵らしい。
そして魔女は元が魔法少女だった人物だとすれば……

(これは、調べた方がいいな)

俺は再びできた課題に内心でため息をついた。
やがてしばらく歩くと、建築現場にたどり着いた。

「ここだな」

佐倉杏子は建築現場前でつぶやくと、扉を強引に開けて中に入って行く。

「ホントにさやかちゃんかな?他の魔女だったりしないかな?」
「魔力のパターンが昨日と一緒だ。間違いなくあいつだよ」

まどかの不安げな問いかけに、佐倉杏子が答えた。

「今更違う魔女だって言われたら、そっちの方が驚きだよ」

俺は思わずそうツッコんた。
そして少し進んで、行き止まりの場所で立ち止まると、佐倉杏子は魔法少女に変身した。
それと同時に手に持っていた二本の団子の棒を地面に投げつけた。
よく見れば、そこにはハートマークで『Love me do』と書かれていた。
直訳すれば『私を愛して』だろうか。
確かにさやかの物だ。

「さて、改めて訊くけど、本当に覚悟はいいんだね?」
「何かもう、慣れっこだし。私、いつも後ろから付いてくばっかりで。役に立ったこと一度もないけど。でもお願い、連れて行って」

佐倉杏子の最終通告のようなものに、まどかは自分の事を卑下しながら答えた。

「俺もだ。乗りかかった船、こんなところで引き返す何て男じゃないし」
「ほんと変な奴だな、あんた達」

ふと柔らかく微笑み、彼女は手に持つ槍で空間を一閃した。
そして結界は開かれた。










結界内は、まるでどこかの路地裏の様な煉瓦の壁の通路だった。
壁にはチラシが張ってあり、それはまるでコンサートのお知らせの、チラシのようなものであった。

「ねぇ、杏子ちゃん」
「うん?」

緊張の面持ちで歩いていると、まどかが口を開いた。

「誰かにばっかり戦わせて、自分で何もしない私って、やっぱり、卑怯なのかな」
「まどか……」

まどかの言葉は、おそらくさやかのあの一言によるものだろう。
彼女に掛ける言葉が思いつかない自分を、俺は呪った。

「何であんたが魔法少女になるわけさ?」
「何でって……」

佐倉杏子に聞き返された言葉に、答えられないまどかに彼女は歩くのをやめると後ろに振り向いた。

「なめんなよ。この仕事はね、誰にだって務まるもんじゃない」
「でも―――」

佐倉杏子の言葉にまどかは言い返そうとするが、それを遮って彼女は言葉をつづけた。

「毎日美味いもん食って、幸せ家族に囲まれて、そんな何不自由ない暮らしをしてる奴がさ、ただの気まぐれで魔法少女になろうとするんなら、そんなのあたしが許さない。いの一番にぶっ潰してやるさ。命を危険に晒すってのはな、そうするしか他に仕方ない奴だけがやることさ。そうじゃない奴が首を突っ込むのはただのお遊びだ。おふざけだ」

彼女の言葉には、かなりの重みがあった。

「そうなのかな」
「あんただっていつかは、否が応でも命懸けで戦わなきゃならない時が来るかもしれない。その時になって考えればいいんだよ」

まだ納得していないまどかに、佐倉杏子はそう言い聞かせるように言った。

「なあ、まどか。俺はな、強者には守る責務があって、弱者には守られる権利があると思うんだ」
「守られる……権利?」

俺は自分でも信じられないほどやさしい声でまどかに語りかけた。

「強い力を得てしまえば、それは己を命を失う危険な場所へと導くカギとなってしまう。だから死ぬ覚悟を持っていないのであれば、弱者のままでよい」
「……渉君は、その……」

俺の言葉にまどかは言いずらそうにしていた。

「俺の場合は生まれた時から前者だった。だから、お前が羨ましいぐらいだ」
「渉君……」

そして再び俺達は歩き出した。
目の前には大きな扉。
それを開けた。
すると、くぐもった音楽が聞こえてきた。

「うわぁ……気持ち悪」

地面は赤いカーペット、壁には今までの映像が映し出されていた。
さやかが剣を振るい使い魔を倒す場面、俺と佐倉杏子とが退治して戦う場面。
それが異様に俺への不快感を高めていた。

「杏子ちゃんはどうして……あっ」

まどかが佐倉杏子に何かを聞こうとした瞬間、突然扉が閉じられ、周りに映し出されていた映像も消えた。

「気づかれた、来るぞ!」

彼女がそう叫んだ瞬間、俺達はどんどん進んでいきそして光に包まれた。
光の先にはバイオリンの演奏者と、指揮者の姿と、まるでコンサート会場であった。
そして中央には人魚姫を模した魔女がいた。
こっちの方を見て左右に振れていた。

「いいな、打ち合わせ通りに」

驚きのあまりに地面に座り込んでいたまどかに声をかけた。

「う……うん」

佐倉杏子の言葉に、まどかは頷くと立ち上がった。

「さやかちゃん。私だよ。まどかだよ。ね、聞こえる?私の声がわかる?」

まどかの言葉に帰ってきたのは魔女が出した、大きな車輪だった。

「怯むな。呼び続けろ」

佐倉杏子がまどかの前に出ると、まどかを守るように赤い網状の壁を形成し、槍を手にした。
そして俺も神剣を取り出して構える。

「さやかちゃん。やめて。お願い、思い出して。こんなこと、さやかちゃんだって嫌だったはずだよ。さやかちゃん、正義の味方になるんでしょ? ねえお願い、元のさやかちゃんに戻って!」

車輪が俺達に放たれる。
佐倉杏子は槍を使って跳ね飛ばしたりして、俺は剣を横に一閃して車輪を粉砕する。
しかしそれに、対応できなくなるのも時間の問題だ。
力を封じている状態では、今ので精いっぱいだ。

(リミット・ブレイク………使うか)

俺は頭の中で判断を迷っていた。
あまりこれを使うと、後々面倒なことになるからだ。

「聞き分けがねぇにも、程があるぜ、さやか!」

そんな時、佐倉杏子の声が聞こえてきた。
その次の瞬間、大量の車輪が現れ、それが一気に俺達の方に放たれた。

「ッ!!!」

俺は剣を交差させて防御の体勢を取った。

「杏子ちゃん!? 渉君!?」
「心配、ご無用!!」
「大丈夫、この程度、屁でもねぇ。あんたは呼び続けろ、さやかを」

俺と佐倉杏子はそう力強くまどかに言った。
彼女はともかく、俺の方はちょっとやばい。
さっきので片足をやられた。
これで機動力は大幅に下がってしまった。

「やめて! もうやめて! さやかちゃん! 私たちに気づいて!」

再び現れた車輪を躱したり切り裂いたりするが、さっきのダメージが尾を引いているため、何回も喰らっている。
そしてさらに機動力が下がりまた攻撃を食らうという悪循環だ。
さっきから聞こえるのは佐倉杏子の苦痛の悲鳴と、まどかの泣き声だけだった。

「ッぐ!!」

そして、とうとう痛みで動けなくなった俺はものすごい速さで放たれた車輪をもろに食らい、どこかの壁に叩きつかれた。
意識こそ奪われなくても、体が思うように動かない。
どうやら今ので背骨もやられたらしい。

「さやかちゃん……おねがいだから……」

なんとか歩けるくらいにまではダメージが回復した時、まどかの苦しげな声が聞こえたので、前を見ると魔女の大きな手で握りつぶされようとしているまどかの姿があった。

「さやかっ!!」

すぐに助けに行こうとすると、佐倉杏子が槍を振りかざして腕を切り落としていた。

「あんた、信じてるって言ってたじゃないか! この力で、人を幸せにできるって」

彼女の大きな声が聞こえた。
その次の瞬間、魔女が手にしていた剣を地面に一閃した。
それによって地面が崩れ、俺達は落ちて行った。

「頼むよ神様、こんな人生だったんだ。せめて一度ぐらい、幸せな夢を見させて」

そんな時、佐倉杏子の声が聞こえた。
地面に降り立つと、気絶しているまどかを抱きかかえている暁美さんの姿があった。
そんな時、槍が落ちる音が回りに響いた。

「……よう」
「杏子。貴女……」

佐倉杏子の言葉に、暁美さんが弱々しく答えた。
彼女はどうやら先ほどの攻撃を食らってしまったらしい。

「その子を頼む。アタシのバカに付き合わせちまった」
「あ……」

佐倉杏子の言葉に、暁美さんが立ち上がろうとした瞬間彼女の前に先ほどの壁が現れた。

「足手まといを連れたまま戦わない主義だろ?いいんだよ、それが正解さ」

佐倉杏子の言葉に、暁美さんの表情が一瞬揺らいだ。

「ただ一つだけ、守りたいものを最後まで守り通せばいい。ハハハ、何だかなぁ。あたしだって今までずっとそうしてきたはずだったのに」

悲しく笑って彼女は髪を結んでいるリボンを解いた。
そして出てきた何かをつかむと、それを両手で包み込んだ。

「行きな。こいつはあたしが引き受ける」

そう告げた瞬間、けたたましい魔力が溢れらすのが分かった。
そして大きな槍が地面から大量に生えてくる。
それを見た暁美さんはまどかを引き連れてその場を走り去る。
さて、今俺がどこにいるのかをいよう。
佐倉杏子から少し離れた横にいるのだ。
彼女は全く気付いたいない。
だが、今ほど好都合なことはない。
そして俺は、宙に浮かぶ槍に乗っている佐倉杏子に話し掛けた。

「さっきの願い事は、本心か?」
「なっ!? あんた、なんでここに!!」

佐倉杏子は、俺がいることに驚いた表情をしながら、聞いてくる。
それを無視して俺は、もう一度彼女に問いかけた。

「もう一度聞く。さっきの願いはお前の本心なのか?」
「………当り前だ。こんな結末はあたしも嫌なんだよ」

彼女の答えに、俺はほくそ笑んでいるかもしれない。
それほど嬉しいのだ。

「なら、その願い、この俺が叶えてあげる」
「えっ?」

佐倉杏子が目を見開いて俺を見た。

「覚えておくといいぜ。神様っちゅうのはな、常に利口者の味方なんだぜ?」

俺はそう言うと、神剣を佐倉杏子に向けて掲げた

「輝け! 力を断ち切りし炎天の光!!」

俺の言葉と同時に、神剣から彼女に向けて白銀の光が放たれる。

「なッ!?」

俺の放った光に触れた瞬間、彼女のすべての魔法が停止し、地面へと落下したが俺の能力によって彼女の落下速度は落としておいた。

「さて、とっとと片付けよう。早く傷を治さないといけないしな」

俺は軽く準備運動をしながら、目の前にいる魔女を睨みつける。

「行くぞ………リミットブレイク・ブート3!!!」

そして、俺は封印を解除した。

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