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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第25話 終焉の魔女

ワルプルギスの夜を倒した俺は、空を見上げていた。

「………」
「怖い顔してどうしたの? 渉君」
「そうだよせっかくワルプルギスの夜を倒せたのにさ」

そんな俺に気付いたのか、まどかとさやかが声をかけてきた。

「………何でもない。それよりも、そこにいる大馬鹿者の処置をする」
「………」

俺の言葉に、大馬鹿者と呼ばれた暁美さんは視線を逸らした。

「ったく、神殺しは大罪だぞ………コンタクト」

俺は暁美さんに文句を言いながら因果律操作を開始した。
それはものの数分で完了する。

「はい、これで終わり。お前たちの運命はこの先も続くだろう」
「小野 渉」
「なんだ?」

突然フルネームで暁美さんに呼ばれ、俺は振り返りながら問いかけた。

「その………あり――――」

暁美さんが何かを言おうとした瞬間だった。
突然俺は体中が硬直するような感覚が襲った。

「渉、見てあれ!!」

さやかが指さす方向、そこには………巨大な魔女がいた。
その魔女は巨大な魔人のような姿をしていた。

「なんなの……これ」

全員がその魔女に混乱していた。

「やはりな……出るとは思ってはいたが本当に出たか」
「ちょっと、渉君どういう事なのか説明してちょうだい!」

俺の呟きに、マミさんがいつもとは似つかわしくないほど激しい口調で俺を問いただす。

「あれは、この世界そのものの魔女だ」
「どういう意味だよ?」

俺の説明に、杏子は理解できないのか首を傾げていた。

「俺は、この世界で色々な死すべき者を無代償で助け出してしまった。そのことにより、世界は不安定となってしまったのだろう」
「つまり、こうなったのは私たちのせい?」

悲しげなまどかの言葉に、俺は無言で首を横に振って答えた。

「俺のせいだ。お前たちを助けると判断したのはこの俺なんだから。それにあいつは、この世界を安定させようとしている防衛プログラムのような存在だ」
「っていう事は、あれは放っておいても大丈夫ってこと?」
「いや、大丈夫でもない」

さやかの言葉に俺は否定した。

「どうしてかしら?」
「あれは世界を安定させようとしている。つまり、お前たちを殺そうとしているんだ」
『ッ!!?』

俺の言葉に、全員が息をのんだ。
世界の不安定が彼女たちによるものであるのならば、彼女たちを消去(デリート)するはずだ。
これが世界を安定させる力なのだ。

「ど、どうすればいいのよ?!」
「せっかくここまでこれたのに……そんな結末なんていやよッ」

さやかは俺に問いただし、暁美さんは涙を流す。

(覚悟を決めるか)

俺は、そう自分に言い聞かせた。
そして口を開こうとした瞬間だった。

「な、何!?」
「じ、地震!?」

突然の揺れが俺達を襲った。

「これは……原初物質化(プリマテリアライズ)暴走(オーバードライブ)か!? まずいな」
「な、何なの? その原初何とかって」

俺の呟きが聞こえたのかさやか達が聞いてくる。

「プリマテリアライズ・オーバードライブ。この世界を形成する根源が暴走を起こして崩壊させようとする現象の事だ」
「それって、起きたらどうなるんだ?」
「………この世界が滅びる」

俺は杏子の問いかけに、言うか言わないかを悩んだ末いう事にした。

「そ、そんなッ!」

まどかが声を上げた。

「大丈夫だ。まだ本格的には始動していない。まだ時間はある」
「よ、よかったぁ」

俺の言葉に、全員が安堵の表情を浮かべる。

「だが、あと2,30分で発動してこの世界は崩壊する」
「だったら、それまでにあたし達が倒しちゃえばいいんだよね?」
「ああもちろんだ。まあ、お前たちが戦えればの話だがな」

さやかの言葉に、俺は賛同しながらそう告げた。

「戦えるよ。だってあたしたちは魔法少女………あれ?」

さやかは魔法少女の姿になろうとしたが、なることはできなかった。
他のみんなも試しているが、全員がさやかと同じ結果だった。

「これは、どいう事なんだよ!!」
「前に言わなかったか? お前たちに与えた魔法少女の力は、魔力が無くなれば終わりだと言う事を」

俺は杏子達にそう答えた。

「まさか……」
「そう、そのまさかだ。お前たちは魔力をすべて使い果たしたんだ。その手にある武器を飛ばすことも使う事も出来ない。まどかは一回限り、暁美さんに限っては力を与えてもいない」

つまりは全員が戦う事は出来なくなったのだ。

「そんな……」
「これまで……なの?」
「おいおい、忘れてないか? お前たち」

絶望に浸る全員に、俺はそう言い放った。

「まだ、戦えることのできる奴が一人いるだろ?」
「あ!?」

俺の言葉に、全員が声を上げて俺を見た。
と言うより、本当に忘れてたのかよ……

「渉君なら、戦える」
「しかも、世界の何とかと言う神様だから、強いはず」

全員の顔に希望が蘇った。
その変わり身の早さに苦笑いを浮かべながら、俺は言葉を紡ぐ。

「そう、この俺ならばなんとか戦うことが出来る。そのために、みんなに協力してほしいことがある」
「何かな?」
「あたしたちに出来る事なら、何でも協力するよ」

俺にそう言ってくれるみんなの優しさに感謝しつつ、俺は続けた。

「お前たちの持つ、武器を渡してほしい」
「武器…を?」

全員が意味が分からないと言った表情をしていた。

「お前たちの武器と、この神剣を合わせて能力値を上げて戦うんだ」
「そ、そんなことが出来るの?」

まどかの問いかけに、俺は頷いて答えた。
それぞれの手には武器が握られていた。

「だったら、私は渉君を信じる」
「あたしも!」
「私もよ!」
「あたしもだ」

全員がそう言いながら俺に武器を手渡してくれた。
そして、最後に残ったのが、暁美さんになった。

「あなたなら、絶対に勝てるのね?」
「絶対とは言わないが誓おう。この神剣にかけて」

俺の答えに、暁美さんは盾のようなものを俺の手に置いた。
それは、エールのようなものであると俺には感じた。

「それじゃ………」

俺は深呼吸を一回した。

「全てを司りし武器よ、我が神剣と合わさりその力を示したまえ!」

俺の言葉に、従うように全員の武器が神剣と合わさって行き、そして光を放った。
その光に俺は思わず目を閉じた。
やがて、光が晴れるとそこにあったのは、大きな紅い剣だった。

「す、すごい……」
「きれい」

後ろからそんな声が聞こえるが、俺はそれを無視し剣を握ると目の前にいる終焉の魔女を見る。
不気味なことに、そいつは一歩も動くそぶりもしない。
だが、そんなことは関係はない。
原初物質化暴走まで残り時間は15分。
なんとしてでも倒さなければいけない。
例え刺し違いになっても。

「行くぞ!!」

そして、俺は目の前の魔女に飛び込んでいった。

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