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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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エピローグ その後……

ワルプルギスの夜と終焉の魔女を倒してからもう二か月が経とうとしていました。
結局あの日の事はすべてスーパー何とかと言う、異常気象と言う事で伝えられました。
かなりの被害が出ていたみたいですが、一月もすればほとんどの建物が元に戻っていたので奇跡と言われていました。
そして今日もまた、私たちの一日が始まろうとしていました。

「おっはよう!」
「おはようさやかちゃん」
「おはようございます。美樹さん」
「おはよう」

待ち合わせの場所に遅れてきたさやかちゃんが、駆け足でこっちに走ってきます。
それに返事をするのは私と仁美ちゃん、そしてほむらちゃんです。

「ごっめーん。遅れちゃった」
「あなた、また暑いからって言うんじゃないわよね?」

両手を合わせて謝るさやかちゃんにほむらちゃんが冷たく、呆れた様子で言いました。

「だって、熱いものは熱いんだもん。私は熱いのが苦手なの」
「それは私達も同じよ。この暑い中で待たされる身にもなって」
「なにをー!」

喧嘩に発展しそうだったので、私たちは急いで二人の言い争いを止めました。

「二人ともストップ!」
「喧嘩はいけませんわ!」

私達が遮ると、二人は若干睨み合って離れました。
この二人、本当に相性が悪いです。
この間も些細なことで言い争いになって、喧嘩へと発展したことがありました。

「それにしても、明日から夏休みかぁ」
「遊ぶのは構わないけど、夏休みの宿題が終わらないからって私たちに助けを求めるようなことだけはしないでよね」

あ、また二人の間に火花が。

「わ、分かってるわよ!」
「ならいいのだけど」

こう見えても二人は、仲はいいのです。
よく喧嘩はしたりしますけど……

「そうだ、夏休みになったらみんなであそこに行かない?」
「……そうだね。かれこれ一月も行ってないからね」
「あまり放っておくと罰が当たるかもね。主に美樹さんに」

ほむらちゃんの言葉に、さやかちゃんが「なんであたし!?」と叫びます。
仁美ちゃんは意味が分かっていない様子でした。










「あら、まどかさんに美樹さん。それと暁美さん。おはようございます」
「「おはようございますマミさん」」
「………おはようございます。巴さん」

学園前でマミさん達と会いました。

「おはようございます、巴先輩」

仁美ちゃんは私たちつながりで、マミさんと知り合いになりました。

「うん。おはよう仁美さん」

マミさんの後ろにもう一人の人影がありました。

「ほら、あなたも挨拶をしなさい」
「わ、分かってるよ」

マミさんの言葉に、悪態をついて一歩前に出てきたのは、杏子ちゃんでした。

「おはよう、まどかにさやか、暁美さんに仁美」
「うん、おはよう杏子ちゃん」
「「おはよう杏子」」
「おはようございます。佐倉さん」

杏子ちゃんのあいさつに、私たちも返しました。

「そうだ、今日の放課後皆さんでどこかに行きませんか?」
「はい!」
「私も今日は用事がなかったので、行きまーす」
「まどかが行くなら私も」
「あたしも行く」

全員が賛成の意見を出す中、仁美ちゃんが申し訳なさそうに手を上げました。

「ごめんなさい。私、今日はお稽古が」
「あ、良いのよ。気にしないで」

こうして今日は仁美ちゃん以外の全員で、寄り道をすることになりました。










終業式が終わって、私たちは一面が雑草で生い茂る空き地に来ていました。

「ここに来るのも、何か月ぶりかしらね」
「約一月ほどだったと思いますよ」

マミさんの言葉に、さやかちゃんが答えます。
実はここ、渉君が住んでいた家があった場所なのです。

「結局、今どうしてるのかしらね? 彼」
「もしかしたら、また人助けでもしてんじゃない?」
「私もそう思います」

マミさんの呟きに、杏子ちゃんが答え、それに私も賛同します。

「彼のおかげで、私達は生きていることが出来た」
「渉君のおかげで、この街は元に戻ることが出来た」
「英雄……ね」

私の言葉は、風に乗って消えていきます。
あの後、さやかちゃんが戻ると、さやかちゃんの両親は、涙を流して喜んでいました。
そしてマミさんが復興した後に学校に行くと、全員が驚いていたそうです。
二人とも考えていた言い訳を言って、納得させたようでした。
そして、杏子ちゃんにもいいことが起きたのです。
復興した後、彼女の親戚の人が来て、杏子ちゃんを娘として引き取りたいと言われたらしいのです。
なので、今杏子ちゃんは親戚の人の家で暮らしています。
でも、いちばん変わってしまったのは渉君です。
学校に行って、出席確認の時に、渉君の名前が呼ばれませんでした。
その後もまるで彼がいなかったように進んで行ったのです。
仁美ちゃんにそれとなく渉君の事を聞くと、

「小野 渉さん……ですか? ごめんなさい、その人の事はよく知りませんわ」

と帰ってきた。
覚えているのは、魔法少女だった私達だけのようです。
まるで存在自体がもとからなかったことになってしまったのです。
そして、渉君自身の事も少しですが分かりました。









ある日の図書館で、私は無名の偉人について調べていました。
幸い、調べるキーワードはいくつかありました。
古代ヨーロッパ時代。
それが渉君自身で口にした言葉でした。
なので、歴史書を手分けして読んでいました。

「みんな、これって渉君だよね?」

そんな時、私はようやくその項目を見つけました。

「どれどれ……ってほんとだ、あいつにそっくり」
「おいおい、ウソだろ」

みんなが、挿絵を見て驚いています。
その挿絵には銃のようなものを構えている青年が写っていましたが、どことなく渉君にそっくりでした。
その本には、こう記されていました。

『数多の悪を挫いてきた無名の英雄。XX年に暗殺で死す』

たったそれだけでした。
渉君の事が乗っていたのは、わずか二行だけでした。

「こ、これって見滝原市の地図じゃないか!?」
『死後、異国の日本の地に埋没』と言う文面と共に掲載されていた地形図は、確かに見滝原市の地形と似ていました。
「行ってみる?」

誰かが呟いた言葉に、全員が無言で頷きました。
その後地形図をコピーしてそれを頼りに歩き回ることに時間。
ようやくたどり着いたのは……草が生い茂る空き地だったのです。

「ここって……」
「渉の家があった場所だよ」

その言葉に、私たちは驚きを隠せませんでした。
渉君の遺骨はここのどこかに埋められているのでしょう。

「あれ、何かしら?」

そんな時、マミさんが何かを見つけたのか雑草の中に入って行きました。

「な、何かあるのかよそこに」

杏子ちゃんの言葉を聞かないで、マミさんは雑草を押しのけるとそこにあったのは石碑でした。

「これって………」
「うん、そうよ。渉君の石碑よ」

その石碑はぼろぼろになっていて見ていてとても悲しくなりました。
私達はその石碑の前で手を合わせました。










「さて、そろそろ帰りましょう」
「………そうだね」
「もう夕方だしな」

マミさんの言葉に、全員が頷いた。

『渉(君)、ありがとう!』

私達は一緒に石碑の前でお辞儀をしながらお礼を言いました。

『お礼を言うのもいいが、早く帰れよ』

その瞬間、風に乗って渉君の声が聞こえたような気がしました。

「…………ふふ」
「あはは」

私達は顔を見合わせて笑うと、また来ると心に誓って言われた通りに早く帰ることにしました。
















歴史上に名前を残さなかった偉人。
例え歴史にも、人々の記憶にも残らなかったとしても、私たちはずっと覚えていると思います。
私達を導いて、助けてくれて町を守ってくれた英雄………小野 渉と言う少年の事を。
私達は絶対に忘れません。


Fin.

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