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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第5話 魔女退治体験ツアー

喫茶店を後にした俺達は、昨日魔女がいた場所まで来ていた。

「これが昨日の魔女が残していった魔力の痕跡。基本的に、魔女探しは足頼みよ。こうしてソウルジェ
ムが捉える魔女の気配を辿ってゆくわけ」

「意外と地味ですね」
「地味だからこそ意味があるんだろ?」

すぐに見つかったら楽だけど、なんかつまらないし。
そんなもの犯人がすでに分かっている、推理小説を見ているようなものだ。

「そりゃそうだけどさ……」
「さ、行くわよ」

巴さんの一声で俺達は魔女の捜索を始めるべく、巴さんの後をついて行く。
ちなみにさやかの片手には武器である金属バットが握られていた。
俺はと言えば、さすがにあれは危険だということでOKが出るまでバックの中で出番待ちだ。





「光、全然変わらないっすね」
「取り逃がしてから、一晩経っちゃったからね。足跡も薄くなってるわ」
「あの時、すぐ追いかけていたら……」

巴さんの言葉にまどかが申し訳なさそうに声を上げた。

「仕留められたかもしれないけど、あなたたちを放っておいてまで優先することじゃなかったわ」
「ごめんなさい」
「いいのよ」
「そうそう、胸を張って生きろよ」
「いや、それ微妙に意味違うから」

俺にさやかのツッコミが入った。

「うん、やっぱりマミさんは正義の味方だ!それに引き換えあの転校生……ホントにムカつくなぁ!」
「………」

おそらくだが、暁美さんとさやかは確実に相性が合わないのだろう。

「ねえ、マミさん。魔女の居そうな場所、せめて目星ぐらいは付けられないの?」
「魔女の呪いの影響で割と多いのは、交通事故や傷害事件よね。だから大きな道路や喧嘩が起きそうな
歓楽街は、優先的にチェックしないと。あとは、自殺に向いてそうな人気のない場所。それから、病院とかに取り憑かれると最悪よ。ただでさえ弱っている人たちから生命力が吸い上げられるから、目も当てられないことになる」

さやかの疑問に、魔力反応を探しながら巴さんが答えた。
その時、巴さんのソウルジェムの輝きが増した。

「かなり強い魔力の波動だわ。近いかも」
「このあたりで自殺に向いてそうな場所は……」
「そういえば、向こうの方に取り壊しが決定された廃墟ビルがあったような」

俺はこの間道に迷っていた時に見た廃墟ビルを思い出した。

「そこだ!」
「急ぎましょ!!…渉君、案内をお願い」

こうして俺を先頭に、廃墟ビルへと向かった。





「間違いない。ここよ」

廃墟ビルの前にたどり着き、ソウルジェムの輝きを確認した巴さんがそう呟いた瞬間だった

「あ、マミさんあれ!」

さやかが屋上の方に指を指す。
その方向を見ると、飛び降りてくる人影があった。

「うわ!?」
「きゃーー!!」

最悪な結果を想像したまどかが悲鳴を上げながら目を閉じた。
しかし、巴さんだけは変身しながら落ちてくる場所まで移動していた。

「はッ!」

そして片手を上空に掲げると落ちてくる人―女性―を守るかのように黄色いリボンが女性を受け止めた。
そして俺達は女性の元に駆け寄った。

「魔女の口づけ……やっぱりね」

首筋に複雑な模様が描かれていた。
どうやらこれが魔女の口づけらしい。

「この人は?」
「大丈夫。気を失っているだけ。行くわよ」

まどかの問いかけに答えると、巴さんはビル内へと向かったため、俺達もそれについて行く。
中は特に変わったところもない。
しかし、正面の階段のところに何かがあった。

「今日こそ逃がさないわよ。それと、渉君もそろそろ出してもいいと思うよ」
「あ、それじゃ」

俺は巴さんのOKが出たのはバックの中から二本の神剣を取り出した。
すると、巴さんは片手で二本の神剣とさやかのバットに手を添えた。
その瞬間さやかのバットがカラフルな武器に変わり、俺の神剣は神々しい光を発した。

「うわ、うわー」
「すご~い」

そのあまりの変わりようにさやかとまどかが感嘆の声を上げた。
俺はと言えば、別に強化しなくても平気なんだがと思っていたりした。

「気休めだけど。これで身を守る程度の役には立つわ。絶対に私の傍を離れないでね」
「はい」
「はい!」
「分かりました」

巴さんの注意に俺達は一斉に頷いた。
そして巴さんとさやかにまどかは蝶のような模様のある光の中へと姿を消した。

「ん?」

そんな中、俺はある人物の気配を感じていたが、すぐに光の中へと入った。





結界内で俺達を待っていたのは、蝶のようなものだった。
目の前に現れた蝶を巴さんはマスケット銃で撃っていく。
一方こっちにいる蝶は。

「うわ!来るな!来るな!!

さやかがビビり腰でバットをふるう。

「伏せてさやか、まどか!」

俺はさやかたちにそう告げると、神剣の一本正宗を横に一閃した。
一瞬の光の後、俺達の周りにいた蝶は姿を消していた。

「す、すごい」
「なかなかやるわね」
「素質はあるんだけどね」

三者三様の称賛の声が、微妙に心地よい。
だが、こんなもの俺にとってみればお遊戯会レベルだ。

「どう?怖い?三人とも」
「な、何てことねーって!」

走りながらかけられた巴さんの言葉に、さやかは若干ドモリながら答えた。
そして再び俺達を片手で制すとその先には複数の蝶がいた。
それを巴さんは先ほどと同じように、マスケット銃で撃っていく。
しかしその撃ち逃したものが俺達の背後で集まるが、俺の一閃で消滅させた。

「頑張って。もうすぐ結界の最深部だ」

走っているとキュウベぇから声がかけられた。
あと少しで大ボスの場所らしい。
そして髭動物を巴さんのマスケット銃の連発により一気に消し去ると複数のドアをくぐり、広場にたどり着いた。
そこに存在していたのは、言葉では語れない程不気味な生命体だった。
おそらくあれが魔女なのだろう。

「見て。あれが魔女よ」
「う…グロい」

どうやらさやかも俺と同じことを感じていたようだ。
と言うよりこれが可愛いっていう奴はいないだろうが。

「あんなのと……戦うんですか?」
「大丈夫。負けるもんですか」

巴さんはそう言うと、さやかからバッドを取るとそれを思いっきり地面に叩き付けた。
その瞬間俺達の周りに、膜のようなものが形成された。

「下がってて」

そして巴さんは魔女の前に躍り出た。
そして何かを踏んづけると、魔女は巴さんの方を見た。
巴さんがスカートの裾を持ち上げると、そこからマスケット銃が二丁出てきた。
その銃で魔女が投げつけた椅子のようなものを避けて撃った。
さらに帽子から大量のマスケット銃を出すと、空中を飛んでいる魔女に向けて撃っては捨て、また別の銃を手にして打つというのを繰り返す。
しかし魔女に集中していたため、地面にある何かが黒いロープへと姿を変えて巴さんを逆さづりにする。
その状態で巴さんは魔女に向けてマスケット銃をで撃つが、それはすべて外れてしまった。
そしてそのまま壁に叩き付けられる。

「あっ……マミさ~ん!」

それを見たさやかが悲痛な声を上げる。
だが、当の巴さんは

「大丈夫。未来の後輩に、あんまり格好悪いところ見せられないものね」
まだその表情には余裕があった。
その次の瞬間、先ほどの銃の着弾場所から黄色のひものようなものが伸びた。
それはやがて、魔女を縛りつけた。

「惜しかったわね」

一気に有利となった巴さんは胸元のリボンを解くとそれを使ってロープを切った。
さらにそれを使って巨大なマスケット銃を作り出した。

「ティロ・フィナーレ!!」

そしてそれを魔女に向けて容赦なく撃った。
そして魔女は消滅した。
巴さんは地面に優雅に着地すると、どこから出したのかティーカップをキャッチした。
そしてそれに口を付ける。

「あ、勝ったの?」
「すごい……」

その瞬間、周りの景色がぐにゃりと揺れると元の場所なのか、景色が元に戻った。
すると、巴さんは一人で歩いて、腰をかがめると何かを拾った。

「これがグリーフシード。魔女の卵よ」
「た、卵」
「運がよければ、時々魔女が持ち歩いてることがあるの」

魔女の卵と聞いてさやかが顔をしかめるが、巴さんは説明を続けた。
グリーフシードと言うものは真っ黒の物だった。

「大丈夫、その状態では安全だよ。むしろ役に立つ貴重なものだ」

怯えているさやかに気付いたのか、キュウベぇがそう説明した。

「私のソウルジェム、ゆうべよりちょっと色が濁ってるでしょう?」
「そう言えば……」
「確かに」

巴さんのソウルジェムは心なしか、先日より輝きが無くなっているようにも見えた。

「でも、グリーフシードを使えば、ほら」
「あ、キレイになった」

ソウルジェムから黒い靄……おそらく穢れが浮き上がると、それはグリーフシードに吸い込まれた。

「ね。これで消耗した私の魔力も元通り。前に話した魔女退治の見返りっていうのが、これ」

巴さんはそう説明すると、誰もいない場所に向けてグリーフシードを投げつけた。
すると、誰もいないはずなのにキャッチした音が聞こえた。

「あと一度くらいは使えるはずよ。あなたにあげるわ。暁美ほむらさん」

姿を現したのは 暁美さんだった。

「あいつ……」

先ほど感じた気配は彼女の物だったようだ。

「それとも、人と分け合うんじゃ不服かしら?」
「貴女の獲物よ。貴女だけの物にすればいい」

巴さんの言葉に、暁美さんはそう答えると、グリーフシードを投げ返した。

「そう。それがあなたの答えね」

それを受け止めた巴さんはいつになく険しい表情で暁美さんを睨みつける。
そして暁美さんはそのまま姿を消した。

「くぅー!やっぱり感じ悪いやつ!」

姿が消えるのと同時にさやかが声を上げる。

「仲良くできればいいのに」
「お互いにそう思えれば、ね」

まどかの呟きに、巴さんが苦笑いを浮かべながら答えた。

「思う努力もしてないくせに」

俺はついつい本心を口に出してしまった。

「何かしら?渉君」
「あ、言え、こっちの話です」

その後、自殺をさせられた女性が目を覚まし、巴さんは体を震わせている女性を宥めているのを見ていた。

「一件落着、って感じかな」
「うん」

こうして俺達の魔女退治体験ツアー第1回目は幕を閉じたのだった。

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