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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第4話 それは過去の偉大な人物の物語

昼休み、屋上に移動した俺とまどかにさやかの3人は、優雅に昼食を摂っていた。

「はい」
「あむ」

いや、3人と1匹だった。

「ねえ、まどか。願い事、何か考えた?」

そんな時、唐突にさやかが口を開いた。

「ううん。さやかちゃんは?」
「私も全然。何だかなぁ。いっくらでも思いつくと思ったんだけどなぁ。欲しい物もやりたい事もいっぱいあるけどさ、命懸けって所で、やっぱ引っ掛かっちゃうよね。そうまでする程のもんじゃねーよなーって」
「うん……」
「意外だなあ。大抵の子は二つ返事なんだけど」

さやかの答えにキュウベぇは顔色一つ変えずにそう反応した。

「まあきっと、私達がバカなんだよ」
「え……そうかな?」

さやかはベンチから立ち上がると、そのまま金網の所まで行った。

「そう、幸せバカ。別に珍しくなんかないはずだよ?命と引き換えにしてでも、叶えたい望みって。そう言うの抱えている人は、世の中に大勢いるんじゃないのかな。だから、それが見付からない私達って、その程度の不幸しか知らないって事じゃん。恵まれ過ぎてバカになっちゃってるんだよ。何で……私達なのかな?不公平だと思わない?こうゆうチャンス、本当に欲しいと思っている人は他にいるはずなのにね」

「さやかちゃん……」

その時だった。
突然暁美さんが現れたのだ。
俺とさやかはまどかをかばうように立ち上がる。

【大丈夫】

突然のテレパシーに俺達はふと横を見ると、少し離れた建物に巴さんらしき人影と光が見えた。
どうやら向こうが何かをしようとしたときは、攻撃をするという事だ。
そして一瞬暁美さんが横に目を配るとそのままスタスタと俺達の元に歩いてきた。

「昨日の続きかよ」
「いいえ、そのつもりはないわ。そいつが鹿目まどかと接触する前にケリをつけたかったけれど、今更それも手遅れだし。で、どうするの? 貴女も魔法少女になるつもり?」
さやかの言葉に暁美さんはキュウベぇを見やるとそう答え、まどかに問いかける。

「私は……」
「あんたにとやかく言われる筋合いはないわよ!」

まどかの言葉を遮ってさやかが叫ぶ。
俺は事の成り行きを静観しているだけだ。

「昨日の話、覚えてる?」
「うん」

暁美さんの問いかけに、まどかは頷いた。

「ならいいわ。忠告が無駄にならないよう、祈ってる」

その答えに満足したのか、暁美さんはそのまま踵を返した。

「ほ……ほむらちゃん。あの……あなたはどんな願いごとをして魔法少女になったの?」

まどかの疑問に、暁美さんは一瞬こっちの方を見る。

「あ……」

まどかが声を上げた。
俺にもわかった。
彼女の表情がものすごく、悲しげだったことに。
しかし、すぐにそのまま背を向けて去って行った。

「何なの?あいつ」

さやかがふとつぶやく。
見れば巴さんの姿もなかった。

「………二人に歴史の話でもしようか?」
「ふぇ!?」
「な、なぜにそこで歴史?」

俺の突然の提案に、すかさずさやかのつっこみが入る。

「いやいや、悩んでいる二人にはいい道しるべになるものだ」

二人はお互いに顔を見合わせると、そのままさっきのようにベンチに腰かけたのを見て、俺はそれを承諾と捉えもといた場所に座ると、話を始めた。

「何かしらかの偉大な事をした者は、歴史に名を刻むことになる」
「それって坂本○馬みたいな?」

さやかの返しに、俺は苦笑いを浮かべながら頷く。

(なんでそこで出てくるのが竜○なんだ?)

「これは、偉大なことをやったのに名を残せなかった無名の偉人の話だ」

そして俺は歴史を話し始める。










時代は古代ヨーロッパ時代。
とある国にある孤児院のような場所にとある少年がいた。
少年は幼いころに両親を亡くし、友達もいないという孤独だった。
周りの者たちも彼に近づく者はいなかった
そんな少年にある転機が訪れる。
それは少年のいる孤児院を襲った立てこもり事件だ。
犯人の数は3人。
全員がライフル銃を構えていた。
人質になったのは孤独な少年だった。
それ以外の者達は、少年をおいて逃げ出してしまったのだ。
警察も人質の安全のために、突入が出来ずにいた。
そんな膠着状態を崩したものがいた。
それが人質になっていた少年だった。
とは言え、何をしたのかと言えば、隠し持っていたはさみを無我夢中で突き刺したことだった。
突き刺したのは立てこもり犯の首謀者。
首謀者は瀕死の重傷を負ったが、それによって形成の崩れた犯人グループは一網打尽で逮捕された。
そして少年はそのまま病院へと収容されたが、それからしばらくして、彼の周囲は一変した。
少年をほめたたえる物がいたのだ。
その理由は少年の勇猛果敢なところと、逮捕した犯人グループがその国で最も脅威となっていたグループであったことにあった。
少年はそれを見て、こう思った。
『悪い人をいっぱい倒せば、孤独じゃなくなる』と。
そして少年はその後トレーニングを欠かさなかった。
体を鍛え、剣術を学んでいった。
そして頼まれるがままに少年は、悪人を殺していった。
殺した悪人の数に応じて集まる人が激増した。
そして何時しか彼は”英雄”と称えられた。










「英雄かぁ」
「いいよね~、あたしも呼ばれてみたいな~英雄って」

俺の話を途中まで聞いていたまどかとさやかが英雄と言う単語に反応した。

「……だったら良かったのだがな」
「??」
「それってどういう―――」

俺の呟きに反応した二人をしり目に、俺は話を続けた。










英雄と呼ばれた彼はさらに悪人を消していった。
そして少年が18才になった時、彼の周りは常に人であふれていた。
だからこそ少年は天狗になってしまった。
大を救うためならば小を切り捨てるという考え方になっているのに気付かなくなってしまったことが、転落の幕開けだった。
そんなある日だった。
それはあるテロ組織が役場のような場所に対する攻撃事件だった。
少年は当然のごとくそのテロ組織の殲滅を命じられたのだ。
そして少年がテロ組織の一味と接触した時だった。
その中に少年の友人が武装をしていたのだ。
これは後程分かったことだが、このテロ組織は洗脳をして人員を増やしていったらしい。
つまり、その友人は操られていたのだ。
この時少年は考えた。
一人の友人を失ってもこのテロ組織を撃退すれば寄ってくる人は、数十人にも及ぶ、と。
そして少年は何のためらいもなく友人を切り捨てた。
その後、任務を無事に終え戻ってきた少年を待っていたのは、周りの者達からの畏怖の目だった。
それもそのはずだ。
ほんのちょっとしたことが理由で自分たちまでもが殺されるのが怖いからだ。
そしてそれからしばらくして少年は村人たちに暗殺された。










「――――――――――そしてその少年は、どことも知れない土地に無造作に埋められたのだった。めでたしめでたし」
「あぅぅ………」
「………」

俺の話を聞き終えたまどか達は何も言わない。
いや、周りの雰囲気が重い。

「ゴホンッ!!つまり俺が言いたいのは、願い事をするときはその後のマイナスも考えろと言うことだ」
「いやそれだけの為にここまで雰囲気を暗くしたのかい!?」

さやかがツッコんでくる。
「そうだけど何か?重くさせないと実感わかないでしょ?」
「いや、だからってあんたね――」

その時、予鈴が鳴った。

「あ、昼休み終わった。」
「そうだね、ってあたしお昼食べてない!!!?」

学校中にさやかのむなしい叫び声が響き渡った。





放課後、俺とまどかにさやかの3人は先日寄ったファミレスで巴さんと合流した。

「さて、それじゃ魔法少女………魔女退治体験コース第一弾、張り切っていってみましょうか。

俺がいるのに気付いて言い直してくれた巴さんの優しさに、俺は涙が出そうだった。

「みんな準備はいい?」
「準備になってるかどうか分からないけど……持って来ました!何もないよりはマシかと思って」

さやかが取りだしたのは、金属バットだった。

「まあ、そういう覚悟でいてくれるのは助かるわ」
「でも、あんましそう言うのはこういうところで出すのはやめような」

俺はさらっと注意した。
こんな所で物騒なものを掲げるなんて、信じられない。

「ま、まどかは何か、持って来た?」
「え?えっと。私は……」

そう言ってまどかが取りだしたのは一冊のノート。
そこに書かれていたのは、何とも言い難いイラスト集だった。

「うーわー」

それを見たさやかと巴さんが呆然としているほどだ。

「と、とりあえず、衣装だけでも考えておこうと思って」

その瞬間、二人は思いっきり笑い始めた。

「え?!ふぇぇ!?」

それを見たまどかは恥ずかしさのあまりに、俯いていた。

「うん、意気込みとしては十分ね」
「こりゃあ参った。あんたには負けるわ」
「どうやらまどかは形から入るタイプらしいな」
「っ~~~~~~~!!!!」
「そういう渉は何か持ってきたの?」

笑いを収めながらさやかが聞いてきたので、俺は待ってましたと言わんばかりにバックからある物を取り出し、それをテーブルの上に置いた。

「……それは?」

俺はその問いかけに答えるように包みを解いていった。

「神剣です♪」
「いやいやいや!?!あんたの方がよっぽど物騒だよ!!と言うより真剣!!?」

さやかのツッコミが入った。
他の二人も唖然としていた。

「いや~剣術だったら自信があるんですよ俺。と言うことで、まどかいる?」
「い、いらないよ!!」

剣を差し出したら拒否された。

「あ、大丈夫だよ。だって……」

俺はそう言いながら、カバンの中に手を入れた。

「もう一本あるし」
「二本もあるんかい!?」

この日何度目か分からないさやかのツッコミが入った。
ちなみに、この日のまどかのノートは完全な黒歴史と化してしまった。
まあ当然だろうけど。
こうして俺達の魔法少女もとい、魔女退治体験ツアーは幕を開けた。

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