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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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【閲覧注意】 第32話 絶望の現実

3人称Side

渉が魔物化した瞬間、勇者シンク、ミルヒオーレ姫の二人は渉のいた場所からやや離れた場所にいた。

「これは、一体……」

シンクは押し寄せてくる”何か”に眉をひそめた。
それは、渉が発した雄叫びの際の物だった。

「姫様! 掴まってて!」
「は、はい!」

この場にいたら危険だ、と言う事を本能で感じ取ったシンクはトルネーダーでその場を離れようとする。
親衛隊長のエクレールと合流できれば、何があっても対処ができると言う考えの元だ。
だが、その決断は遅すぎた。

『み、見てください!! 暗闇の空に星が!!』

実況のナレータが慌てた口調で状況を実況する。
シンクとミルヒオーレ姫は、空を見上げた。
雷雲よりも暗くなった空には、数多の流れ星があった。
だが、それは美しいと言うよりは、不気味さの方が勝るものであった。

『た、大変です!! 空に何かがうか――――』

ナレーターが慌てた様子でそう告げた瞬間、空の方から爆音が響いた。

「「ッ!?」」

二人は、慌てて爆音のした方向を見る。
そこには……

「な、何だ……あれは」

空高くに浮かび上がる魔物化した渉がいた。
シンクは信じられないとばかりにその魔物を見ていた。

「■■■■■■!!」

魔物が声を発するとともに、黒い円陣が魔物の前に展開される。
その円陣は地面に……シンクとミルヒオーレ姫へと向けられていた。

「ッ!! ディフェンダー!!」

シンクは、それが危険な物であることを悟り、盾を展開するとミルヒオーレ姫をかばうように前方に出て盾を構える。
それと同時に、魔物化は黒いエネルギーの塊が放たれる。
それは、シンク達が使っていた紋章砲のようなものだった。
だが、異なるのは、そのエネルギー源が”闇”であると言う事。

「ぐッ!!」

腕に伝わる圧力に、シンクは顔をゆがめる。
黒い傍流は留まるところを知らない。

「うおおおおお!!!」

シンクは支点をずらし、自分の建っている場所の横側に受け流した。

「シンク、大丈夫ですか!」
「な、何とか」

シンクの身を案じるミルヒオーレ姫にシンクは、息を切らしながら答える。

「はぁ!!」

シンクは紋章を展開する。
それはフロニャルドに来たときに最初につかった紋章砲を行使するためだ。
そして、シンクは紋章砲を放つ。
それは一直線に魔物へと向かい、命中すると放った本人も、それを見ていたミルヒオーレ姫も予想していた。
しかし……

「■■■■■■!!!」
「なッ!?」

魔物に直撃する寸前に魔物が雄たけびを上げるのと同時に、砲撃は放った本人の元へと向かっていた。
シンクはそれを盾で防ぐことで難を逃れた。

「ほ、砲撃が返ってきた……」

それは、反射だった。
魔物は、シンクの攻撃を跳ね返したのだ。

(あいつは上空にいて、まともに戦う事も出来ない。紋章砲を使っても今のように跳ね返される)

シンクはこの時、ようやく退路がないことに気付いたのだ。
攻撃をしようにも空高くに浮かび、したら跳ね返されると言う悪循環。
正面から戦っても勝つことが出来ない。

(どうする……どうすれば)

シンクは、必死に打開策を考える。
それは戦闘時においては、最も最良の手だ、
だが、今回のそれは目の前に未知数の強さを持つ魔物がいる時の対応としては、最悪の選択だった。

「シンク、前!!」
「ッ!?」

ミルヒオーレ姫が必死に叫ぶ声に我に返ったシンクが見たのは、目の前まで迫る妖刀と短剣を振り下ろそうとしている魔物の姿だった。

「が!?」
「きゃあああ!!?」

そして、魔物はシンクとミルヒオーレ姫を切りつけた。
それは一瞬の事だった。
地面に倒れ伏す二人、そして二人の周囲は赤く染まる。
それはユキカゼ達と同じ状態であった。
二人の体が光り始める光景もだ。
奇しくも、それはレオ閣下の視た光景とほとんど一致していた。











その頃、エクレールとリコッタの二人は急いで向かっていた。

「さっきの紋章砲はシンクさんの物です!」
「と言うことは、二人の身に危険が迫っていると言う事だ!」

それが急いでいる理由だった。
そして、二人はシンク達がいる場所へとたどり着いた。

「シンクさん、姫!!」
「勇者、姫様!!」

地面に倒れているシンクとミルヒオーレ姫を目の当たりにし、慌てて二人の元に駆けよる。

「ッ!!」
「これは………一体」

リコッタは、二人から流れている赤い液体を見て目をそらし、エクレールは状況が呑み込めなかった。
その時、エクレールは空気の歪を感じた。

「ッ!? リコ!!」

それは、ほとんど勘だった。
エクレールはリコッタを跳ね飛ばす。
その次の瞬間、轟音を立てて魔物が二人のいた場所に落ちた。

「あ………あぁ」

それを見たリコッタは体を震わせていた。

「あれは、一体……ッぐ!?」

エクレールは突然肩に焼けるような痛みを感じた。
見れば、肩から赤い液体が流れていた。
そして、目の前にいる魔物の両手には剣が握られている。
そう、彼女は魔物の攻撃を食らっていたのだ。
そして、地面に佇んでいた魔物はゆっくりと、二人の方を見た。

「ひッ!!」
「ッ!!」

それを見た二人は、そのあまりのオーラに一歩後ずさる。
それは一瞬の事だった。
気づいた時には、魔物は二人の目の前まで来ていた。
それはシンク達のと同じパターンだった。
魔物は剣を振り上げ、それを振り下ろそうとする。
だが、そこで奇跡は起きた。

「どぉぉりゃああ!!」

男の声とともに、飛んできた何かが魔物を吹き飛ばしたのだ。

「■■■■■■!!!?」

魔物がその突然の攻撃に叫び声をあげる。

「大丈夫かぁ、たれ耳!」

その男の声に、エクレールとリコッタは声のする方を見る。

「ゴドウィン!!」

そこにはゴドウィンとその横にレオ閣下、ガウル達が立っていた。

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