健康の意識 忍者ブログ

黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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【閲覧注意!】第31話 変えられぬ未来/覚醒のとき

俺は気が付くと、どことも知れぬ場所に倒れていた。

「……っぐ」

体中に走る痛みに耐えながら、俺はゆっくりと立ち上がった。
その時だった。

「ッが!?」

突然、俺に凄まじい妖気が流れ込んできたのだ。
そのあまりの妖気の濃さに、俺は再び意識を失った。










「―――殿、……で……るか!」
「渉殿!」
「う……」

次に聞こえてきたのは、聞いたことのある二人の声だった。
俺はその声に応えるように、ゆっくりと立ち上がった。

「無事で何よりでござる」
「うむ。ところで、この辺に変な刀はなかったでござるか?」

そこにいたのはユキカゼにダルキアン卿だった。
そして俺が無事だったことにほっと胸を撫で下ろすユキカゼに、真剣そうな表情で問いかけるダルキアン卿。
俺は、その光景既視感を覚える。
どこかで見たことがあるのだ。

(何処だ、どこで見た)

俺は必死に記憶を手繰り寄せ、そして見つけた。

(これって、あの時の予知夢と同じ!)

そうだ、前に見た予知夢の内容そのものだった。
何処かわからない場所に傷だらけで倒れる俺、一度起き上がるもすぐに気を失ってしまう光景。
そして、俺はその先に起こることを思い出した。

「ッ!?」

俺はその未来に息をのんだ。

「……ろ」
「ん? どうしたでござるか?」

俺の呟いた言葉が聞き取れなかったのか、ダルキアン卿は俺に聞き返した。

「逃げ……ろ」

俺は二人に警告を発した
その次の瞬間、俺の中に入り込んだ妖気が一気にうごめき始めた。

「うああああああああああ!!!」
「ッ!? これは!」
「渉殿……まさか!!」

俺の悲鳴を聞いた二人は、驚いた様子で俺を見る。
俺の体は、勝手に神剣を二本具現化して、二人の目前へと迫っていた。

(やめろ………)

俺の願いもむなしく、俺の体は二本の剣を振り上げて、二人にめがけて振り下ろした。
だが、その斬撃を二人は間一髪と言うところで躱した。

「うあああああああ!!!!」

そしてそれを見た俺は、再び二人にめがけてものすごい速度で駆け出す。

「っく! 裂空、一文字!!」

ダルキアン卿はそんな俺に向けて、紋章剣を放った。
防御をすることなど念頭に置いてない特攻だ、喰らえば俺は怪我では済まない。

「がぁ!?」

ダルキアン卿の斬撃が、俺の体に見事に命中し、後方に吹き飛ばした。
自分の体なのに、まるで他人事のように感じる。
自然と痛みはなかった。

「すまない、渉殿。許してくれ」

ダルキアン卿の謝る声が聞こえた。
逆だ。
俺がダルキアン卿に謝る方だ。
俺の暴走と言う最悪の未来を変えてくれたのだから。

(本当にそうなのか?)

ふと、心の中で疑問を口にした。
どうもこれで終わりのような気が俺にはしないのだ。
それを証明するかのように、俺の自我はそこで突然途切れた。





3人称Side

ダルキアンにやられ、地面に倒れている渉。
そもそも、渉がこうなったのは、二つの呪いが同時に作用していることによる。
渉がフロニャルドに来たときに拾った短剣、妖刀。
そして魔物となる元凶の妖刀。
その二本が渉の中でうごめいているのだ。
さらには、それを浄化する霊力も使い切ったことが災いし、渉は体を乗っ取られたのだ。
そして、とうとうその時が訪れた。

「なッ!?」

致命傷を負ったはずの渉が立ち上がったことに、ダルキアンは驚きを隠せなかった。
その渉は両手を大きく広げ天空を仰ぎ見る。

「うあああああああああああああ!!!!!!」

そして雄叫びを上げた。
その雄叫びは、地面を………空気を震わせる。

「お……おおお――――――」

渉から発せられるのは紫色のエネルギー……妖気が濃縮された邪気だ。
そして突然の閃光に、ダルキアンとユキカゼは目を閉じる。










「「ッ!?!?」」

閃光が晴れ、目を開けた二人はその光景に声が出なかった。
その光景は、空は真っ黒な闇に覆われている。
それは雷雲などと言うものではない。
そして、前よりもさらに薄暗くなった中、異様な存在感とオーラを放っているのがいた。

「渉………殿?」

ユキカゼが疑問形で呼びかける。
それも当然だ。
今の渉の姿は、それを知るものには想像もできないほどの変化を遂げているのだ。
髪の色は黒く、背中に申し訳程度についていた白い羽根は、真っ黒に染まっていた。
服装も灰色と青色の礼装が、真っ黒になっていたのだ。
それは、まさに………

「これは………魔物」

魔物、そのものだった。
いや、魔物と言うのも生易しい。
言うなれば―――――破壊神だろう。

「そんな………馬鹿な」

ダルキアンは信じられないと言った様子で、つぶやいていた。
そして、渉は目を開けた。
目の色は透き通った青から、血が混じったかのような紅へと変わっていた。

「■■■■■■!!!!」

再び上げた雄叫び、それは世界すらを揺るがすほどの物だった。

「ッ!?」

そのあまりのすさまじさに、二人は一歩下がってしまう。
魔物退治をしていた二人でさえ、そうさせてしまうのだ。
そして、その動きが二人の運命を決めた。

「がぁぁ!?」

突然風を切るような音がしたのと同時に、ユキカゼの悲鳴がダルキアンの耳に聞こえた。

「ッ!? ユキカ――――」

ユキカゼの方に視線を向けようとしたダルキアンは、体を切りつけられた痛みと共に地面に倒れた。
薄れゆく意識の中で、ダルキアンが見たのは、赤い液体のついている魔物から引き抜いた妖刀と、短剣を手にした渉の姿だった。










深い谷底、三人の人影。
そのうちの二人は地面に倒れ、体からは赤い液体を流している者。
そして、そのそばに佇む”魔物”。

「■■■■■■■!!!!」

再びの雄叫びをあげ、”魔物”はその場を飛んでいく。
残されたのは、致命傷を受けた二人の体を覆う、やわらかい光だけだった。





渉が予知した悲劇。
それが今開幕を告げた。
悲劇は、まだ終わらない。

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