健康の意識 忍者ブログ

黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第30話 戦いの終わり

「さ、三神とは……世界の意志とは何だ」
「世界を創造する創造の神、世界にとっての毒を排除する裁きの神、そして世界を安定させる世界の意志の総称が三神だ」

俺はレオ閣下に二つの質問の答えをまとめてした。

「………」
「時間がない。俺は行くぞ」

俺はレオ閣下たちにそう告げると、グラナ砦から飛び降りた。






3人称Sde

封印が解け、現れた魔物の背中にシンクは立っていた。
その姿は体中に怪我をし、頭から血を流し、着ていたマントはボロボロであった。

「姫様! 姫様!!」

シンクは半透明の球体内に入っているミルヒ姫に、球体を殴りながら必死に呼びかけていた。

「はぁ……はぁ……駄目だ、僕の声が届いてない」

シンクは数歩後ずさりをして、息を切らせながら呟いた。
その表情は非常に悔しげであった。

「諦めるのか?」
「え?!」

そんな時、突然かけられた声に、シンクは慌てて辺りを見回す。
そんなシンクの前にゆっくりと降り立つ人物がいた。

「わ、渉!?」

その人物は渉であった。

Side out





俺は、空を飛んで魔物の元に向かっていた。
その道中、茎のようなものが地面から生えてくる。
さらにその先にはピンク色の何かがこっちに向かってきていた。

「邪魔するな!!」

俺は正宗を横に振りかぶる。
すると、白銀の刃となり茎やピンク色の者を次々に薙ぎ払って行く。
そして俺はさらに速度を上げた。
やがて魔物の姿が見え、背中には半透明の球体を必死にたたき続けるシンクの姿があった。
だが、それをやめると、シンクは数歩後ずさりをする。

「はぁ……はぁ……駄目だ、僕の声が届いてない」

聞こえてきたのは、そんな言葉だった。
その言葉に、俺は我慢できなかった。

「諦めるのか?」
「え?!」

俺は静かにシンクに問いかけつつ、ゆっくりとシンクの前に降りて行く。

「わ、渉!?」

俺を見たシンクの表情が驚きに満ちる。

「曲がりなりにも勇者と呼ばれたお前が、そんな風に諦めてどうする」
「だったら………だったら僕はどうすればいいんだ!! いくら呼びかけても僕の声は姫様には届かない! どうすれば―――」

俺の言葉に、シンクが激高した。
その言葉には悔しさが感じられた。

「簡単な事だ。諦めなければいい」
「え?」

シンクの言葉を遮ってはなった言葉に、シンクは意外そうな表情で俺を見る。

「諦めるな! 抗え! それが弱者に出来る唯一の事だ。 まだ死んだわけではない、だったら諦めずに呼びかけ続けろ! 何でもかんでも諦めてたら、救えるものも救えないぞ!!」

俺はこの時、どうしてここまで感情をあらわに出して怒っているのかが分からなかった。

「たとえその姿が醜く、滑稽でもお前の努力を馬鹿に出来る物はこの世界には存在しない。だから、抗え!! 男を見せろ! 勇者、シンク・イズミ!!」
「ッ!?」

俺の言葉に、シンクが息をのんだ。
そして表情が変わった。
その表情は、力と可能性に満ち溢れていた。

「うん、その表情だ。お前は引き続き呼びかけ続けろ」
「分かった」

俺の指示にシンクは頷く。

「俺はこれからこの魔物に干渉して、弱体化させる。ただし、その間は俺は意識を集中させるからお前たちのフォローには回れない。やれるな?」
「うん、出来る!」

俺は力強いシンクの返事を聞くとそのまま背を向けた。
背後からは、姫君に呼びかけるシンクの声が聞こえた。
それを聞きながら、俺は神剣を二本取り出す。

「すぅ……はぁ……」

そして意識を集中する。

(俺の持つ霊力すべてを注ぎ込んで、こいつを弱まらせる! 浄化は出来ないがそのくらいならできるはずだ)

そう思い、俺は詠唱を始める。

「我、光溢れし者。わが名の下、剣を通し全てを浄化せし光となれ!!」

詠唱が完成するのと同時に、俺の体中から力が溢れだす。
その力は、神剣へと集まっていた。

(ああ、ようやく分かった)

俺はその時、さっきの疑問が分かったような気がした。

(俺は、重ねてたんだな、あの弱り切ったシンクに)

俺が生きていた時、何も目標を持たず打算で生きていた俺よりは何億倍もましな人間に怒る権利はないかもしれないが、あの姿を見ていたら口から出ていたのだ。

「はぁ!!!!」

そして俺は今まで考えていたことを振り切るように、二本の神剣を魔物の背中に突き刺した。
そこで俺の意識は途切れた。





覚醒まで残り、5分

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