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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第14話 謁見と模擬戦

姫様奪回戦の次の日、シンク達はどこかに集められていた。
何でも姫様の謁見があるのだと言う。
俺も来るようにと言われたが、そこには行かず、外で景色を見ていた。

「おや、これは渉殿ではござらぬか。ここで何をしているのでござるか?」
「これはこれは、ブリオッシュ殿。空を見ているんですよ」

俺に声をかけてきたのは、ブリオッシュだった。

「そのブリオッシュ殿はよしてもらいたい。拙者の事はダルキアンで良い」
「分かりました。ダルキアン卿」

俺はダルキアン卿と呼ぶことにした。
”卿”を付けるのは、一応礼儀だ。

「謁見に出なくてよいのでござるか?」
「ええ。自分はそこに出るほど活躍はしていませんし、そう言うのは苦手な物で」

俺はダルキアン卿の問いかけに、そう答えた。
まあ、どれも本当の事だが、俺のようなものに出る権利はないしな。

「そうでござるか。向こうの方も終わったでござるよ」
「え?」

ダルキアン卿の言葉に、お城の方を見るとキレかかっているエクレールとその横にはシンクとリコッタ、ユキカゼがいた。

「ッた?!」
「この馬鹿者! 姫様の謁見に出ないとは何事だ!」

そして突然頭を殴られると、大きな声で怒鳴られた。

「俺はああいうのは苦手なんだって。なんというか固っ苦しいと言うか、なんというかよく分からないけど」
「まあ、よい」

俺の返答に、エクレールはため息交じりにそう言った。
どうやら諦めた様だ。

「あれ、シンク達は?」
「む、そう言えばユキカゼの姿も見当たらない」

どうやら俺を置いてどっかに行ったようだ。

「あ、ちょうどよかった。ちょっと頼みたいことがあるんだが」
「む、言ってみろ」

俺は顔をしかめるエクレールに頼みごとを伝えた。










場所は変わって騎士団の練習用の広場。

「兄上!」
「エクレール、それに君は確か……」

そこにいた肌色の髪をした男性が俺を見て名前を思い出そうとしていた。

「小野 渉です。以後お見知りおきを」
「これはご丁寧に。俺はビスコッティ騎士団の騎士団長、ロラン・マルティノッジだ」

騎士団長、ロランは俺と握手を交わすとエクレールの方を見た。

「で、どうした? 今日の訓練は俺の担当のはずだが」
「実は、渉と模擬戦をしようと思っているのです」

ロランの問いかけに、エクレールが答えた。
そう、俺の問いかけはエクレールとのお手合わせだった。
親衛隊長と呼ばれるだけあって、その剣筋は良いに違いないと思ったからだ。

「渉殿と? それはいい。皆、いったん休憩だ」

ロランは訓練中の騎士達にそう言うと、集まるように告げた。

「これから、渉殿とエクレールが模擬戦をするので、よく見ておくように」

何やら注目されているのが少々あれだが、まあやっていれば気にならなくなってくるだろう。

「それで、武器は何にするんだ?」
「俺は、この剣で行く」

そう言って取り出したのは、神剣の吉宗だった。

「分かった」

エクレールも剣を手にすると、お互いに牽制し合う。
やがて、エクレールが動き出した。

「はぁ!!」
「ほっと!」

エクレールの剣劇を、俺は体を横に動かすことによって回避する。

「っく!」

さらにエクレールは剣劇をさらに強める。
時には上から、また時には俺の脚を払いのけるように。
だが、そのすべての攻撃を俺は剣を使わず、体を動かすことで回避している。

「うむ、実に良い剣筋だ。さすがは親衛隊長だ」
「貴様、私を馬鹿にしているのか!」

俺の評価に、エクレールは剣を振りながら言い返してくる。
その顔は若干本気になっていた。

「いんや。逆に尊敬しているのさ。だが、所詮はそこまで。この俺にその剣を当てるのにはまだ早い」
「ッく!」

俺の軽い挑発に乗ったエクレールの表情が本気になった。

(俺も本気になりましょうかね)

俺はそう考え、吉宗をもう一度握り直す。

「はぁ!!」
「っふ!」

エクレールの剣撃を、今度は剣で受け止めた。
金属同士がぶつかり合う音がする。
それは、俺にとっては場を盛り上げる歌のようなものだ。
俺は、力の流れをそらしてエクレールの剣を払う。
俺が狙っているのは、剣を超えての攻撃だ。
戦いの中、一番有利になるのは、そのものの武器を失くすこと。
武器がなければ、こっちに武器が残っている時点で、それは大きなアドバンテージとなるからだ。
では、今回の場合はどうするか。
それは、エクレールの持っている剣を突き破ればいい。
力加減を間違えれば、エクレールに怪我を負わせるが、この吉宗は人体を切ることはできない特性を持つ。

「はぁああ!!」
「そこ!!」

そして俺はエクレールの剣に向けて吉宗を突き刺す。
すると、剣は真っ二つに割れた。
………俺の剣と一緒に

「!?」
「なッ!?」

俺はそのことに、驚いた。
神剣は並大抵の事では折れることは決してない。
なのに、エクレールの持つごく普通の剣を貫いただけで、真ん中から真っ二つに折れたのだ。

(何だか縁起が悪いな)

俺がそう思っていた時だった。

「今回は引き分けであったが。何なんだ! あの戦い方は」
「何だって、普通にかわしていただけだ。後半はちょっと本気で行ったけど」

俺はエクレールの問い詰めに、動じずに答えた。
そんな中、拍手が響いた。

「お疲れ様二人とも。素晴らしい戦いであった」
「あ、ありがとうございます。兄上」
「恐悦至極です」

ロランたちのお褒めの言葉に、俺とエクレールはお辞儀をしてお礼を言った。

「あ、でしたらついでに皆さんに、面白いものを見せましょうか?」
「俺は構わないが、何をする気だ?」
「ほんのちょっとした手品です」

ロランの問いかけにそう答えると、俺は地面に落ちた二本分の剣を手にする。

「エクレール、手伝って」
「し、仕方がないな、手伝ってやろう」

そして、俺は手品を始める。

「まずは、この剣の折れた部分をつなげます」

俺は全員に見えるように、エクレールが持っていた剣の刃が折れた部分をくっつける。

「で、エクレールこの部分を指でこすってみてくれる?」
「分かった」

俺の指示に、エクレールは渋々と言った様子でつなぎ目部分を人差し指でこする。

(物体、修復)

俺は心の中で、そう念じる。

「はい、もう離してもいいよ」
「なッ!?」

指を離したエクレールは、剣の刃を見て驚きの言葉を口にする。

「はい、この通り剣は元通りになりました」
『おぉ~!』

俺が剣を突き上げると、見ていた人たちが簡単の声を上げた

「同じ要領で、こっちの方もやりましょうね」
「そ、そうだな」

そして俺はエクレールと共に手品を続けた。
ちなみに、分かっているとは思うが、手品ではない。
これは俺の神術によるものだ。
そんなこんなで、模擬戦&手品ショーは幕を閉じたのであった。










おまけ

「あの二人仲がいいでありますねー」
「うん、エクレも楽しそうだ」
「仲良きことは良きかなでござる」

エクレールと渉が手品をしているころ、少し離れたところで笑顔で話しているオレンジ色の髪をした少女と、金髪の少年に茶色の髪をした女性がいたとかいないとか。

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無題

「渉殿と? それはいい。皆の者いったん休憩だ」

↑確かロランの言い方は「皆の者」ではなく普通に「みんな」だったと思います。


「はい、この通り剣は元通りに戻りました」

↑「元通りに戻りました」ではなく「元に戻りました」または「元通りになりました」だと思います。



あと、先のコメントで指摘した通り、「剣劇」は「剣撃」だと思います。

  • コメント編集
  • 2012/07/29(Sun.)
  • ペンネーム不詳。場合によっては明かします。

報告ありがとうございます

こんばんは、TRです。

誤字報告ありがとうございます。
先ほど、報告されました全ての誤字の修正を完了させました。
ほとんどの誤字が確認ミスによるものだったので、恥ずかしさでいっぱいです。

もしほかにも誤字等が見つかりましたら、お気軽にご報告をいただければ幸いです。


それでは、これにて失礼します。

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