今俺は走っている。
と言うよりすごい光景だ。
花火が上がったかと思えば今度は空爆だ。
「エ、エクレ、渉。なんかすごいんだけど」
「ぼやくな走れ!」
「この程度まだまだ序の口だ」
セルクルに乗るエクレールをしり目に、俺は辛苦にそうツッコんだ。
「ダルキアン卿!エクレール・マルティノッジです!!
エクレールはブリオッシュに大声で呼びかける。
「おう!」
対するブリオッシュは歩兵を切り倒しながら答えた。
「我々は中に突入いたします! 姫様の救出に」
「おお、存分に努めてくるでござる」
エクレールの言葉に、ブリオッシュはそう答えながら歩兵の攻撃を鮮やかにかわす。
「ここは拙者とユキカゼに……」
ブリオッシュはそう言うと、剣を振り上げ紋章を発動させた。
「はあ!!」
そして剣から放たれた斬撃波で、多くの歩兵達が獣玉へと変わって行く。
「まかせるでござるよ」
おじさんに剣を向けながら笑顔でそう言った。
「俺はエクレールと共に行く。お前の獲物は一騎打ちをご所望らしいからな」
「了解!」
「し、仕方ないな。そこまで言うのなら連れて行ってやろう」
受け答えるシンクに対して、エクレールはそう言いながらそっぽを向く。
(俺、そこまでお願いしたか?)
俺は、そんな疑問を感じつつエクレールと共に走るのであった。
しばらく走った俺達は、ある人物たちと対峙している。
「やはり、貴様ら三馬鹿が出てくるか」
エクレールがやれやれと言った様子でつぶやく。
三馬鹿と呼ばれた三人はあの、ジェノワーズと言う奴らだった。
「誰が馬鹿ですか!」
「馬鹿っていう人が馬鹿」
「そうや! バーカ、バーカ」
ウサギ耳で弓を手にする女性に続いて、短剣を手にする黒髪の少女、大きな斧のようなものを手にするトラの姿を彷彿とさせる姿をした少女の三人が言い返してくる。
(餓鬼か)
俺は呆れながら内心でつぶやく。
「貴様らの相手は、いろんな意味で頭が痛いが……」
「同じ親衛隊同士、このノワール・ヴィノカカオが通せんぼ」
「同じくベール・ファーブルトン。エクレちゃん、正々堂々と勝負です」
「まっ、三体二やけどな。ジョーヌ・クラフティ頑張るよぉ~」
ヴィノカカオは短剣を、ファーブルタンは弓を、クラフティは斧を構える中、エクレールも双剣を構えた。
「ビスコッティ親衛隊長、エクレール・マルティノッジ。切り抜けて進ませてもらう」
「同じく小野 渉。機嫌が悪い時にちょっかい出すとどうなるか。たっぷりと叩き込ませて貰おう!!」
そして、俺達の戦いが幕を開けるのであった。
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