健康の意識 忍者ブログ

黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第10話 合流

3人称Side

「……ふっ!!」
「っ……ぐぅ……!」

ミオン砦内に武器と武器がぶつかり合う金属音が響く。
砲術師のリコッタのサポートもあって、何とか辿りつけた二人だが、中で待ち構えていた敵兵士の数の多さに圧倒され、ついに逃げ場が無くなった。

「ふはははは!!!」

そんな時高々い笑い声と共に、ガレット獅子団の将軍でもあるゴドウィン・ドリュールが姿を現した。

「親衛隊長も勇者も恐るにたらず!」
「リコからの砲撃、止まっちゃってるけど?」

ゴドウィンの言葉にシンクは、背中合わせのエクレールに小声で話しかける。

「無理もない、砲術師は歩兵に詰められれば無力なんだ……むしろここまでよくもってくれたと褒めてやりたい」
「勇者の坊主は我らが主、ガウル殿下のご使命だ、広場まで来てもらおぉう!」

ゴドウィンの言葉と共に、歩兵達が一歩前に踏み出した。

「小娘の親衛隊長に用はない。降参するなら、許してやるぞぉ? んん?」
「断る!」

ゴドウィンの提案をエクレールは即答で答えた。

「んん?!」

そんなエクレールの言葉に、ゴドウィンは眉間にシワを寄せた。

「……そうか、なぁらば、少々痛い目を見てもらおうかぁああ!!」

兵士が差し出した鉄球の付いた大きな斧を手に取りながら、ゴドウィンはそう言った。

「「勇者(エクレール)!!」」

そんな時、二人はほぼ同時に声をかけた。

「……なんだ?」
「……そっちこそ」

しばらくの静寂ののち、二人はそれぞれの提案を話す。

「いいかよく聞け!」
「エクレこそ!」
「「僕(私)がここに残るからエクレ(貴様)は先に!」」

二人はほぼ同時に言いきった。
しかも内容も同じだ。

「「………え?」」
「だああああ!! なんでかぶるの!!」
「それはこっちのセリフだ! このスットコ勇者が!!」

そして二人は痴話げんかを始めた。

Side out





俺は迷彩と気配の遮断をしてミオン砦内に侵入することに成功した。
ちなみにメイドさんの隙を狙って強行突破した。
そんな俺を待っていたのは……

「いいから行けって! ここは危ないんだし、エクレなら砦の中とか詳しいでしょ?!」
「足止めなんて難しい戦場、貴様に務まるわけなかろうが! 貴様こそさっさと行け!」

二人の痴話げんかだった。
いや、これは言い争いとでも言った方がいいか?
シンクとエクレールの二人はこの世界に来たときに軽く戦ったおじさんと、歩兵達の前で痴話げんからしき言い争いをしていた。
理由は、どっちがここに残るかであった。
そしてこの二人のやり取りにおじさんの眉間のシワも、だんだんと大きくなっていった。
俺は不意打ちが出来るようにタイミングを見計らっていた。

「女の子を危険な目に合わせる訳にはいかないの!」
「いいから行けって、言ってんだろ?!」

それを知ってか知らずかは分からないが言い争う二人。

「ここは僕に任せて!」
「いいから行け!」

(おーい、そろそろおじさんが限界を超えるぞ?)

心の中でそう警告を出す。

「もぉう! 頑固だなー!」
「うるさい!」

そして、とうとうその限界が来た。

「ガキ共ぉ! この土壇場で、楽しいやり取りしてんじゃねぇえ!!!」
「「ッ!!?」」

おじさんは怒鳴りながら鉄球をシンクに向けて放り投げた。

「呼ばれなくても、ド派手に登場!!」

俺は今だと思い、シンクの前に迷彩を解除して移動すると正宗を前方に突き付けるように構える。

「盾!」

その次の瞬間、とてつもない重圧が俺を襲う。

「渉!?」
「……っく! おまけに一発!!」

俺がそう叫んだのと同時に、目の前にいた歩兵の半分が獣玉になった。
そして俺の横に突き刺さるのは、神剣吉宗だ。

「うおりゃああ!!」

そして俺は鉄球を横にそらせることで、対処すると盾を解除した。

「悪い、かなり遅れた」
「遅れすぎだ!! 一体何をしていた!!!」

エクレールの怒鳴り声が耳に響く。

「あー、それは後で。今は……」
「お主は、今朝の小僧か」

俺は目の前にいるおじさんに意識を集中する。

「ええ、そうです。それにしてもこれは偶然? それとも作為?」
「そぉんなことはどうでもいい! 今朝の決着を、つけさせてもらぉおうではないか!!」

おじさんは手に斧を、俺は両手に神剣を構える。
と言うより、あのおじさん縛り付けられて負けたのがよっぽど嫌だったようだ。
そんな時、紫色の何かが何処からともなく、おじさんの背後を狙うように向かってきた。
それをおじさんは斧で受け止める。

「ぬぉぉおお!!」

やがて斧の方が勝ったのか、それは大きく弾かれ、俺達の後方に突き刺さった。

「この刀は……!」

エクレールが刀を見て声を上げた。

「塔馬より失礼仕った!」

その声と共に俺達はミオン砦の屋根の方を見上げた。
そこには笠のようなものをかぶり、右手に杯を持った凛々しい顔の女性と何やら小動物がいた。
どうやらこの人がさっきの奇襲を仕掛けたらしい。

「おぉ、久しぶりでござるなエクレール。しばらく見ない内に大きくなった」
「ダルキアン卿!」
「ダルキアンだとぉ?!」

エクレールの言葉に、おじさんはそう言いながら、その方向を睨んだ。

「いかにも、そこの斧将軍と勇者殿達には、お初にお目にかかる。ビスコッティ騎士団自由騎士、隠密部隊棟梁『ブリオッシュ・ダルキアン』」

ブリオッシュはそう言うと、巻物を取り出しそれをこちらに向けて広げた。

「騎士団長ロラン殿からの要請を受け、助太刀に参った!」

そんな時、やぐらのような場所から光何かがあった。

「危ないっ! 後ろ!!」

それに気づいたシンクはブリオッシュにそう告げると、刀を構えた

「紋章剣」

その台詞と共に、ブリオッシュの背後に紫色の紋章が現れた。

「烈空一文字ッ!」

そしてブリオッシュは身体を回転させながら、居合いと共に矢が射られた方へ刀を払う。
さらにその斬撃は矢を吹き飛ばし、弓兵達のいるやぐらを弧月状に斬り裂いた。
斬り裂かれたやぐらは斜めに傾き、そのまま地上にいる歩兵達を道連れにして地面へと落ちた。
俺はその一連の動作に、言葉を失った。
その動きに無駄はなく、そう言った催し物であれば間違いなく一番華麗で、最強の座に君臨できるほどの力だった。

「いやぁ~助かったでござるよ、勇者殿」

そんな俺の驚きをよそに、ブリオッシュはシンクに笑顔でそう言う。

「あっ、いえ!」
「お、口上の途中でござったな……えーと、どこまで話したか?」

ブリオッシュは隣にいる小動物にそう聞くが、鳴き声をあげた。
おそらく犬であろう。
あまり関係はないから深く考えないようにした。

「まぁともかく、押しかけ助っ人の推参でござる、さぁ! いざ尋常に」

ブリオッシュの台詞と共に、城外から花火が上がり、笑顔で刀を構えている彼女を照らした。

「勝負でござる!」

(しかし、この花火……誰がやってんだ?)

俺の疑問も尽きることはない。

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