「………んぅ」
気づくとそこは臨海公園だった。
あたりはすでにオレンジ一色だった。
(そうだ、俺突然結界の中に閉じ込められて)
俺は何があったかを思い出した。
そんな時だった。
【気づいたか?真人】
【執行人!?】
俺は執行人の声で驚いた。
【結界が展開されたのに気付くのが遅れた。すまなかった】
執行人が突然誤ってきたのに驚いた。
【そういえばあの二人はどうなったんだ?】
【この僕が追い払った】
俺の疑問に執行人がしれっと答えた。
【へ?】
【だから、僕が追っ払った。まあ詳しく言えば結界を破壊したら相手が逃げただけだけど】
俺は執行人の言葉を頭の中で整理した。
結界を破壊したということは、攻撃系の魔法を使ったという事だ。
【お前、攻撃系の魔法を使えるようになったのか!?】
【ん?ああそうだけど。使えるとは言ってもほんの初級魔法程度だけどな】
執行人も俺の問いかけにすんなりと肯定した。
(と言うことは、俺はまた強くなったんだ)
執行人の強さは、俺の強さと比例する。
それは前に執行人から聞いた話だ。
だとすれば、最初は攻撃魔法が使用できない状態らしかったので、俺はその分成長したということだ。
【………】
しかし、俺は素直に喜べなかった。
それはあの男達だ。
一瞬の油断で俺は、もう一人の男にやられてしまった。
【そう落ち込むな。やられる前までの戦いぶりはなかなかいいものだ】
執行人は最後に”その心意気を忘れるな”と言うと話を変えた。
【それはそうとあの仮面の男。……もしかして転生者?】
俺はもしやと思い執行人に尋ねた。
【いや転生者にしては能力も低すぎるし、反応もなかった。おそらくは第三勢力の可能性がある】
執行人の言葉に、俺も納得した。
これで、敵の情報は分かった。
【さて、早く帰ろ――――】
執行人が帰ろうと言おうとした瞬間、再び周りに結界が形成された。
【これは転生者の物だ。おそらく健司とかいう奴だろ】
一難去ってまた一難とはこのことらしい。
【前行った時の魔法は使えるか?】
【いや、それには時間がない。もう3秒もすれば接触だ】
俺は変装魔法が使えるかを聞いたが、執行人から信じられないことを告げられた。
俺は急いでクリエイトを構える。
そして、健司が姿を現した。
「お前は!?」
そこにいる俺の姿を見て目を見開く。
「お前だったのか……真人」
健司が静かに呟いた。
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