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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第17話 初戦の夜

「クソッ!」

俺は机を思いっきり殴った。
理由は今日の戦闘だ。

「この俺が……負けるだなんて」

負け方もとても惨めだった。
俺の攻撃をそのまま跳ね返されたのだ。

(こうなったら、とことんやり合ってやる!!)

【……やめておきなさい】

俺の決心と同時に、俺の頭の中に女性の声が響いてきた。
この感覚を俺は知っている。
この声は、神様だ。

【どういうことだよ!】
【そのままの意味よ】

俺の一言はバッサリと切り捨てられた。

【あなた、前に私がした忠告は覚えてる?】
【……世界のうんたらには見つかるなっちゅう奴か?】

俺は神様の問いかけでその時の事を思い出した。

【半分正解ね。正確には、世界の意志には見つからないで、よ】
【でもどうして見つかったらいけないんだよ】
【見つかれば、間違いなく消されるわ】

俺は神様の言葉を聞いた瞬間、何の冗談だと思った。
一応俺は今最強の力を手にしている。
そんな俺が敗れるわけ……

【破れてるじゃない。戦歴のない彼に】
【なっ!!? あいつ、あれが初戦なのかよ!?】

俺は衝撃を覚えた。
俺は初戦の奴に負けたのかよ!?

【まあ、彼も少しは戦っているだろうけど、日は浅いはず。力量差は明らかなのにあなたに引けを取っていない理由は……】
【理由は!?】

もしかしたら弱点が聞けるかもしれないと思い、俺は先を促す。
だが、神様から語られたのは俺の予想を上回るものだった。


★ ★ ★ ★ ★ ★


「……なあ」
「………」

俺はさっきから何度目かもわからない声をかけた。
しかし執行人は、只々沈黙するだけだった。

「もしかして、怒ってるのか?」
「……いや、そんなことはない。呆れてただけだ」

ようやく口を開いたかと思えば、帰ってきたのは、そんな言葉だった。

「勘違いするな。自分にだ」
「なんでだよ。お前のおかげでここまで強くなれたんだし」

俺の言葉に、執行人は鼻で笑った。

「だが、僕自身は何もしていない。それが一番悔しいんだ」
「………」

俺は執行人に何もいうことが出来なかった。

「僕の力があれば、お前には嫌な役割を押し付けることはないんだろうが……情けないものだ」
「でも、俺が強くなれば執行人だって本当の姿を現せるんだろ?だったら俺はこれからどんどん強くなっていくぞ」

俺の言葉に、執行人は無言だった。

「っふ、お前らしい。だが、もう夜も遅い。早く寝ろ」

そういうと、執行人は二度と何もいう事はなかった。
そして俺も眠りにつくのだった。
しかし、俺は知らなかった。
この翌日、とんでもない事態が発生するという事を。

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