執行人によって結界を抜け、ひたすら進む。
【そこをまっすぐ行けば、敵と対峙する!】
【了解】
執行人の言葉に、俺はそう返しながら空を飛んで向かう。そして少し進んだ時だった。
【真人、近くに反応ありだ】
【分かった】
どうやら敵に近づいたようで目視でも確認できた。
そして俺は敵の前に躍り出た。
★ ★ ★ ★ ★ ★
俺は順調だった。
目の前にいるヴィータやシグナム達を相手にしても一歩も引かない。
そして俺は今、シャマルのいる方へ向かっていた。
(原作じゃ、ここでリーゼ姉妹が妨害するんだったよな)
『マスター、近くから魔力反応です。こちらに近づいています』
そんな時、デバイスのルビーからそんな情報が入った。
「ああ、あいつの事か」
俺にはもうその人物の姿は見えていた。
黒のバリアジャケットに身を包んだ男だった。
顔の方は何やら仮面のようなものをかけていて、分からない。
(変装魔法か? ま、関係ないが)
「さぁて、少しだけでも楽しませてくれよ」
そして俺は奴に攻撃を仕掛けた。
★ ★ ★ ★ ★ ★
(な!? け、健司?!)
俺はそいつの顔を見て衝撃を隠せなかった。
なぜならそいつは、俺の友人だったからだ。
【真人、こいつから転生者反応ありだ】
【つまり……】
執行人は俺の言葉に執行人は何も言わない。
【来るぞ】
執行人がそう呟いた瞬間、目の前に二本の剣が迫って来ていた。
「ッ!!? ブレイク・イヤー!!」
俺は何とかその二本の剣をはじくことに成功した。
「へぇ、やるじゃねえか。ならこれでどうだ!」
その次の瞬間、健司が手にした剣が弓へと姿を変えた。
「I am the bone of my sword.(我が骨子は捻じれ狂う)」
健司が歌うように詠唱を始める。
(ん? 健司の構え方。おかしい)
俺は健司の弓の構え方に疑問を感じた。
空中と言う事もあるのだろうが、基本の構え方になっていない。
しかも矢がぶれている。
これでは的を絞ることはまず不可能。
そう思うと、少しずつ健司の弱点が分かってきた。
剣の構え方、あれも見よう見まねだ。
【さすがだ、真人。敵の弱点を見つけ出したな】
執行人が俺の考えに気付いたのか、称賛の声をかけた。
【お前の思うとおりだ。あいつは戦術で言えば雑魚の範疇だ。ただ力を振りかざすだけで、照準とかは奴のデバイスが修正しているのであろう】
執行人の言葉に、健司は無敵のようにも聞こえる。
しかし、修正をしてるのであれば少しばかりはラグがあるはず。
そこを的確につければ何とか勝てる。
そう思い、俺は前方に防御障壁を展開する。
「シールプロテクション」
【強化】
執行人のサポートも相合って、防御障壁はかなりの堅さになった。
「偽・螺旋剣(カラドボルグ)!!」
そしてドリルのようなものがこちらに向けて放たれた。
「ぐぅぅぅぅぅ!!!」
防御障壁とぶつかり合うが、ものすごい力で、こっちが圧されている。
今はまだいいかもしれないが、このままでは確実に破られる。
【真人! 今展開している防御障壁をうまく使え!!】
執行人から檄が飛んでくる。
(うまく? ………そうか!!)
俺は何を言いたいのかに気付き、それをすぐに実行に移すことにした。
「リフレク、ション!!」
俺がやったのはただ単純に相手の攻撃をそのまま跳ね返すことだった。
俺は何とか猛攻を跳ね返した。
「何!?」
健司は驚きの声を上げる。
そして……
「ぐあああああああ!!!!」
健司は自分の攻撃をもろに食らい、落ちて行った。
その後、シャマルが闇の書の力で結界を破壊し、俺達は解散となった。
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