健康の意識 忍者ブログ

黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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IF-H 第1話 渉の選択

来てしまった。
いや、ここに来るのが嫌な訳ではない。
だが、なんとなく嫌なんだよな。

(絶対のこの前の事で文句を言われる)

そう思った時両肩を掴む人物がいた。
同時に、ものすごいオーラを背後から感じる。

「渉殿?」
「私たちに、何か言う事はないでござる?」

うん、やっぱり怒ってた。
声は穏やかなのに、二人が放つオーラは全く穏やかじゃない!!

「わ、悪かったって。でもあんな状態で寝られるほど、俺は図太い神経はしてないんだ!」
「「……イクジナシ」」

二人は俺に向かって呆れた風に言った。

(二人同時に言わなくても良いだろうに)

俺はため息を一つつくと、後ろを振り向いた。

「二人に頼みがある」
「「た、頼みでござるか!?」」

俺の切り出した言葉に、二人が驚いた様子で叫んだ。
………なぜか頬を赤らめて。

「な、何でござるか? (渉殿の頼み……これってもしかしてデートの誘いでござるか!?)」
「私達に出来る事だったら何でもするでござるよ(デートの誘いでござろうか? でも二人一緒だなんて……複雑でござる)」

(………)

何でだろう、二人の心の声が聞こえてきそうな気がする。
きっと俺の思い違いだろう。
俺も疲れてるのかもしれない。

「魔物関連の事だ」
「「………」」

俺の言葉に、二人の表情が変わった。
決して、がっかりとした表情はしていない。










「なるほど……事情は分かった。ユキカゼ、準備を」
「はい! お館さま」

ロランさんから聞いたことをそのままブリオッシュに告げると、ユキカゼに指示を出した。

「悪い。こういう魔物関連については二人の方がエキスパートだから、頼らせてもらったが、迷惑だったか?」
「まったく。逆にうれしいでござるよ」

ブリオッシュは、微笑みながら答えた。

「嬉しい?」
「うん。だって――「お館さま―! 早く来てください!」――それじゃ、私も失礼するでござるよ。ちょっとだけ待ってて欲しいでござる」

何かを言おうとしたブリオッシュの言葉を遮るように、ユキカゼが早く来るように促すと、ブリオッシュは少しばかり急いだ様子で、屋敷の中に入って行った。
その後、二人が出てくるまで、俺は静かに待つのであった。

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