早速だが、俺は今、非常にピンチを迎えている。
俺は今ブリーフィングルームにいる。
「それじゃ、始めるで」
「はい!」
はやてによって、モニターに映し出された映像は俺とシグナムさんとの模擬戦時のものだ。
あの後、俺ははやて達に説明を求められたのだ。
「まずは、これや」
はやてが止めたのはブレイクイヤー・マルチショットを放つときの映像だ。
「これはブレイクイヤー・マルチショットです。一気に数本を放つ魔法です」
「なるほどな。それじゃ、次や」
俺の問いかけに満足したのか、はやては映像をさらに進めた。
「つぎはここや」
「どうやって姿を消したんですか?」
はやてが止めたのは、俺は姿を消すところだった。
そしてエリオ(彼曰くそう呼んでほしいとのこと)が目を光らせて聞いてきた。
「え、えっとあれはインバインド・カモフラージュと言って自分の姿を消す魔法です。ただ魔力や気配までは消せませんが」
俺は若干引きながら答えて行った。
全員の表情は呆れているのと固まっているのとで半々だ。
「それじゃ、最後や。これの説明をしてくれる?」
「それは悪魔断拳です」
映し出されたのは、僕がシグナムさんに止めを刺そうとしている映像だった。
「何なのそれ?」
首を傾げながらフェイトが訪ねてきた。
「えっと、魔法殺しと言われた技で、相手の防御魔法を貫くことが出来るんです」
「何ともまあ………」
「規格外だな」
俺の答えに、はやて達は呆れながら呟いていた。
そう言われても俺の方が困る。
これは単純に俺の努力の成果なのだから。
しかもこれに見合う代償は支払っている。
まあ、前払いだが。
「えっと、これで以上でしょうか?」
「………そやね。今日の所はこれで終わりや。みんなも訓練に戻ってな」
俺の問いかけに、はやてはしばらく考え込んだのちに、FWメンバーにそう告げた。
はやての言葉に元気よく返事をすると、全員がブリーフィングルームを後にしていった。
そして俺もそれにならい部屋を後にするのであった。
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