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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第3話 挨拶と模擬戦

「それでは、始めるぞ、山本」
「はい。お願いします。シグナム」

今、俺はシグナムと対峙していた。
シグナムの手には彼女の刀型デバイスの『レヴァンティン』がこちらに向けて突きつけられていた。
なぜこんなことになったのか、それはほんの少し前へと遡る。










集合場所に集まった俺達は隊長陣の場所に立つように言われていた。

「えー、本日皆さんに集まってもらったのは、本日付で赴任してきた方を紹介するためです。山本二等空佐と井上一等空尉です。それでは、一言どうぞ」

はやてに呼ばれた俺達は、はやての横に移動した。

「えっと、只今ご紹介に授かりました井上健司です。階級は一等空尉です。若輩者ですが、自分に出来る限りの全力を注ぎ部隊長他皆さんの足手纏いとならぬよう尽力して行きますので、よろしくお願いします!」

最初に挨拶をした健司が頭を下げると、どこからともなく拍手が沸き起こった。

「山本真人です。階級は二等空佐です。階級などは関係なく皆さんと楽しく真剣にやって行きたいと思いますので、よろしくお願いします」

次の俺のあいさつを終え頭を下げると、再び拍手が湧き上がった。

「あまり長くなるとあれなので、これにて解散です」

はやてのその一言で、俺達の一日は幕を開けた。









「まずは、訓練スペースに移動かな?」
「どう考えてもそうだと思うけど」

健司の問いかけに、俺は若干呆れながら答えた。

「あ、あの!」
「ん?」

突然声をかけられた俺は、声のした方に振り向く。
そこにいたのは昨日、俺と戦ったオレンジ色の髪をした少女と青髪の少女だった。

「えっと、君たちは確か……」
「スバル・ナカジマ二等陸士です!」

俺が困惑していると、青髪の少女……ナカジマさんがものすごく大きな声で名前を告げた。

「うっさいわよ! ティアナ・ランスター二等陸士です」

そんな彼女を軽く小突きながら、オレンジ色の髪をした少女……ランスターさんは名前を言った。

「エリオ・モンディアル三等陸士です!」
「同じくキャロ・ル・ルシエ三等陸士であります」

さらにその後ろにいた赤髪の少年……モンディアルとピンク色の髪をした少女……ルシエさんが名前を名乗った。

「俺は井上健司。呼び方は自由でいいぜ」
「同じく山本真人だ。健司と同様、呼び方は好きにして貰っていいよ」

俺と健司は名前を名乗った。

「それじゃ、健司さんと真人さんで!」
「失礼でしょ! 馬鹿スバル」
「いや、君もそう固くならなくていいんだって。俺ってそう言うのが微妙に苦手だからさ」

突然下の名前で呼んだナカジマさんにランスターさんが言うが、俺はそう言ってフォローした。
実際問題、あまり固くされるのは慣れてないのだ。

「あの、そろそろいかないと訓練に遅れるのでは?」
「あ、そうだよ!? みんな急ごう!」

モンディアルの言葉に、俺は慌ててそう言った。

「あ、俺はちょっと用があるから失礼するよ。午後までには戻ってこれるようにするから」
「分かった。頑張ってな」

俺は走って行く健司の後姿にそう言うと、そのまま急いで走った。










「そう言えば、お互いに自己紹介とかはした?」
「あ、はい。先ほど名前の確認をしました」

訓練場に到着した俺達に、なのはが問いかけた。

「それじゃ、訓練を再開する前に山本君には模擬戦をやってっもらいます」
「も、模擬戦ですか!?」

なのはの突然の宣告に俺達フォワードメンバーは、驚いた。

「うん。山本君には私達が相手にする敵の事とか知ってもらいたいし、何よりウォーミングアップには最適だと思ってね」
「………分かりました」

なのはの言葉に、俺はしばらく考えるとそう答えた。

「それじゃ、山本君は訓練スペースに移動してね。フォワードのみんなは見学しようか」
「「「「はい!」」」」

俺はなのはやフォワードメンバーの返事をする声を聴きながら、訓練スペースへと向かうのであった。










廃墟のような場所が立ち並ぶ場所に移動した俺は、なのはからの指示を待っていた。

『それじゃ、山本君、バリアジャケットを展開して』
「分かりました。………クリエイト、セットアップ」

通信でなのはからの指示を聞いて俺はデバイスでもあり相棒でもあるクリエイトに呼びかけた。

『All,right.my master』

俺の呼びかけに反応しバリアジャケットが展開された。
まずは初期装備の剣状態だ。

『それじゃ、準備はいいかな?』
「はい。いつでも」

なのはの問いかけに、俺は頷いて答えた。

『私達がこれから戦わないといけないのは、これ』

なのはの言葉に反応して、目の前に縦長の機械が10機現れた。

『それの名称はガジェトドローン、通称ガジェットで自立行動型の機械だよ。今から山本君はそれを破壊してもらうよ。ここまでで何か質問は?』
「いいえ。ありません」

一通り敵の情報は手に入ったので、俺はそう答えた。

『それでは、レディー・ゴー!』
「っと!?」

なのはの合図と同時に、ガジェットが攻撃してきた。
俺は慌てて避けながら、剣をガジェット一機に向けて振りかぶる。

「刃呪縛!」

剣を振り切るのと同時に放たれた魔法刃は、ガジェットを次々に切り刻んでいく。
そしてそれはすべてのガジェットを破壊した。


★ ★ ★ ★ ★ ★


「すごい……」

私が言えたのはそれだけだった。

「あ、あれがSS+ランクの魔導師の動き何ですか?」
「AMFを展開しているのに、何事もないように動いています」

一緒に見ていたスバルとキャロが、口々に信じられないとばかりに口を開いている。

「うん。それが山本君なんだよ」
「ここ数年で、山本の腕は格段に上がったな」

私達の言葉になのはさんと、様子を見ているシグナムさんが嬉しそうにそう言ってきた。

(やっぱり凡人は私だけか)

私は彼の戦っているのを見ながらそう考えた。


★ ★ ★ ★ ★ ★


『それじゃ、次行くよ。次のはガジェットⅡ型で、主に上空を飛んでいるよ』

続いて現れた10機のガジェットは上空の方を飛んでいた。
今の剣状態は非常に振りだ。

「クリエイト、イヤーフォーム!」
『了解です! イヤーフォームチェンジ!』

俺の指示に、剣型のマテリオが弓型に変わった。

「さあ、一気に片を付けるぞ!」

俺の気合の言葉と同時に一斉砲火が始まった。
俺はそれを華麗にかわしつつ、俺の十八番の攻撃を放つことにした。

「ブレイク・イヤー マルチショット!!」

高々に述べた俺の技名と共にやを放つと、それは15本の矢へと増殖した。
それは寸分くるわず、上空に浮遊するガジェットに命中し、爆発した。

(よし、なんとかなったな)

俺は自分の感触に、ほっと胸を撫で下ろしながら次の敵を待つことにした。


★ ★ ★ ★ ★ ★


「あのガジェットを一撃で……」
「す、すごい」

真人の戦う様子を見たフォワードたちは、すでに固まっている状態だった。

「高町、あいつと一戦構えたいのだが、いいか?」
「え!?」

唐突に切り出したシグナムの言葉に、なのはは驚きをあらわにした。

「何、私も久しぶりにあいつと剣を交えたいだけだ」

シグナムの言葉に、なのはは考え込んだ。
ちなみに、この模擬戦は山本のデータを取るためでもあった。
その指示ははやての物であった。
模擬戦をすれば何かしらかぼろを出す、はやてはそう踏んでいたのだ。
特に魔導師ランクの偽装などはしっかりと出るのだ。

「分かりました。でも、10分間ですよ。危険と判断したらすぐに止めますからね」
「十分だ」

なのはの提示した条件に頷くと、シグナムは訓練スペースへと向かって行った。


★ ★ ★ ★ ★ ★


(これで終わりかな?)

俺はしばらくまったが新たな敵が来る気配はないので、少しだが警戒を解いていた時だった。

「待たせたな」
「し、シグナム!?」

突然上空から現れたのは、シグナム二等空尉。

「山本、10分と言う短い間だが、お前と剣を交えさせてもらおう」
「分かりました。今回は勝たせていただきます!」

俺の答えに、「その心意気だ」と笑いながら言うと剣型のデバイス『レヴァンティン』をこっちに向けて構えた。

(突然すぎてあれだけど、自分の器量を図るには良い機会かな)

俺は昔、シグナムに勝ったためしが一度もないのだ。
だからこそ、自然と弓を掴む手も強くなる。

「それでは、始めるぞ、山本」
「はい。お願いします。シグナム」

シグナムの言葉に、俺は軽く会釈をしながら答えた。
そして俺とシグナムさんとの戦いが幕を開けたのであった。

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