「ん……あ、れ?」
俺が目を覚ますと、そこは俺の部屋だった。
(俺さっきまで公園の方で戦っていたような……)
【目が覚めたか】
【え、あ、ああ】
【……そうか】
執行人の声に、なぜか覇気がなかった。
【あ、もしかして俺をここまで運んでくれたのはお前か?】
【ああ……そうだ】
やはりどことなく元気がない。
これは聞くべきなのだろうか?
【一体どうしたんだ?なんか声には気がないぞ?】
【……すまなかった】
俺の問いかけに、突然執行人が謝ってきた。
あのいつも皮肉しか言わない執行人がだ。
【……その認識には誤解があるが。僕はサポート役失格だ】
【………何があったんだ?】
【なぜかお前の体を僕が乗っ取って、挙句の果てに魔力を3%蒐集されてしまった】
執行人の言葉に、俺は何も言えなかった。
【乗っ取ったって……どういう事なんだ?】
【僕のようなサポート要員は、マスターとの相性……考えていることや思っていることが一緒になった時、肉体を共有する効果があるんだ。これをフィジカルシェアリングと呼んでいる】
【……肉体共有】
俺はいまさらなので、もう驚かないが。
まとめると、あの時俺と執行人の考えていることや相性が、最高潮に達して肉体共有が発動したらしい。
そして魔力を奪われてしまったという事らしい。
【情けねえな。あんなに偉そうなことを言っておいて、こんなざまとは】
【だ、だけどさ……執行人の強さって俺のに比例するんだろ!? だったらただの俺の力不足なんじゃ】
慌てて俺が否定する。
全く持って執行人に似合わない感じだった。
【確かにそうだ。だがそれはあくまで”力”の部分だ。それ以外の戦略はすべて元の状態だ。………魔力値だけで言えば僕の次になるほどの量だ。そのことに油断していたのかもしれないな】
執行人は最後に、鍛え直さなければと呟いた。
【さて、此度の戦い。なかなか良かったぞ、ようやく上達したな。これからは少しではあるが特訓の量を下げるとしよう】
【いぃよっしゃあああ!!!】
執行人の評価を聞いた俺は、今までの空気はどこへやら、思いっきり喜んだ。
なんせあのきつい特訓が、少しではあるが量が下がるのだ。
【ところで、だ】
【どうしたんだ?いきなり】
突然声のトーンを下げた執行人に俺は先を促した。
【いや、教室で強力な魔力反応を3人分感知したと言うことを伝えようと思ってな】
【三人!? そ、それが誰なのかわかるか?】
俺のクラスに、俺と同じ魔法使いがいたとは……
【一人はお前の横にいたやつ。もう一人はこの間転校してきた少女。そして昼休みの時、お前と親しげに話していた男だ】
(それって、完全になのはとフェイトじゃないか)
この数日間で、テスタロッサさんの事をフェイトと呼ぶようになった。
これは本人に頼まれたことだ。
一応、誤解のないように言っておく。
【それじゃ、あと一人って……まさか】
俺は男と言われて一人の友人の顔を思い浮かべた。
青髪で、目元がぱっちりとしている少年。
俺とは逆の性格で、とても明るい。
【健司が、魔法使いだなんて】
【なるほど、健司と言ったか。どう思おうと自由だが、真実は変わらない。それだけは覚えておけ。いいな?】
執行人の言葉に、俺は頷くことしかできなかった。
そして俺は眠りにつくのであった。
★ ★ ★ ★ ★ ★
とある場所で、襲撃者たちが話していた。
「何とか危機一髪だったわね」
「ああ」
「助かった」
彼女たちの脳裏にあるのは、一人の少年と魔法だ。
まるで人が変わったように動き、そして強力な収束魔法を展開する。
その技量は、かなりの腕であると知らせていた。
(あの少年と同じく、あいつも戦いになれている)
ピンク色の髪をし女性が思い浮かべるは、青髪の少年と真人の姿だった。
女性は、この二名に苦戦を強いられたのだ。
(いや、あの黒髪の少年が一枚上手だな)
女性はそう思って撤回した。
青髪の少年は、力任せだったにもかかわらず、真人の場合は多少の戦略を使っている。
(どちらにしても、警戒せねばな)
女性の思いとは関係なく、時間は流れていく。
★ ★ ★ ★ ★ ★
「ふふふ……」
俺は、嬉しくて笑っていた。
なぜなら、あの、リリカルなのはの世界に転生できたからだ!!
俺は大学生だった。
いつものように通学していたら、突然俺は周りが白い空間に立っていた。
なんなのかが分からずにいると、突然神様を名乗る奴が現れたんだ。
そいつが言うには、間違えて俺を殺してしまったらしい。
お詫びにと言うことで、チートな能力をもらってこのアニメの世界に転生させてもらったのだ。
その時に、何か注意されたような気がしたが、まあいいだろう。
だって、この世界で俺が一番強いのだから。
なんせ俺には、Fateのアーチャーの能力が備わってるんだし。
これなら、超絶ハーレム間違いなしだ。
(まあ、変な邪魔もんがいるけど、関係はないな)
そのために、俺は親友を装って近づいてたんだ。
親友であれば、多少は気を許すだろう。
「さぁて! さくさくとやっちゃいますかね!!」
全ては、俺のハーレム計画のために!!
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