健康の意識 忍者ブログ

黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第2話 襲撃

12月3日



寝起きの俺を襲ったのは、突然の動悸だった。

(なんだろう……この嫌な感じは)

俺はそれに少しだけ胸騒ぎを感じるのだった。










「おはよう、真人君」
「あ、ああ……おはよう」

学校で、いつものように声をかけてきたなのはだが、それはいつもと何かが違った。
それがなんなのかは分からないが、どこか無理をしているような感じだった。

「大丈夫か?」
「え?! な、なにが?」

俺の言葉に、なのはが一瞬慌てた。

「いや、なんか元気がないように見えたからさ。具合が悪ければ休んだ方がいいぞ?」
「だ、大丈夫だよ!! 私元気だから」

そういいながらなのはは両手を上げて元気だということをアピールしている。

「そ、そう? ならいいんだけど……」

俺はこれ以上聞いても無駄だと思い、切り上げることにした。
これが俺が初めて感じた些細な日常の異変だった。










夕方
借りた本を返し、違う本を借りるために図書館へと寄った。

「うーん、何かいい本はないのかな?」

俺は図書館の中を歩いて面白そうな本がないかどうかを探す。
しかし、なかなか見つからない。
そんな時だった。

「うーん、届かへん」
「ん?」

見れば車いすに座っている俺と同年代の、栗色のショートヘアの少女が高いところにある本を取ろうとしていた。
人が困っているところを見ると放っておけない性分なので、俺は少女の近くに異動すると、本を一冊取った。

「これがほしいのかな?」
「え?あ、はい。ありがとうございます」

本を差し出した俺に驚いた様子でお礼を言った。

「他にも取ってほしい本とかあったら遠慮しないで言って。ついでだし」
「あ、それじゃお願いします」

妙にイントネーションが変なことから、彼女はおそらく関西人だろう。
こうして俺達は少女の取りたい本を取るために歩くのであった。





一通り本を取り終えた俺達は、本を読む場所に座っていた。

「さっきは助けて頂きありがとうございます」
「いや、別についでだから。と言うよりもすごい量だな」

俺はテーブルに積み上げられている本を見る。
有に20は超えている。

「あはは、うち本読むのが好きなんです」
「そう。俺も好きだぞ。今日も本を借りるために来たわけだし」
「そうなん?」

俺の言葉に、少女は聞き返す。

「あ、うち八神はやてと言います」
「俺は山本真人。よろしくね、八神さん」

自己紹介がまだだったのを思い出したのか、八神さんが自己紹介をした。

「はやてでええよ。そだ! 真人君の本をうちが選んであげる」
「え? あ、ちょっと八神さん!?」

俺はなすがままに、八神さんに引っ張られていった。










「本、ありがとね八神さん」

俺は再びテーブルに目をやる。
SF系の本がいいと言ったら5,6冊選んでくれた。

「ええって、本のお礼やし。それより、うちのことは”はやてでええよ”」
「わ、分かったよ。はやて」
「うん♪」

なぜかはやては上機嫌に返事をした。

「あ、はやてちゃん、ここにいたんですか?」

ふいに聞こえてきた女性の声に俺は声のした方を見る。

「あ、シャマル!」

シャマルと言われた女性は金色のショートヘアが特徴の女性だった。

(はやてのお姉さんか?)

「あ、この人は、うちの親せきでシャマルと言うんよ」
「山本真人です」

俺はとりあえず名前を言う事にした。

「シャマル、この人はなうちが本を取れなくて困っている時に、助けてくれたんよ」
「そうですか。私はシャマルです。はやてちゃんを助けてくれてありがとね」
「いえいえ、当然のことをしただけですから」

俺の返事にはやてとシャマルさんはくすくすと笑うと、そのまま去って行った。

(不思議な人たちだったな)

内心でそう思いながら。
そして俺も図書館を後にするのだった。











今日も俺は自室で本を読んでいた。
言い忘れたが、俺の両親は共働きだ。
とはいっても夕食は家族全員でするし、ちゃんと帰ってくるので、大して気にはしていないが。
たまに父さんたちが帰ってこないことがある。
そう、今日がたまたまその日だったのだ。

「お、もうそろそろ寝ようかな」

そして俺はいつものように、ベッドにもぐりこみ、寝るのだった。
これで今日という平凡で、刺激のない1日が終わりを迎える。


――はずだった。


★ ★ ★ ★ ★ ★


とある場所にて、一人の少女が上空に立っていた。

「この辺か?」
【うん、そこの近くに強力な魔力反応があるの。それを収集できれば2,300頁は稼げるわ!!】
「分かった」

少女がそう答えるのと同時に、赤色の魔法陣が展開される。

「封鎖領域、展開」

その瞬間、あたりの世界は一変した。


★ ★ ★ ★ ★ ★


「ん?!」

眠りに落ちてどのくらいたったのかは全く分からない。
突然の違和感に俺は目を覚ました。

「……?」

まだ目が覚めていないからなのか、それとも違和感が気付きにくいからなのか、俺は何がおかしいのかが分からない。

「でも、普通なわけではないんだよな」

俺はベッドから出て明かりをつける。
別段不自然なところはない。

「あれ? 何かが違うような……」

明かりをつけた時、俺はさらなる違和感を感じた。

「……気のせいかな?」

俺はそう決めることにした。

「とりあえず父さんたちに電話しよう」

俺はそう考えると、父さん達が帰ってきているかを確認するために、玄関へと向かった。





「靴がないということは、父さんたちはまだ仕事かな?」

靴がないのを確認した俺は、電話をかけるためにリビングに向かった。

「えっと番号番号は」

俺は父さんの携帯の番号に電話をかけることにした。
その方がいいと思ったからだ。

「あれ?」

番号を押したのにもかかわらず、なぜかつながらないのだ。
番号が間違っているわけでもない。

「一体何がどうなってるんだ?」

俺はなぜか無性に恐ろしくなった。

「とりあえずここから逃げた方がいいかも」

俺の直感が告げていた
このままここにいたら危ないと。

「そうだ!」

俺はあることを思いつき、自室に戻って弓矢を持ち出した。
これでも俺は昔、地区大会で準優勝の成績を残しているのだ。
だから少しばかり弓矢の腕に自信があるのだ。

「さて、行きますか」

俺は矢を50本(競技用なので、殺傷能力はない)が入った入れ物を背負うと家を飛び出した。










「それにしても何だか静かで不気味だよな……」

俺は今オフィス街を歩いていた。
聞こえるのは風の音だけ。
それ以外の音は聞こえなかった。

(そうか!! 違和感の正体はこれだったんだ!!)

そこで俺は気付いた。
静かすぎるのだ。
出る前に見ると時間は午後10時。
人はいなくとも、車の一台でも通っていてもおかしくはない。
しかし車は通っていない。
だが明かりはついている。

(そういえば周りの色もおかしい)

よくよく見ればわずかに色が変だ。
まるで何かを通してみているかのようなくらいに、白い家だったものが黄色っぽくなっていたのだ。
つまり、これから言えることは……。

「ここは俺の知っている世界じゃない……という事か」

なぜ今まで気づかなかったんだという後悔をしつつも結論を出す。
だとしたら電話が繋がらないことも、納得がいく。

「とりあえず、歩いていけば抜け出せるか」

俺はそう考えるとそのまま歩き出した。










「見つけたぞ!!」
「え?」

しばらく歩き商店街のような場所に出た時、俺は背後から突然かけられた声に慌てて振り返った。
そこにいたのは赤いゴスロリのような服に身を包んだ少女だった。
本当ならようやく人に合えたことの嬉しさで駆け寄るところだが、俺の体が動かない。
それどころか俺の中で危険信号を発している。
逃げろ!
逃げろ!!
逃げろッ!!!
そして俺は少女の持つそれを見た。

「あ……あれって……」

それはハンマーだった。

「こ、これはお前の仕業か!!!」
「んなもん関係ねえ。あたしはてめぇのリンカーコアを、蒐集すればそれで十分だ」

少女の言葉に俺は混乱する。

(なんだよリンカーなんとかと、蒐集って)

俺が混乱している時だった。

「ッ!!?」

俺は不穏な気を感じ、横に避けた
その次の瞬間、轟音がしたかと思えば俺が今まで立っていた場所に、”何か”が命中した。

「へえ、あたしの攻撃を避けるなんてやるじゃねえか」
「な、な、な」

俺は体が震えた。
今のは目の前にいる少女が放ったのか?
あり得ない! 信じられない!!
そのような感情が頭の中を占める。
夢じゃないかとも思う。
これは夢で起きれば新しい朝がやってくる
でも、焦げたような匂いと、辺りに立ち込める何かがそれを否定する。

「抵抗しなければ無傷で返す」
「く、来るな!!」

俺は怖くなり、とっさに背中に背負っていた弓矢を少女に構える。

「なんだ、やる気か?」

恐怖のあまりに手が震える。
だが俺は根性で矢を引いた。

(一瞬でもいい、逃げる隙が出来れば!!)

俺はそれを放ってどこかに隠れようと考えていた。

「はぁ!!!」

そして俺は矢を射た。
その矢はまっすぐに少女に向かって

「フン!」

行かなかった。
ハンマーで思いっきりはじかれてしまった。

「この!! この!! このぉ!!!!」

俺は無我夢中で矢を射た。

「だから無駄だ……くぅ!?」

どうやら俺が射た矢の一つが少女に命中したらしい。

(よし今だ!!)

そして俺は一目散に逃げ出した。
そして適当な路地に入ろうとした瞬間、体に一瞬痛みが走ったかと思うと、俺の体は意志とは関係なくそのまま地面に倒れた。

(な、なんで!?)

俺は突然の事態に何も理解できなかった。

「てりゃああああ!!!」
「がぁああああ!!!?」

考える間もなく、俺は少女の叫び声と同時に伝わった衝撃で吹っ飛ばされた。

「あ……ぐぅ!?」

どこかの壁にぶつかったのか、背中が痛かった。
そして俺は見てしまった。
自分の体に開いた4つの穴を。
疑問が頭の中をぐるぐる駆け巡っている中、唯一分かったことは

(あぁ、俺死ぬんだな)

そのことだけだった。
少しずつ意識が遠のいていく。

「な!? てめぇ、魔導師じゃねえのかよ!!」

そんな中少女の慌てるような声を、聞いたような気がした。
そして俺の意識は闇に落ちて行った。










なぜ?
そんな疑問を思う時間が残っていたようだ。
俺はただ自然に生活をして幸せに過ごしていたはず。
それなのに、なぜおれは死ななければいけなかったんだ?
なんでこんなことになってしまったのか?

―お主は知りたいのか?ー

声が聞こえたような気がした。

だから俺は答えた。

”ああ、知りたい”と

―左様か、ではこれより試験を始めるー

”試験?一体なんのだ?”

聞こえてきた声に俺は疑問を投げかける。

―良い結果を待っているぞー

俺の疑問に答えずに声はそう告げると、今度こそ俺の意識は闇に落ちて行った。


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