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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第11話 夕暮れ時に現れる者(前)

暁美さんと別れた足で、俺はまどかに連れて行かれる形であるアパートの入り口に来ていた。
彼女の話だとさやかの部屋があるらしい。
そしてしばらくして、入り口からさやかが出てきた。

「まどか?それに渉まで」
「よ!」
「さやかちゃん、これから、その……」
「そ、悪い魔女を探してパトロール。これも正義の味方の勤めだからね」

まどかの問いかけに、さやかは笑いながら答えた。

「一人で…平気なの?」
「平気平気。マミさんだってそうして来たんだし。後輩として、それぐらいはね」
「あのね、私、何もできないし、足手まといにしかならないってわかってるんだけど。でも、邪魔にならないところまででいいの。行けるところまで一緒に連れてってもらえたらって」

手にしてあるバッグを落としてまで必死にさやかに決意を告げていた。

「………」
「………」

お互いに無言で緊張感が漂う中、俺はさやかの答えを待った。

「頑張り過ぎじゃない?」
「ごめん……ダメだよね、迷惑だってのはわかってたの」
「ううん。すっごく嬉しい」

さやかはそう言うと、まどかの手を握った。

「ねえ分かる?手が震えちゃってさ。さっきから止まらないの。情けないよね。もう魔法少女だってのに、一人だと心細いなんてさ」
「さやかちゃん……」

さやかの言葉に、まどかが心配そうに名前を言う。

「邪魔なんかじゃない。すごく嬉しい。誰かが一緒にいてくれるだけで、すっごく心強いよ。それこそ百人力って感じ」
「私……」
「必ず守るよ。だから安心して私の後についてきて。今まで見たいに、一緒に魔女をやっつけよう」
「うん」

(……とりあえずは、大丈夫……かな)

さやかの決意を聞いてひとまずは安心した。
彼女が巴さんのような馬鹿だったらどうしようかと思ったので、そうではなくてよかった。

「危険は承知の上なんだね?」
「あたしバカだから、一人だと無茶なでたらめやらかしかねないし。まどかもいるんだって肝に銘じてれば、それだけ慎重になれると思う」

キュウベぇの言葉にさやかは歩きながら答える。

「そっか。うん、考えがあっての事ならいいんだ」
「キュゥべえ?」

まどかはキュウベぇの方を見た。

【君にも君の考えがあるんだろう?まどか。さやかを守りたい君の気持ちは分かる。実際、君が隣に居てくれるだけで、最悪の事態に備えた切り札を一つだけ用意できるしね】
「………」

キュウベぇのテレパシーに俺は無言で考えた。

(今のは間接的に契約させようとしてるよな?)

【私は……】
【今は何も言わなくていい。さやかもきっと反対するだろうし。ただ、もし君が心を決める時が来たら、僕の準備は、いつでも整ってるからね】
【うん……】
「ここだ」

しばらく歩き続けると、下に続く階段の所でソウルジェムが眩い位に輝いていた。
すると次の瞬間、結界が展開された。

「この結界は、多分魔女じゃなくて使い魔のものだね」
「楽に越した事ないよ。こちとらまだ初心者なんだし」

キュウベぇの言葉にさやかはそう言いながら階段を下りていく。

「油断は禁物だよ」
「分かってる」
「まあ何かあったら巴さんの時のように、微力ながらサポートさせてもらうよ」
「うん。ありがとう?」

いや、なぜに疑問形だ?
その時だった。

ゾクッ!!

「あっ」
「ブーン、ブーン」

俺達の上空に、電車のようなものに乗った子供のような使い魔が現れた。

「あれが」

使い魔はそのままどこかに行こうとする。

「逃げるよ」
「任せて!」

さやかはそう言うと、変身した。
前の時はよく見れなかったが、その服は、青を基調としたドレスのようなものだった。
そして自分の体をマントで包むと、複数の剣を召喚した。
そしてそれを使い魔に向けて放り投げた。
二本の剣が使い魔の行く手を塞ぎ、残った剣が使い魔に突き刺さろうとした時だった。
突然現れた何かの武器によって剣が弾かれた。
止めを刺せなかった使い魔は、そのまま逃げて行った。
そして降り立ったのは赤いドレスのようなものを着て、後ろで束ねられた赤髪の少女だった。
その手には武器である長めの槍が握られていた。

「ちょっとちょっと。何やってんのさ、アンタたち」
「逃がしちゃう」

結界が閉じようとする中、まどかがそう告げてさやかが走り出す。
だが……

「見てわかんないの?ありゃ魔女じゃなくて使い魔だよ。グリーフシードを持ってるわけないじゃん」

赤い髪の少女はさやかの喉元に槍を突き付け言い放った。

「だって、あれほっといたら誰かが殺されるのよ?」

なぜかたい焼きを食べながらそう言い放つ。

「だからさぁ、4~5人ばかり食って魔女になるまで待てっての。そうすりゃちゃんとグリーフシードも孕むんだからさ。アンタ、卵産む前の鶏シメてどうすんのさ」

赤い髪の少女はそう言いながらさやかに突き付けた槍を元に戻した。

「な……魔女に襲われる人たちを……あんた、見殺しにするって言うの?」
「………」

俺は嫌な予感を感じたため2,3m下がった。

「アンタさぁ、何か大元から勘違いしてんじゃない?食物連鎖って知ってる?学校で習ったよねぇ、弱い人間を魔女が食う。その魔女をアタシたちが食う。これが当たり前のルールでしょ、そういう強さの順番なんだから」

赤い少女はさやかの元に迫り、さやかは背後へと下がって行く。
そこは俺のいる方向だった。

(お願いだから厄介ごとには巻き込まないでくれよ)

その時だった。

「なっ!!?」

俺の横に、区切りが展開された。
つまり俺は危険区域に閉じ込められたのだ。

「そんな……」
「おいおい、マジかよ」

俺は自分の運のなさを恨んだ。

「あんたは」
「まさかとは思うけど。やれ人助けだの正義だの、その手のおチャラケた冗談かますために……アイツと契約したわけじゃないよね?アンタ」

赤い少女のいう事は正しい。
この世界は正義だけでは成り立たない。
正義と言う単語は、俺が二番目に嫌いな言葉でもある。
だからと言って、彼女のやり方は肯定できないが。

「だったら、何だって言うのよ!」

さやかはそう叫び赤い少女を切ろうと剣を振り上げる。
だが、地面に突き刺された槍の棒に阻まれる。

「ちょっとさ、やめてくれない?」

赤い髪の少女は余裕そうな表情でそう呟く。

(剣の力加減がおかしい。あれじゃいくらなんでも押し切れない)

「遊び半分で首突っ込まれるのってさ、ホントムカつくんだわ」

赤い髪の少女はそう言うと、槍を強く押してさやかを後ろに吹き飛ばすと、槍の形を楔状に変えた。

「うわああ!!」
「さやかちゃん!!」

それは複雑に渦巻くとさやかを跳ね飛ばした。

「のわぁ!?」

それはこっちにもやって来て、危うく当たりそうになる。

「あぶねぇだろ!!!」

俺の怒鳴り声にも、まったく反応しない。

「ふん、トーシロが。ちっとは頭冷やせっての」

赤い髪の少女はそう言ってさやかに背を向ける。
だが、さやかはゆっくりとだが立ち上がろうとする。

「おっかしいなぁ。全治3ヶ月ってぐらいにはかましてやったはずなんだけど」
「さやかちゃん、平気なの?」

まどかがキュウベぇに聞く。

「彼女は癒しの祈りを契約にして魔法少女になったからね。ダメージの回復力は人一倍だ」

俺はその説明に納得がいった。

「誰が……あんたなんかに。あんたみたいな奴がいるから、マミさんは!!」
「ウゼェ。超ウゼェ」

さやかの言葉に赤い髪の少女は槍を再び構える。

「つうか何。そもそも口の利き方がなってないよね。先輩に向かってさぁ」

さやかの足元には、青い五線譜が浮き出ている。

「黙れえええ!!!」

さやかが剣を振り上げる。
それが始まりだった。

「チャラチャラ踊ってんじゃねぇよウスノロ!」

さやかの剣を槍でうまくいなし、時には攻撃に転じさらには槍を楔状に変える。

「さやかちゃん!!」
「まどか、近づいたら危険だ」

いや、今その危険な場所に俺はいるんだけど!?

「うわああ!」

そしてさやかは楔状の槍にまきつかれ、壁際に放り投げられた。

「言って聞かせてわからねえ、殴ってもわからねえバカとなりゃあ…後は殺しちゃうしかないよねッ!?」

赤い髪の少女はそう言ってさやかの方へと迫る。

「ッ!?」

その瞬間、さやかの剣の先が赤い髪の少女の槍の先とぶつかり合う。

「負けない。負けるもんかあ!」

さやかは剣を押しやる。
さやかは赤い髪の少女を切りつけようとするが、彼女は上空へと舞い上がった。
そして、上空からさやかにめがけて、槍を振り下ろす。
その衝撃で、地面が得くれるが、さやかは少しばかり後ろに追いやられただけだった。
さやかは赤い髪の少女に迫る。

「どうして?ねえ、どうして?魔女じゃないのに。どうして味方同士で戦わなきゃならないの?」
「どうしようもない。お互い譲る気なんてまるでないよ」

それを見ていたまどかの言葉に、キュウベぇが答えた。

「お願い、キュゥべえ、渉君、やめさせて。こんなのってないよ」
「僕にはどうしようもない」
「だったら俺が何とかしようか?」
「え!?」

俺の言葉に、まどかが声を上げた。

「なんとかできるの!?」
「ああ、もちろんだ。逆にあの少女をぶちのめすことだってな」
「それじゃ――――」

俺はまどかの言葉を区切った。

「ただとは言わせないぜ?」
「え……」

俺の言葉に絶望交じりの声を出す。

「当り前だ。かなり危険な状況だ。そんなところにただで行くやつはあるか」

俺はそう言って、報酬を何にしようか考えた。

「イチゴのショートケーキを一個おごる。それでどうだ?」

俺が掲示した条件はそれだった。

「分かった」

俺の条件にまどかが頷いた。

「よし、契約成立!!!」

俺はそう答え、手元のバックから神剣を取り出した。
俺はこの時を待っていたのだ。

「終わりだよ」

さやかたちの状況を見れば、少女の槍によってさやかが地面に倒され飛び上がっていた。
おそらくあの槍でさやかを貫くのだろう。
俺は地面を思いっきり蹴る。
距離にして約70m。
さやかを貫くまでの残り時間は、約4秒。
普通では間に合わない。

「そんなこと、この俺には……」

俺はさやかの前に回り込み二本の神剣を交差させる。

「関係ねえ!!!!」

カキン!!

その次の瞬間、交差した神剣から衝撃が伝わった。

「なっ!!?」
「え?」

俺が顔を振り上げると、そこには槍を突き刺そうとする驚いた様子の赤い髪の少女の姿があった。

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