健康の意識 忍者ブログ

黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

第4話 特訓

「いつッ!?」

俺の目覚めは鋭い頭の痛みだった。

「何だよ……」

寝ぼけ眼をこすりながら起き上がると、時間を確認する。
時刻は朝の5時20分。

「何時もより早く起きちゃった」

何時も起きる時間の40分前に起きた俺は、もう一度眠りにつくべくベッドに横にな――――

「いったぁ!?」

――れなかった。
再び頭に鋭い痛みが走る。
しかもさっきよりも痛い。
ふと気になった俺は、気配のする方へと視線を向けた。
辺りは真っ暗で何も見えなかったが、俺には分かった。
俺が横になっているベッドのすぐ横にいる人物の存在を。

「し、師匠!?」
「20分も寝坊して、挙句の果てには二度寝をしようとは……これは少しばかり痛い目を見て貰わないといけないようだなぁ?」

今辺りが暗くて助かった。
もし明るかったら、師匠の怒りに染まった顔を見たことになっただろう。
声を聴いただけでも卒倒するのに、顔まで見たらどうなるかと思うと、俺は震えあがった。

「ご、ごめんなさい! すぐに着替えて下に降ります!!」
「魔法を使ったりする際の服を机の上に置いておいた。5分以内に着込んでリビングに来い」

俺の必死の謝罪に、師匠はため息を漏らすとそう告げて部屋から去って行った。

「服?」

俺は部屋の明かりをつけると、机の方に目を向けた。
そこには黒ずくめの洋服が一式用意されていた。
丁寧に畳まれていた服を広げてみる。
パッと見スーツのようにも見えるそれは、とにかく”黒”だった。
蝶ネクタイのようなものだけが赤色と言う服装で、さらにマントまで用意されていた。
まるでどこかの魔王が着るような服だ。

「っと、早くしないと」

既に2分が経過しているのに気づいた俺は、慌てて用意された服に身を包んだ。

(意外にサイズはぴったりだな)

どこで調べたのかは分からないが、袖口などのサイズがぴったりだったことに、俺はこの服を仕立てた人の事が気になった。

「って、やば?!」

あと1分という残り時間に、俺は慌てて自室を後にするのであった。










「5分以内にとは言ったが、誰も5分ちょうどに来いとは言ってないぞ?」
「す、すみませんでした!」

呆れたような眼差しで俺に声をかける師匠に、俺は慌てて頭を下げた。

「まあいい」

ため息を漏らしながら師匠は俺に何かを投げ渡してきた。

「これは?」

投げ渡された物をうまくキャッチしながら、その物が意図することを聞いた。

「木刀だが?」
「いや、それは分かってます。これを渡した理由が知りたいだけです」

『何を聞いているんだ?』と言いたげな表情で答える師匠に、俺は更に詳しく聞くことにした。

「理由って……素振りをするために決まってるじゃないか」
「ええっと……魔法の練習をするんじゃなかったのか?」
「なに甘っちょろいことを言ってる。そんなものお前にはまだ早い」

師匠の言葉に、思わず口から出た言葉を、師匠は一刀両断で切り捨てた。

「どういう事です?」
「魔法等を使う際の反動はかなりのものだ。それ故、足腰がある程度しっかりしてなければ魔法を撃った瞬間、自分が吹き飛ばされる」

俺の疑問に、浩介は説明を始めた。

「魔法の反動は、発射速度、威力、魔法の種類に応じて高まっていく。今のままでは、自爆して赤っ恥をかくことになるぞ?」

俺は、想像してみた。
攻撃魔法を使ったが、その反動で吹き飛ばされて、俺は気絶していたとする。
阿久津はどう反応するだろうか?

「クハハハッ! モブ野郎自爆しやがった! はっ! かわいそうだから止めは刺さないでやるぜ? 感謝するんだな」
「………」

阿久津の小馬鹿にした笑い声を想像した俺は、はらわたが煮えくり返りそうになった。

「……筋力を高めることは非常に効果がある。攻撃パフォーマンスの向上や攻撃力の上昇、さらには移動速度のアップやノックバックの耐性がついたり等々、きりがないほどの恩益がある。今日は時間がないから素振りを、明日はランニング明後日はボクシング……といった感じでやって行く」
「…………」

師匠の口から出た特訓メニューに改めて、先は長いなと思った瞬間だった。

(まるでスポーツ選手みたい)

心の中でそう呟くのも、仕方がないだろう。

「それでは、今から朝食まで休まず素振りだ。これから基本の型を教えていくから、まずはそれに馴染め」
「はいっ!」

その後、俺は師匠に素振りで使う剣道の基本の型を教えてもらい、朝食までの数十分俺は素ぶりをするのであった。

拍手[0回]

PR

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

カウンター

カレンダー

03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

最新CM

[03/25 イヴァ]
[01/14 イヴァ]
[10/07 NONAME]
[10/06 ペンネーム不詳。場合によっては明かします。]
[08/28 TR]

ブログ内検索

バーコード

コガネモチ

P R