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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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IF-H 第12話 退治の夜

「時に貴様。食事は済ませたか?」
「ううん。まだ」
「向こうに露店が出ている。食べに行くか?」
「え? うわぁ、いいね! 食べに行こうか」

そんなシンクとエクレールのやり取りが聞こえる。
今俺達はユキカゼとリコと共に、木の陰から二人の様子を見ていた。
いや、俺の場合は無理矢理だが。

「ほほぅ、これは興味深げな展開でありますよ」
「ごじゃる」

リコの言葉に、食べ物を食べながらユキカゼが相槌を打つ。
そして二人について行く形で俺達も移動する。
露店の影の方で二人は、シンク達の様子を覗き見ていた。

「エクレが男の人を食事に誘えるようになるとは! リコッタ感激であります!」
「雰囲気も悪くないでござるよ~」
「はぁ……」

二人の言葉を聞きながら、俺はため息をつくと後ろを向いた。
覗き見るのはあまり好きではない。
そんな時、ジェノワーズの三人が近づいてくるのが見えた。

「よぉし、そこでござる。もっと、ぐぐっとぉ」
「ぐ~ッとぉ」

二人の背後に近づいた三人は、ユキカゼ達の肩を叩く。

「ん?」
「お?」

叩かれたことに気付いた二人は、後ろを振り返る。

「はぁい!」
「お二人揃って何されてるんですか?」

クラフティとファーブルタンが二人に声をかけた。
そんな時、ガウルの声がする。

「よぅ! シンク、たれ耳!」
「………む」

声のした方向には、ガウルがエクレールとシンクが座っている場所に向かって行く姿が見えた。
その後、合流した俺達は、色々な食べ物を用意して少し離れた場所にシートを引くと、そこで食事をとることとなった。

「しっかしおめえら、二人して大した活躍をしやがったな」
「いえ」
「まあ、色々ありました」

骨付き肉を豪快に頬張るガウルの言葉に、エクレールとシンクが答えた。

「それに魔物騒動と会見の後、うちの姉上、つきものが落ちたみたいにさっぱりしてしまってな。詳しい事情は聞いてねえけど、後で俺にも教えてくれるってさ」
「そうなんだ」

ガウルの声に、シンクが相槌を返す。

「後、バーナードに聞いたんだけど、戦興業も元のペースに戻すらしいぜ」
「それは何より」

ガウルの知らせに、エクレールが喜びながら答えた。

「戦も終わってごたごたも片付いて」
「魔物も退治されて」
「ビスコッティとガレット領国に再び平和がってことで」

クラフティとヴィノカカオ、ファーブルタンの順にまとめて行った。
………料理を頬張りながらだが。

「そうなれば何よりでござるな」
「ホントであります」

そしてユキカゼとリコッタもそれに続いた。

「戦は中途半端に終わっちまったが、結果よければすべてよしだ」
「だね、ほんとによかった」

そして、俺達は笑いあった。

(ホントに良かった。ホントに)

その光景を見ているだけで、そう思えてしまう。
失ったものもあるが、それ以上に今この光景は価値のあるものだった。

「あ、そうだ渉。ココナプッカ食べる?」
「は?」

何かの料理の名前だろうが、少しばかり意味が分からなかった。
そんな時、リコッタが不意に立ち上がった。

「リコ、どうかしたか?」
「ああ、学院のみんなが緊急で連絡が欲しいとのことで」

エクレールの問いかけに、リコッタはどこか影を落としたような表情で答えた。

「あら」
「勇者さま、ガウル殿下。自分はちょっと野暮用で出るであります」
「はーい」
「おぉ、行って来い!」

リコッタの言葉に、シンクとガウルは快く送り出す。

「………」

だが、俺にはそれが嘘であると言う事が分かった。
どことなく表情が曇っていた。
おそらくは手にしている巻物が原因だろう。
その後、俺達は姫君の臨時ライブを見るのであった。

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