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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第10話 予兆

それは本当に不思議な事だった。
この俺様がモブ程度の者に追い詰められたことでもあるが、もう一つある。

「さすがだ。だが次はそうはいか――」

俺様が本気を出そうとした瞬間、モブは今までのとは想像が出来ない速さで俺様に向かって迫ってきた。
俺様は返り討ちにしてやろうと思ったが、モブの狙いは違った。
俺様の真後ろだった。

「なッ!?」

俺様は正直驚いた。
相手が闇の書の守護騎士、ヴィータだということもだが、それ以前に気配を感じ取ることが出来なかったことだ。
この俺様は最強だ。
どんな奴にも気配を感じ取れたこの俺様がまさか不意打ちを許してしまうとは。

『お前が最強? 思い上がりも甚だしい』

ふとよぎるあの根暗の言葉。

(なるほど、そう言う事かよ)

俺様はようやくあの根暗の言っていた意味が分かった。

「テメェ、何者だ!」

俺様の後ろに立ちはだかったモブに、ヴィータが声を荒げる

「……」

モブはそれに答えない。
まさか気絶でもしてるのか?

「まあいい。テメェらのリンカーコア。貰っていく!」

(ヤレヤレ)

「しょうがねえな。この俺様も助けてやるぜ」

俺様は、モブの前に立つ。
うん、俺様かっこいい。

「小僧と同意見なのは癪だが、僕も応じよう」

根暗も俺様の横に立つ。

「行くぜ!」

そして俺様は一気に駆け出す。
俺様の攻撃の際に出来た隙を埋めるように、根暗は攻撃を放っていく。
そのために、ヴィータは攻撃に転じることができない。
まさしく俺様のワンサイドだ。

「覚えてろよ!」

そう言い放ってヴィータは逃げて行った。

「どうだモブ! これが俺様の実り――――」

そう言って振り返った時には、誰もいなかった。

「はっ! この俺様の強さに恐れをなして逃げたか」

俺様の言葉は、風に乗って消えて行く。

「帰るッか」

そして俺様はその場を後にするのであった。










その日、不思議な夢を見た。
それは俺様の……”俺”の昔。
昔の”俺”は、とても見にくかった。
引っ込み思案で、友人らしい友人など一人もいなかった。
――いや、作ろうとしなかったと言った方がいいだろう。
何せ、この俺様が逃げても逃げても話しかけてくる奴がいたのだから。
そしてその時の奴が、あのモブ野郎とよく似ていた。

『お前のような糞餓鬼に、人が集まって行くことの方が考えられないな』

ふと、昔言われた根暗の言葉が頭をよぎる。

(試してみよう)

そして俺様はある一大決心をした。
闇の書事件の最中ではあるが、この実験で俺様の今後は大きく変わるだろう。

(よぉし、こうなったらさっそく準備するぞ!!)

そして俺様は、実験の準備をするのであった。

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