健康の意識 忍者ブログ

黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第50話 最終決戦と衝撃の真実

軌道上のクラウディア内で、艦長クロノの元に、次々と情報が入って来ていた。

「巨大船内の隊員、全員脱出を確認!」
「ふう、さてここからはこっちの仕事――『撃っちゃダメ!!』――どうした? 高町なのは一等空尉」

一斉放火のスタンバイをさせようとしたクロノになのはが必死な様子で止めた。

「真人君が………真人君がまだ中に!」
「何だと? 確認を急げ!!」

なのはの言葉を聞いたクロノが、部下に確認をさせる。

「巨大船内部に、2名の生命反応を感知! 現在、交戦中かと」
「モニターに出せ!」
「了解!」

(これは、まずいことになった)

クロノは心の中でそう呟きながら、表示されたモニターに目をやるのであった。


★ ★ ★ ★ ★ ★


「な、何だよ……その姿」
「お前は知らなくていいことだ」

俺の姿を見た男は、明らかに狼狽していた。
俺はどうなったのかが分からなかったが、分かる範囲の変化を言うのであれば、バリアジャケットが白くなっていることぐらいだ。
そして、体がとても軽い。

【真人、調子は?】
【ああ、快調だ】

心配そうな執行人に、俺はそう答えると、再びクリエイトを力強く握りしめた。
これが、俺の最後の切り札。
”ファイナル・オーバードライブ”だ。
それは、誰も勝ることのできない力が手に入るものだ。
ただし、これを使うにはかなり由々しき問題があり、何度も使うことはできない。
だからこそ、最後の切り札なのだ。

「行くぞ!!」
「ッく!?」

俺はその場を駆けた。

「はあああ!!」
「何っ!!?」

背後に回り込んだ俺は、クリエイトを振り下ろすが、男は防御魔法で防ぐ。
だが、それでよかった。

【拘束!】
「しまッ!!?」

俺の目的は、男の拘束だったのだから。

「これで、終わりだ!!」

そして俺は、おそらく最強であろう魔法を使う。

「クリエイト、ブレイク系魔法始動!!」
『了解! 魔力収束スタート』

俺の指示に、クリエイトがそう答えるのと同時に、白銀の魔力球が目の前に収束する

(何を使うか)

俺の頭の中には知識があった。
純粋な攻撃力で防御魔法すらも貫く―――ブレイクレーザー
高い攻撃力に、行動不能の付加効果を付けた―――ブレイクプラズマ
速度は遅くとも、相手を追跡する―――ブレイクドライブ

「魔力よ、全てを飲み込む光となれ。ブレイク……プラズマ!!!」

俺が使ったのは、行動不能の効果がついている”ブレイクプラズマ”だった。
その砲撃は、寸分くるわず男へと迫る。

「があああああああああああ!!!!?」

砲撃を食らう男は断末魔を上げ、苦しむ。
そして光はそのまま膨れて行き、俺の視界と聴覚は爆発音と眩しい眩いほどの光に包まれた。

「はぁ………はぁ……」

砲撃を放ったことで、疲れが押し寄せていた。
気を抜けば今にも倒れそうな体に鞭を撃って、俺は男がいたであろう場所を見る。
そこはまだ爆煙によってよく見えなかった。

【大丈夫だよな?】
【ああ、あれでもまだ動けるのであれば、人間ではない】

執行人の答えに、苦笑いを浮かべながら俺は爆煙が薄れて行き、地面に倒れている人物を見つめる。

「う……うぅ」

その時、うめき声を上げた。

「え?」

俺は、その声を聴いて驚きを隠せなかった。
なぜならば、その声色は男の物ではなく少女の物だったからだ
俺は嫌な予感がして倒れている”男”の方へと歩み寄った。

「………は?」
【これは………】

俺は、それを見た瞬間、固まった。
俺がそこで見たものそれは……

「痛た……一体なんなのよ」

黒い服を着た、黒髪の少女の姿だった。

「あれ、ここは……ゆりかご? でもなのはとヴィヴィオはいないわ」

その言葉から少女が転生者なのは間違いない。
その少女は、辺りを見回すと、俺に気付いたのか俺の方を見た。

「貴方は……誰?」
「あ、初めまして。山田真人です」

俺はついつい敬語で自己紹介をしてしまった。

(彼女があの男なのか?)

俺の頭はパニックになっていた。
と言うより、変わりすぎだろ。
そんな時。

「ちょっと失礼」
「え? きゃ!?」

突然外に出た執行人は、片手を少女の額にの当てて目を閉じて集中していた。

「間違いない。彼女は俺達が相対していた敵で間違いない」

執行人の答えに、俺は何も言えなかった。

「えっと………どういうことなのでしょうか?」

静かな物言いで聴いてくる少女に、俺は今まであった事をすべて話した。










「そんな……私は真人さんにひどいことを……すみませんでした」

全てを聞いた少女……及川さんは俺達に何度も頭を下げていた。
彼女の話によると、気が付いたら目の前に神がいて、ここの世界に転生させられたらしい。

「執行人、どうする?」
「ッ!?」

俺の問いかけに、及川さんが肩を震わせた。
彼女は、俺達が転生者を抹殺する役割の者だと言う事を、伝えているからだが。

「そうだな………特にこれと言った能力はもらってないようだし、何よりこの性格だったら問題はないだろうからいいんじゃないのか?」

俺の問いかけに、執行人は、興味がないとばかりに答えた。
さすがの執行人も呆れた様子だった。

「あ、ありがとうございます!」
「ただし、ここの法の元でしっかりと裁いて貰う」

お礼を言う及川さんに、執行人はきつく言った。

「取りあえず及川さん。これからの事は、ここから脱出してから話し合おう」
「はい。真人さん」

俺は及川さんにそう声をかけると、スバルが破壊して出来た壁に向かおうとした。

「あッ……」

だが、もはや限界だったようだ。
俺の体はゆっくりと傾いて行き、そして地面に倒れた。

「真人!?」
「真人さん!?」

二人の慌てふためく声を聴きながら、俺は意識を手放すのであった。

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