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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第46話 再び広がる翼

俺は夢を見ていた。
そこは、一面真っ赤な炎。
聞こえるのは燃え滾る炎の音、人々の悲鳴。

「■■■、準備はいいか?」
「ああ」

声がした方を見ると、そこには一人の男性と、俺と同い年ぐらいの青年が立っていた。

「これで、この世界は滅び、オーバーテクノロジーは闇に沈む」
「世界の平和のために、罪もない人々を殺すと言うのは、いかがなものかと思うが?」

青年の言葉に、男性は咎めるように青年に声を上げる。

「彼らの死は必要な犠牲だ。それに、僕自身もこの責を取ると言っているだろ?」
「永久封印だったよな。よくそれを自分で口に出せる」
「そりゃ当然さ。僕は目覚めてはいけない存在なのだから」

男の言葉に、青年は静かに呟いた。

「この魔力は、死者の元に成り立った醜きエネルギー、この力は人々を呪い、殺す恐ろしい力だ。だからこそ、僕はその道を選んだ」

青年の声には、どこか悲しさを感じた。
その次の瞬間、視界がぶれた。

「それでは、■■■の永久封印を開始する」
「ああ、よろしく頼むよ」

男性の宣言に、青年はそう答えると、静かに大きな扉を潜って行く。
そして男性は扉を閉めた。

(一体、これは………)

俺はその夢の内容に、首を傾げるしかなかった。
そんな中、俺は白い光に飲み込まれていった。










「ん……ぅ」
「ッ!? 真人!」

僕が目を覚ますと、そこには驚いたような表情を浮かべる執行人の姿があった。

(ここは、一体………)

最初は、何が何だかわからなかったが、俺はすぐに何があったのかを思い出した。
あの時、ナカジマさんを助けようとしたが、突然現れた転生者にやられたんだ。

「良かった。あのまま目が覚めないかと思った」
「悪い」

本当に心配していたであろう執行人に、俺は謝った。

「いや、謝るのはこっちだ。何時もお前の危ない場面で助けてやれない。こんな出来損ないの従者ですまない」
「執行人は、出来損ないじゃない。ちゃんと俺を助けてくれてるじゃないか。執行人に、そんな表情は似合わないぞ」

俺の言葉に、執行人は驚いたような表情を浮かべると、小さく息を吐いて、いつもの自信に満ちた表情になった。

「さて、現状を説明する。今、事態がひっ迫している故、簡潔に話す」
「分かった」

そして、執行人は俺が眠ってからのことを話してくれた。
機動六課の被害と、スカリエッティ一味によって『聖王のゆりかご』が打ち上げられたこと。
それに対処をするため、六課の隊員全員が向かっていること。

「健司の容態は、今ようやく安定している。このままでいけば、明日には目を覚ますとの事だ」
「そうか。よかった」

俺は、健司の容態を聞いてほっと胸を撫で下ろした。
だが、まだすべてが解決したわけではない。

「なあ、執行人はどう考える?」
「あの転生者の性格上、ちまちまと罠は貼らない。それは健司にしても然り、お前も然りだ。となれば、あいつのいる所は限られる」

俺の言葉に、すぐにその意図を把握した執行人が答える。

「「聖王のゆりかご!!」」

俺と執行人の息がぴったりと合う。

「執行人、ゆりかごに行こう」
「御意」

俺の提案に、執行人はそう答えると、服を横に置いた。
俺は、今まで来ていた水色の検査をするときに斬るような服を脱ぎ、その服に着替えた。

「それと、執行人に頼みがある」
「何だ?」
「”あれ”を使いたい。許可、出してくれるか?」

俺の言葉を聞いた瞬間、執行人の表情が、驚きに満ちた。

「お前正気か!? あれを使ったら、お前の命は」
「分かってる。それでもだ。何も守れないんなら、こんな命と力何て、ない方がましだ」

慌てたような表情で、叫ぶ執行人に、俺は静かにそう告げた。

「………分かった。許可する」

俺の表情から何かを感じ取った執行人は、渋々と言った様子で、認めてくれた。
俺は、執行人に”サンキュー”と告げると右手を執行人の方に掲げる。
執行人も俺の右手に重ねるように左手を掲げた。

「「ユニゾン・イン!!」」

そして、俺と執行人は融合した。

「クリエイト、セットアップ!」
『了解です。マスター』

そして、俺はクリエイトをセットアップさせ、病室の窓を開けると、外に飛びだった。
向かうは、『聖王のゆりかご』だ。

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