夕方、夕日が差し込む部隊長室のソファーにはやて、なのは、フェイトの三人が腰かけていた。
「今日、教会の方から最新の預言解釈がきた。やっぱり公開意見陳述会が狙われる可能性が高いそうや」
「うん……」
はやての言葉に、フェイトが頷いた。
「もちろん、警備もいつもよりうんと厳重になる。機動六課も全員でそれぞれ警備に当たってもらう、本当は前線丸ごとで警備させて貰えたらええんやけど、建物の中に入れるのは私三人になりそうや」
「まあ……私達三人が揃っていれば、大抵の事は何とかなるよ」
はやてにフェイトは安心させるように声を上げた。
「前線メンバーも大丈夫。しっかり鍛えてきてる。副隊長たちも、今までにない位万全だし」
「皆のデバイスリミッターも明日からはサードまで上げていくしね」
なのはに続いてフェイトがはやてに状況を言った。
「それと、新しい預言が出たそうや」
「新しい預言?」
はやての言葉に、フェイトたちははやてに聞き返した。
「何でも、【白銀と黒き翼の前に暗黒に落ちし者現れ、黒き翼は折れる】と言う内容だったらしいんや」
「どういう意味だろう……」
はやてが口にした預言の内容に首を傾げるなのはたち。
「ともかく、ここを押さえればこの事件は一気に好転していくと思う」
「きっと、大丈夫」
はやての予想に、なのはは窓の外を見ながら静かに呟いた。
一方、とある場所。
そこには一人の男性が立っていた。
その姿からは研究者だと言うことが伺える。
その人物こそが、広域次元犯罪者として指名手配されている男、ジェイル・スカリエッティだった。
「祭りの日は近いな。君たちも楽しみだろう」
「はぁ~、武装も完成したし、ドカンと一発暴れてみたいっすね」
スカリエッティの言葉に、横にいた短めの赤髪の少女……ウェンディが答える
「君たちは最善兵力の能力だ。存分に暴れられるぞ」
「だって……楽しみだね、ノーヴェ」
「別に。私は確かめてみたいだけだし。私たちの王様がどんな奴か、そいつがほんとに私達の上に立つのにふさわしいのかどうか」
ウェンディの言葉に、その横にいたノーヴェはぶっきらぼうに答える。
「まあ、よく分かんないけど、それってすぐに分かるんっすよね?」
「そうとも」
ウェンディの問いかけに答えながら、スカリエッティは台に手をかざす。
すると、その台から赤い光が発せられる。
「準備は整いつつある。一つ大きな花火を、打ち上げようじゃないか!」
その台にあったのは、大量のレリックだった。
そしてスカリエッティは笑い始める。
その笑いは狂気に満ちたものだった。
「楽しげだな、スカリエッティ」
「おや、君は―――ではないか!」
狂気に満ちた笑いを遮るようにして声を発したのは、黒装束に身を包み銀色の髪に赤い目をしたやや細身の男だった。
「こっちも準備は完了だ。お前に協力をするのだから、素晴らしいひと時を味わえるのであろう?」
「間違いなく、素晴らしい一時になる!」
男の問いかけにスカリエッティは答えると、再び狂気じみた笑い声をあげる。
それを男は冷ややかに見るのであった。
時空管理局 地上本部 公開意見陳述会まであと、7日
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