健康の意識 忍者ブログ

黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

第29話 連鎖

突如として増加したガジェットは俺達を着実に追い詰めていた。

「実機と幻影の混成編隊……」


「防衛ラインを割られない自信はあるけど、ちょっときりがないね。真人君は大丈夫?」
「こっちは大丈夫だ。ブレイクイヤーマルチショット!」

なのはの問いかけに、俺は矢を放ちながら答えた。
命中はしたが、それは幻影らしく消えた。

「ここまで派手な引き付けをするってことは……」
「地下か、ヘリの方に主力が向かってる」

今俺たちはなのはの展開した球体型のシールドによって守られている。
ここを出ればガジェットの集中砲火を受ける事だろう。

「なのは、私が残って此処を抑えるから、ヴィータと一緒に。真人はヘリの方に回って」
「フェイトちゃん!?」

フェイトの突然の指示に、なのはが驚いた様子で声を上げた。

「三人でも普通に空戦してたんじゃ時間がかかりすぎる。限定解除すれば広域殲滅で纏めて落とせる」
「それはそうだけど……」
「なんだか嫌な予感がするんだ……」

フェイトの言葉には俺も同感だった。

『割り込み失礼。ロングアーチからライトニング1へ部隊長権限で却下します』

そんな時、はやての通信によって却下された。

「「はやて!?」」
「はやてちゃん、どうして騎士甲冑!?」

モニターに映し出されたはやての制服はいつもの六課の物ではなく、騎士甲冑へと変わっていた。

「いやな予感は私も同じでな。クロノ君に私の限定解除許可をもらった。空の掃除は私がやる。なのはちゃんとフェイトちゃん、真人君は地上に向かってヘリの護衛」
「そしてなのは達は地上に、俺は急いでヘリの方向に向かった」


★ ★ ★ ★ ★ ★


地下では、かなりおかしく壮絶な戦いが繰り広げられていた

「何なんだよ、あれは!」
「……怖い」

おかしかったのは襲撃者の紫色髪をした少女……ルーテシアと、黒い動物のような生物のガリュー、そしてその近くにいるユニゾンデバイスである、アギトの三名が必死の形相で逃げ回っていることだ。
それはまるで一般市民のように。
しかもルーテシアは追いかけてくる人物にとてつもない恐怖を抱く始末。
その人物が……
「あははははは!! どうした、どうしたぁ! 最初の威勢はどこに行きやがったぁ!!」
まるで狂ったかのように笑い、目を血走らせて、手から大量の刃物を投げる執行人の姿だった。
そもそもどうしてこうなったのか。
それは、執行人がやられたころにさかのぼる。










「執行人さん!!」
「状況A、認証。マスター権限より伝えられた任務を遂行。目前敵の完全排除までの間、能力解放……開始!」

心配して駆け寄るスバルをよそに、執行人は機械のようにつぶやくと、突然魔力を上げて何の戸惑いもなく刃物(ナイフや剣や刀等々)を三人に向けて投げ飛ばしたのだ。
最初は抵抗したが、その狂気に怯え逃げていると言う事だ。

「な、何? この状況」
「わ、分からないわよ。とりあえず真人さんに確認してみる」

スバルの問いかけに答え、ティアナは念話で真人に確認を取る。

【ああ、それはおそらく一度倒されたことで能力解放の行動を起こしたようだな。執行人はやられればやられただけ強くなっていくんだ】

(何、その怖い能力!?)

真人の念話を聞いていた全員が心の中でそうツッコんだ。
今でも地下では執行人の放った刃物が、轟音を立てて突き刺さる音が響き渡っていた。

【止める方法は!】
【執行人を倒した連中の姿を彼の前から消させる。そうすれば今の状態は止まるはず。与えた指示は目の前にいる敵を叩き潰すことだから】

以外にもシンプルな方法に、ティアナは一瞬こけそうになった。
だが、目の前にいる三人はレリックを持っている。
そう簡単に逃がすわけにはいかない。
そのことが分かっているのか、真人はさらに続けた。

【レリックを取りたい場合は、『執行人の攻撃を止めるにはレリックを置いて姿を消さなければいけない。そうしないとどこまで追い掛け回していく』と伝えれば?】
【で、でも、それって嘘なんじゃ】
【嘘ではないさ。姿を消さなければ攻撃は止まらないし、それをしなければ何処までも追い掛け回していくのも本当さ。ただレリックを置いていくと言うフレーズを付け加えるだけだし】

真人は最後に”まあ、どうするかは現場の指揮官にお任せします”と告げると念話を一方的に切った。

(ああもう!)

そしてティアナは行動に移すのであった。










(あ、そう言えばあのことを伝えるのを忘れてた。まあ、いいか)

この時、真人は致命的なミスを犯していた。
それはかなり重要な注意点でもある『執行人に攻撃をすると、仲間であれど攻撃対象に加わる』と言う事を伝え忘れたことだ。
このことが元で、後にとんでもないことが起きようとは、予想だにもしていない彼であった。

拍手[0回]

PR

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

カウンター

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最新CM

[03/25 イヴァ]
[01/14 イヴァ]
[10/07 NONAME]
[10/06 ペンネーム不詳。場合によっては明かします。]
[08/28 TR]

ブログ内検索

バーコード

コガネモチ

P R