健康の意識 忍者ブログ

黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

第17話 初戦の夜

「クソッ!」

俺は机を思いっきり殴った。
理由は今日の戦闘だ。

「この俺が……負けるだなんて」

負け方もとても惨めだった。
俺の攻撃をそのまま跳ね返されたのだ。

(こうなったら、とことんやり合ってやる!!)

【……やめておきなさい】

俺の決心と同時に、俺の頭の中に女性の声が響いてきた。
この感覚を俺は知っている。
この声は、神様だ。

【どういうことだよ!】
【そのままの意味よ】

俺の一言はバッサリと切り捨てられた。

【あなた、前に私がした忠告は覚えてる?】
【……世界のうんたらには見つかるなっちゅう奴か?】

俺は神様の問いかけでその時の事を思い出した。

【半分正解ね。正確には、世界の意志には見つからないで、よ】
【でもどうして見つかったらいけないんだよ】
【見つかれば、間違いなく消されるわ】

俺は神様の言葉を聞いた瞬間、何の冗談だと思った。
一応俺は今最強の力を手にしている。
そんな俺が敗れるわけ……

【破れてるじゃない。戦歴のない彼に】
【なっ!!? あいつ、あれが初戦なのかよ!?】

俺は衝撃を覚えた。
俺は初戦の奴に負けたのかよ!?

【まあ、彼も少しは戦っているだろうけど、日は浅いはず。力量差は明らかなのにあなたに引けを取っていない理由は……】
【理由は!?】

もしかしたら弱点が聞けるかもしれないと思い、俺は先を促す。
だが、神様から語られたのは俺の予想を上回るものだった。


★ ★ ★ ★ ★ ★


「……なあ」
「………」

俺はさっきから何度目かもわからない声をかけた。
しかし執行人は、只々沈黙するだけだった。

「もしかして、怒ってるのか?」
「……いや、そんなことはない。呆れてただけだ」

ようやく口を開いたかと思えば、帰ってきたのは、そんな言葉だった。

「勘違いするな。自分にだ」
「なんでだよ。お前のおかげでここまで強くなれたんだし」

俺の言葉に、執行人は鼻で笑った。

「だが、僕自身は何もしていない。それが一番悔しいんだ」
「………」

俺は執行人に何もいうことが出来なかった。

「僕の力があれば、お前には嫌な役割を押し付けることはないんだろうが……情けないものだ」
「でも、俺が強くなれば執行人だって本当の姿を現せるんだろ?だったら俺はこれからどんどん強くなっていくぞ」

俺の言葉に、執行人は無言だった。

「っふ、お前らしい。だが、もう夜も遅い。早く寝ろ」

そういうと、執行人は二度と何もいう事はなかった。
そして俺も眠りにつくのだった。
しかし、俺は知らなかった。
この翌日、とんでもない事態が発生するという事を。

拍手[0回]

PR

第16話 戦闘

執行人によって結界を抜け、ひたすら進む。

【そこをまっすぐ行けば、敵と対峙する!】
【了解】

執行人の言葉に、俺はそう返しながら空を飛んで向かう。そして少し進んだ時だった。

【真人、近くに反応ありだ】
【分かった】

どうやら敵に近づいたようで目視でも確認できた。
そして俺は敵の前に躍り出た。


★ ★ ★ ★ ★ ★


俺は順調だった。
目の前にいるヴィータやシグナム達を相手にしても一歩も引かない。
そして俺は今、シャマルのいる方へ向かっていた。

(原作じゃ、ここでリーゼ姉妹が妨害するんだったよな)

『マスター、近くから魔力反応です。こちらに近づいています』

そんな時、デバイスのルビーからそんな情報が入った。

「ああ、あいつの事か」

俺にはもうその人物の姿は見えていた。
黒のバリアジャケットに身を包んだ男だった。
顔の方は何やら仮面のようなものをかけていて、分からない。

(変装魔法か? ま、関係ないが)

「さぁて、少しだけでも楽しませてくれよ」

そして俺は奴に攻撃を仕掛けた。


★ ★ ★ ★ ★ ★


(な!? け、健司?!)

俺はそいつの顔を見て衝撃を隠せなかった。
なぜならそいつは、俺の友人だったからだ。

【真人、こいつから転生者反応ありだ】
【つまり……】

執行人は俺の言葉に執行人は何も言わない。

【来るぞ】

執行人がそう呟いた瞬間、目の前に二本の剣が迫って来ていた。

「ッ!!? ブレイク・イヤー!!」

俺は何とかその二本の剣をはじくことに成功した。

「へぇ、やるじゃねえか。ならこれでどうだ!」

その次の瞬間、健司が手にした剣が弓へと姿を変えた。

「I am the bone of my sword.(我が骨子は捻じれ狂う)」

健司が歌うように詠唱を始める。

(ん? 健司の構え方。おかしい)

俺は健司の弓の構え方に疑問を感じた。
空中と言う事もあるのだろうが、基本の構え方になっていない。
しかも矢がぶれている。
これでは的を絞ることはまず不可能。
そう思うと、少しずつ健司の弱点が分かってきた。
剣の構え方、あれも見よう見まねだ。

【さすがだ、真人。敵の弱点を見つけ出したな】

執行人が俺の考えに気付いたのか、称賛の声をかけた。

【お前の思うとおりだ。あいつは戦術で言えば雑魚の範疇だ。ただ力を振りかざすだけで、照準とかは奴のデバイスが修正しているのであろう】

執行人の言葉に、健司は無敵のようにも聞こえる。
しかし、修正をしてるのであれば少しばかりはラグがあるはず。
そこを的確につければ何とか勝てる。
そう思い、俺は前方に防御障壁を展開する。

「シールプロテクション」
【強化】

執行人のサポートも相合って、防御障壁はかなりの堅さになった。

「偽・螺旋剣(カラドボルグ)!!」

そしてドリルのようなものがこちらに向けて放たれた。

「ぐぅぅぅぅぅ!!!」

防御障壁とぶつかり合うが、ものすごい力で、こっちが圧されている。
今はまだいいかもしれないが、このままでは確実に破られる。

【真人! 今展開している防御障壁をうまく使え!!】

執行人から檄が飛んでくる。

(うまく? ………そうか!!)

俺は何を言いたいのかに気付き、それをすぐに実行に移すことにした。

「リフレク、ション!!」

俺がやったのはただ単純に相手の攻撃をそのまま跳ね返すことだった。
俺は何とか猛攻を跳ね返した。

「何!?」

健司は驚きの声を上げる。
そして……

「ぐあああああああ!!!!」

健司は自分の攻撃をもろに食らい、落ちて行った。
その後、シャマルが闇の書の力で結界を破壊し、俺達は解散となった。

拍手[0回]

第15話 出動

「今日も鍛錬お疲れだ~」
「………お前は最近独り言が多くなったようだが、大丈夫か?」

夜、背伸びをしながら自分を労っていると、執行人からツッコミが来た。

「誰のせいだよ誰の」

俺はここぞとばかりに反論する。

「何、この鍛錬は実に有意義な物であろう?」

何か不満でもと言いたげに返してくる。

「濃密すぎるんだよ……毎日なんて聞いてない」
「それはシグナムが決めることだ。彼女に文句を言うといい」

言えるわけがない。
もしそんな事を口にしようものなら……。

『甘ったれるな。剣の道は1日にしてならずだ!』

と言われること間違いなしだ。

【真人君!!】

そんな時、シャマルさんから慌てた様子で、念話で話し掛けられた。

【ど、どうしたんですか!? シャマルさん!!】
【ヴィータちゃんとザフィーラが、管理局の人たちに囲まれているの!! 私も今二人の近くにいるから、真人君もヴィータちゃん達と合流して!】

どうやらSOSの念話のようだった。

【分かりました】

俺はシャマルさんにそう答えると、念話を切った。

「ようやく実戦か。気合は十分か?」

執行人が俺にそう聞いてくる。
何気にかなり楽しげだ。

「あ、そういえば変装用の魔法って使えるか?」
「いきなり何を言い出すのだ。………使えることには使えるが」

俺の疑問に答える執行人の声にはなぜかためらいがあった。

「どうしたんだ?」
「使って何をする気だ?」

どうやら目的が分からなかったようだ。

「俺の顔がみんなに知られるのもまずいだろ?だから」
「そうか………」

俺の答えに執行人はそう返した。

「それじゃ、認識阻害魔法をかける」
「分かった」

認識阻害魔法。
前に執行人から聞いたものだと、確か相手から見た自分の姿を変える物だったはずだ。
つまりは、俺の顔が別人の顔に見えるということだ。

「――――、―――――」

執行人が何かを呟いている。
すると、俺の体が淡い漆黒の光に包まれた。
だがそれはほんの一瞬で、すぐに元通りになった。

「これでお前だとはほかの奴には気づかれない」
「さんきゅ。それじゃ、行こうぜ!!」
「………ああ」

今日の執行人の様子がおかしいと思いつつも、俺は窓から外に飛び出た。
こんなにも心がときめくのは初めてだ。
体が軽くて、なんでもやれそうな昂揚感が沸き起こる。
だからこそ、俺は執行人の一言が聞こえなかった。

「姿形を変えてまで戦うという意味を、お前は分かっているのか?」

拍手[0回]

第14話 責務

「今日はここまでだ」
「あ、ありがとう……ございました」

あれから何日目になるのか、俺はシグナムさんによってビシビシ鍛えられていた。

「……どうだシグナム。こいつの調子は?」
「うむ、よくもなければ悪くもない」
「うぅぅ……」

執行人の言葉に、シグナムさんはいつものように容赦ない答えを返した。

「だが、最初の頃よりは格段に良くはなっている」
「ッ!? あ、ありがとうございます!!」

初めて褒められたので、俺はつい舞い上がってお礼を言った。

「調子づく前に早く家に戻るぞ。お前の母親が心配するのではないか?」
「おっと! それじゃ、失礼します!!」

執行人の促しに、俺は慌ててシグナムさんに一礼すると、家に走って行った。










【なあ、執行人】

夜、ベッドに横になりながら、俺は部屋のどこかにいるであろう執行人に声をかけた。

【なんだ? 真人】

いつもの口調で、返してきた。

【もしかしてだけど俺がやらないといけない義務て言うのは、他にもあるんじゃないか?】
【ほぅ、なぜそう思う】

俺の言葉に、口調も変えずに答える執行人に、俺はさらに言葉をつづけた。

【いや、なんとなくだけど……】
【………お前は勘だけは鋭いな】

呆れた様子で執行人は答えた。
いくらなんでも俺に理由がわかるわけがない。
本当に勘なのだから。

【真人、お前は転生者と言うものを知っているか?】
【え? あ、ああ知ってるけど……】

唐突な問いかけに俺は答えた。

―――転生者

よくクラスメイトが話していたのが聞こえてきたときに聞いた言葉だ。

【転生者と言うのは、一度何らかの理由で死んだ者が神様の力によって別世界もしくは同じ世界で再び生きるようになる奴の事を言う】
【でもその転生者と俺の義務と何の関係が?】

俺はたまらずに聞いた。
だが、執行人の言葉は俺の予想の上を行くものだった。

【真人の義務と言うのは、その転生者を排除することだ】
【………は!?】

俺はそれしか言う事が出来なかった。

【な、何で排除をしないといけないんだよ?!】

執行人の言う”排除”が、”殺す”と言う意味ぐらい、俺でもわかった。

【転生者は、世界にとって毒だ。だから排除しなければならない】
【それってどういう意味だよ!!】

俺は分からなかった。
世界とか毒とか言われても、俺には何もわからない。

【世界単体には溜め込められる力の許容量がある。ここまでは良いか?】
【ああ、大丈夫】

俺の答えを聞いて満足したのか、執行人はさらに話を進めた。

【転生者はその大体が強靭な力を得る。それによって世界バランスが崩れるんだ。ここまでは良いか?】
【なんとか】
【それだけではなく、転生者の大多数が不誠実な目的で転生する。世界の女たちを誑し込もうとしたり、世界征服をしたりなどなど………真人はそう言ったやつらを排除するのが責務だ。ここまでは良いか?】
【ああ。でも、もしちゃんとしたやつだったら排除とかしなくてもいいんだよな?】

俺はすがる思いで執行人に聞いた。

【もちろんだ。だがそれを決めるのは僕の役目だ。真人は排除するだけだ】
【………】

俺は執行人の言葉に、言葉にはできない不安を覚えた。

【もう夜も遅い。早く寝ろ】
【あ、ああ】

俺は執行人の言葉に、心の中で執行人がまともな奴であることを願いながら、無理につくのだった。

拍手[0回]

第13話 会ってしまったものは仕方がない

「………」

今の状況を説明しよう。
俺ははやての遠縁の親せきの人達が帰ってくるのを待っていた。
そして入ってきたのは、俺を襲ってきた赤い少女と、ピンク色の髪を後ろに束ねている女性だった。

「「なぜ(なんで)お前(てめぇ)がここにいる!!」」
「あら、山本君」

シャマルさんとほかの二人の言っていることが見事に逆だ。

「って、シャマル、こいつ知ってるのかよ!?」
「この間話したはやてちゃんのお友達よ」

女性に答えるシャマルさんだが、少女は武器を手にしていた。

「おらあああああ!!!」
「っ!!?」

そして一気にこっちにハンマーを振り下ろす。
俺はとっさのことで反応が出来なかった。
しかし……

「なっ!?」
「え!?」

シャマルさん達が驚きの声を上げる。
それもそのはずだ、誰もいないはずなのに少女のハンマーが止まっているからだ。
まるで、誰かが防いでいるように……

「全く、本当に攻撃を仕掛けてくるとはな……ま、分かりやすい軌道だったから防ぐのも簡単ではあったが」
「だ、誰だてめえ!!!」

執行人の声に、少女が警戒心むき出しで吼える。
まあ、誰もいないのに声がすれば当然だろうが。

「やれやれ、人に名を尋ねるのであれば己から名乗るのが流儀だと教わっていないのか? ………まあ良い。わが名は無名の魔導師、執行人とでも呼んでくれ」
「確かにお前のいう事も一理ある。ヴォルケンリッターが将、シグナムだ」
「………鉄槌の騎士、ヴィータだ」
「それじゃあ、私も改めて……癒しの騎士、シャマルです」
「えっと、山本 真人です」

完全に俺達は執行人のペースに巻き込まれていた。

「さて、このまま帰る……と言ってもお前らは帰す気はないよな」
「ああ、その通りだ。主の事が管理局に知らされてもらっては困るからな」

執行人の言葉にシグナムさんが当然だと言わんばかりに答える。

「あの、管理局って何?」

そんな中、俺は気になる単語があったので尋ねることにした。

「あんた管理局知らねえのかよ?」
「管理局と言うのは全次元世界の平和を歌っている偽善者が集う場所だ」

管理局を知っていないことに、呆れながら言うヴィータと、どことなく怒りを込めて言う執行人。

「………そこであんたらに提案なんだが、こいつの魔法の特訓をして貰いたい」
「何?」

執行人の突然の提案にシグナムさん達の表情が険しくなる。
ちなみに何度も言うが、執行人の姿は誰にも見えていない。

「こいつは知識はあるが、戦闘経験が皆無だ。そこでお前たちに戦闘訓練をして貰いたいんだ」
「しかし、お前の方が適任ではないか?」

シグナムさんがもっともなことを言う。

「確かにそうなのだが、僕はどうも実技に関しては教えるのに向いてないみたいでな。そっちの方が実技の方では、いい師匠になれるだろう?それともお前の称号はただのお飾りか」

執行人のあからさまな挑発にシグナムさんが載せられた。

「良いだろう。それほど言われたなら、やってやろうではないか!」
「OK,それなら代わりに僕たちはそっちのやっていることを手伝おう」
「お、おい! 俺を無視して話を――分かった――」

俺の意志はどこへやら、いつの間にか協定が結ばれていた。

「だからな俺の―――」
「良かったなー、真人よ。これでお前は強くなれるぞ?」

俺の言葉を遮るように執行人がう嬉しそうに声をかけてきた。
ただ俺は一言だけ言いたかった。

「俺の話を聞いてくれー!!!!」

こうして、俺達のエンカウントは終わったのだ。

拍手[0回]

カウンター

カレンダー

05 2025/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30

最新CM

[03/25 イヴァ]
[01/14 イヴァ]
[10/07 NONAME]
[10/06 ペンネーム不詳。場合によっては明かします。]
[08/28 TR]

ブログ内検索

バーコード

コガネモチ

P R