健康の意識 忍者ブログ

黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第33話 二人の戦い

「ブラストファイアー!」
「っちぃ!!」

俺は星光の殲滅者の砲撃を紙一重で交わした。

「ディバインバスタ―!」

そしてその直後になのはのがディバインバスターを星光の殲滅者に向けて放つ。
しかし、それを彼女は何ならく躱した。

「そこだ! アルティメットフレア!」

俺は躱した瞬間を狙い火球を星光の殲滅者に向けて放った。
かなりいいタイミングだ。
これなら

「甘いです」
「ッく!!」

彼女はそれさえも防ぐと、攻撃に打って出た。

「パイロシュータ―!」

一気に放たれたそれは誘導弾かは分からないが、俺は回避行動をとった。

「ファイア!」

執行人は魔法弾を放って誘導弾を相殺している。

(これはまずいな)

さっきから戦っていてわかったが、彼女は中遠距離型だ。
そして、俺は近中距離型だ。
なんとかクロスレンジに持ち込みたいのだが、さっきからこの調子でなかなかうまくはいかない。

(となると、使えるのはやっぱり)

俺はそう考えると杖状のクリエイトを弓型に戻した。
俺が選んだのは、得意の弓を使った攻撃だ。

【なのは、ちょっと頼みたいことがあるんだけどできるか?】
【ふぇ!? な、何かな?】

俺はなのはに念話で確認すると、俺が考えている作戦を伝えた。

【それだったらたぶん行けると思う!】
【よし、それじゃあこれで行こう。執行人も大丈夫か?】
【ああ、こっちも大丈夫だ。だが、お前は大丈夫なのか? あの魔法はお前にも負担が大きいはずだが】

俺は内心で執行人は勘が鋭いと思う。
なぜなら、あの魔法の特性を彼はずばりと見過ごしているのだから。

【やってやるさ。ここでやらなきゃいつやるんだ?】
【そうか。愚問だったな。僕はいつも通りに動かせてもらう。あとはお前のやり口次第だ】

俺の言葉に執行人はフッと笑いながら答える。
そして俺は一旦深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。
チャンスは一回きり。
これを逃したら勝機は俺達にはない。

「作戦会議は終わりですか?」
「ああ。ここからは本気で行かせてもらう!!」

俺は弓を構えてそう告げた。

「そうですか。では、私も本気で行かせていただきます」

星光の殲滅者はそう告げるや否や上空に飛翔した。
そして大きな魔方陣を展開する。

【なのは、あれって必殺技か?】
【た、たぶん……】

俺はその答えを聞いて息をのんだ。
この時を待っていたのだ。
俺の作戦は主にこうだ。
まず相手が必殺級の大技を使うようにする。
そして相手が大技を使ったら俺の新技、『ミラーインケルト』でその攻撃を跳ね返す。
さらに止めとばかりになのはの必殺技を放つと言う寸法だ。
ただ、この技は相手の魔法を受け止めないといけないので、かなりの負担がかかる。
執行人はそのことを言っていたのだ。
だが、ここでミスをすると、勝機はないのだからやるしかない。

「集え赤星、全てを焼き消す焔となれ。ルシュフェリオン、ブレイカ―!!!」

星光の殲滅者から紫色の収束砲が放たれた。

(おいおい、何と言う破壊力だよ)

俺はそう思いながら、詠唱を始めた。

「全ては逆。上は下に右は左へ。全てを逆にしたまえ………ミラーインケルト!!」

詠唱を終えると、俺の前方には銀色の魔法陣が浮かび上がっていた。
それを見る暇もなく、星光の殲滅者の収束砲が俺の魔法陣と接触した。

「ぐぅ!!」

俺は想像以上の圧力に、苦痛の声を上げてしまった。
だが、これは本当につらい。
少しでも気を抜いたら体が押しつぶされる。

「うおおおおおおおおお!!!!」

それを俺は必死に堪え、魔方陣に魔力をつぎ込む。
すると今までかかっていた圧力が、少しずつではあるが少なくなっていった。

「うおおおりゃあああ!!!」

そして俺はそれを押し返すことに成功した。

「なッ!!?」

あまりの事に相手は驚きの声を上げた。
まさか自分の収束砲が帰ってくるとは、思ってもいなかったのだろう。

「ッく!!」

しかしさすがは星光の殲滅者と言う名だけはある。
完璧を模した俺の反射攻撃は、紙一重で交わされてしまった。
だが、これはあくまでも陽動に過ぎない。
そう、本命は……

「これが私の全力全壊!! スターライト……」
『starlight Breaker』
「ブレイカ―!!!」

なのはの必殺技が炸裂し、星光の殲滅者をピンク色の光が飲み込んだ。
こうして、星光の殲滅者との戦いは幕を閉じた。

(な、何と言う人間兵器だ? これは)

そんな俺の心の声とともに。

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第32話 対面せしは襲撃者

俺こと永田健司は、近くにある大きな魔力反応の場所へと向かっていた。

(一体なんなんだ?)

一応アニメとかでは見たが、このような事件などなかったはずだ。
これがあの人の言うイレギュラーなのだろうか?

(今考えることではないか)

俺はすぐに思考を切り替えた。
俺の両手にあるのは干将・莫耶と言う二本の剣だ。
これが、俺にとっての唯一の武器。
てっきりチート能力でも与えられるとでも思ったのだが、予想より弱そうな能力だったので俺は思わず耳を疑った。
神様曰く、「これが最強なんじゃ」とのことだった。
だが、俺は原作介入し始めてようやく気付いた。
俺自身が、この武装の力を引き出し切れてないのだ。
それもそのはずだ。
ごく普通の一般大学生の俺が、命をかけた戦いなどで力を発揮できるはずなんてないのだ。
これでは、宝の持ち腐れだ。
よく二次創作で見かけるような最強な力をもらった=それを100%利用すると言う図式はありえないと知ったのだ。
あれはあくまでも作者の理想郷である、と。
そんなこんなで、俺の理想郷は執行人と真人によって、木っ端みじんに砕かれ今に至るわけだが。

(まだまだ俺は弱いが。だが、少しでも強くなって俺は俺の目的を果たすんだ!)

俺がここに来た目的は、ズバリハーレム化計画だ。
年齢=彼女いない歴の俺にとってはかなりの夢でもある。
だから、そのためであれば、俺はどのような過酷な場所であっても乗り越えてみせる。
まあこれも真人と執行人で実現不可能になりかけている。

「ようやく見つけた」
「ん?」

そんな時、俺の目の前に一人の少女が躍り出た。
その少女はどこかとフェイトの姿に似ていた。
ただ髪の毛の色が青だと言うのは違うところだが。

「お前は誰だ?」
「僕は”力”を司るマテリアル、雷刃の襲撃者だ!」

最後にどうだかっこいいだろと言って胸を張る。
この時、俺は確信した。

「お前、馬鹿?」
「な!? 馬鹿っていう方が馬鹿なんだぞ!!」

どうやら口に出ていたようだが、答え方まで子供っぽかった。

「お前の目的は一体なんだ?」
「僕の目的は、闇の闇を集めて、王として君臨することさ!!」

雷刃の襲撃者は、あっさりと目的を教えてくれた。
どうやら彼女は、闇の書関連の人物らしい。

「だから、君を倒して僕は飛ぶ!!」

雷刃の襲撃者は、物騒な事を言って、こっちに飛びかかってくる。
しかし、俺はそれを難なく躱す。
スピードは確かに速かったが、オリジナルに比べれば動きが単調で読みやすかった。

(どうやら、俺は当たりくじを引いたようだな)

俺は心の中でそうほくそ笑みながら呟くと、目の前にいる少女へと干将・莫耶を構える。

「さあ、行くぞ!!」
「望むところだ!!」

そして俺と雷刃の襲撃者との戦いが幕を開けた。
戦いに関しては初心者の俺が、勝てるのだろうか。
そう言った不安はあるが、それでも俺は戦う。
前にいる敵を倒せると信じて。

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第31話 対面せしは殲滅者

「真人!」
「執行人!? 一体どこに行ってたんだよ」

なのはの所へ向かっている途中で、俺は執行人と合流した。

「何、この世界には良いものがあるのでな」
「………それを見ていたという事か」

俺はおそらく、呆れたようなまなざしをしていたと思う。
それを見た執行人は平然と言い返してきた。

「僕だって、たまには自分の時間が欲しくはなるし、色々なものに興味が出るさ」

その時の執行人の表情は、どこか寂しげだったため俺は何も言えなくなった。

「まあ、心配するな。話はクロノから聞いている」
「だ、だよな」

俺は執行人の手際の良さに苦笑いした。
そもそもここに来るには、この事態を知らなければいけないもんな。
そのことを忘れていた自分のことを恥ずかしく思った。

「さて、僕は何をすればいい?」
「………大型の魔力反応の敵への牽制を」

俺は執行人の尋ねにそう答えた。
そうでもしないと、敵の攻撃を出ざまに食らう可能性があるからだ。

「了解。では、合図をしたら牽制攻撃をしよう」

そう言って執行人は透明化した。
俺の能力が少しずつ上昇したことによる恩恵らしい。
そして俺達はなのはの元へと向かった。


★ ★ ★ ★ ★ ★


私は今、私にそっくりな人、名前は確か星光の殲滅者さんと戦っています。

「ブラストファイアーー!!」
「っく!?」
『Round shield』

星光の殲滅さんの砲撃をレイジングハートが守ってくれました。

(接近戦はまずい。回避しないと)

私は何とか距離を取ろうとします。

「ルべライト」
「しまっ――――――」

そう思った時には遅く、私は星光の殲滅者さんにバインドをかけられていました。

「ブラスト……」

(ッ!!!)

私はもうだめだと思い、目を閉じました。

「ファイア!!」

砲撃が放たれた時でした。

『Protection,Extra!!』
「え?」

突然のデバイスの声に、私は閉じていた眼を開けました。
そこにいたのは、黒いバリアジャケットを着ている真人君の姿でした。


★ ★ ★ ★ ★ ★


(いた!!)

しばらく飛んでいると、俺はなのはの姿を見つけた。
だが、なのはの体には紫色の輪のようなもの(おそらくバインドと言う拘束魔法だろう)で体を拘束されていた。

「ブラスト……」

そしてなのはの向かい側には、栗色の髪を短く切り揃え、黒っぽいバリアジャケットを着ている少女がいた。
その少女は砲撃魔法を放とうとしていた。

【執行人、お願い!】
【了解した。3秒後に牽制を行う】

俺は執行人に合図を出し拘束でなのはの前まで移動する。

『Protection,Extra!!』

そしてクリエイトによって防御魔法が展開され、少女の砲撃を防いだ。

「ほんのお返しだ!!」
「ッく!!」

そして少し遅れての執行人のけん制魔法で、目の前の少女との距離が少しだけ開いた。

「なのは、大丈夫?」
「う、うん。私は大丈夫」

俺は背後にいるなのはに声をかけた。

「助けてくれて、ありがとう」
「いや、大丈夫だ。こっちこそ、来るのが遅れて悪かった」

お礼を言ってきたなのはに、俺はそう返すと少女の方へと視線を戻した。

「私の砲撃を防ぐとは……あなたは何者ですか?」
「俺は山本 真人。執行人に選ばれし魔導師だ」

少女の問いかけに、俺は執行人に前から名乗る時にはこう言えと教わっていた名乗りを上げた。

「なるほど。私は”理を”司るマテリアル。星光の殲滅者と申します」

少女―星光の殲滅者―はそう名乗った。

「この結界はお前が作ったものか? お前の目的は?」
「そんなにたくさん聞かれても私には答えようがございません」

俺の問いかけに、星光の殲滅者は目を閉じて静かに答えた。

「そうか」
「どうしても聞きたいのであれば」

そう言いながら星光の殲滅者は、なのはのデバイスとそっくりなデバイスを俺に向けてきた。
俺は、それに無言で弓状のクリエイトを掲げる。

「私を倒してみてください」
「分かった(なのは、戦える?)」
【うん! もちろんなの!】

俺は念話でなのはに確認した。
はっきり言って格の違う相手だと言うことは、すぐに分かった。
なので俺はなのはと協力して戦うという手法に打って出たのだ。

「それでは、あなたの力。私の糧とさせていただきます!」

そして、俺と星光の殲滅者との戦いが始まった。

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第30話 降りかかる戦い

「ぶっち抜けぇ!!!」
『Protection,extra!!』
「っぐぅ!!」

ヴィータの突撃に、俺はクリエイトの緊急結界で防ぐがとてつもない圧力に突き破られそうになるのを、必死に堪える。

「はぁぁ!!!」
「あたるかよ!!」

俺に気を取られている隙に、背後から健司が切りつけると言う作戦だったが、失敗したようだ。

「クソッ!!」

健司が地団駄を踏む。
もう作戦は数回も失敗しているのだ。
その数10回。

【次はどうする?】
【”あれ”をやってみてくれるか?】

健司の念話での問いかけに、俺はそう答えた。
すると、健司は顔をしかめた。

【あれは、命中率が低いが……それでもいいなら】

俺は健司の念話に無言で頷いた。

「それじゃ、手筈通りに」

俺は健司にそう告げると、一直線にヴィータの方へと向かった。

「せいや―!!!」
「同じ手に食うかよ!バーカ」

俺の単調な一戦攻撃を躱すと挑発してきたが、乗らないようにする。
何せ、このこれは本気でもなんでもないのだ。
だから徴発されても全く気にもならない。

「そう言ってられんのも、今のうち」

俺ははそう告げると、クリエイトを弓形態にして、ヴィータに向けて構えた。

「行くぞ!!ファィアー!」

弓が数本に分裂して、ヴィータへと襲いかかる。

「ちぃ!!」

俺は矢をコントロールする。
そしてヴィータがすべての矢を躱し切った時だった。

「なっ!!?」

ヴィータの両手両足にバインドが展開されたのだ。

「かかったな」
「くそ!!これが目的かよ」

俺の表情に、ヴィータが気付いたのか、悔しげに唇をかみしめた。
簡単に言うとこうだ。
俺の単調の攻撃で、ヴィータに油断をさせたところで、コントロール可能の矢を数本放ちこっそりと設置したトラップ型のバインドのある位置まで誘導する。
後は見ての通りだ。

「あ、ちなみにそのバインドは対物理、魔力タイプだから、魔法とか身体能力を強化しても無駄だ」

その点も抜かりはない。
だが、これが破られるのも時間の問題だ。
だからこそ、今のうちにやってしまうのだ。

「行くぞ!健司!!」
「おう!」

その手に弓を構えた健司が俺の合図に答えた。

「I am the bone of my sword」
「全てを薙ぎ払うは白銀の光」

俺と健司は必殺技を使う準備を進める。

「偽・螺旋剣!!」
「ディザスト・ブレイカー!!」

健司の必殺技と俺の必殺技は、一つの光の傍流となり果て、バインドで身動きの取れないヴィータを飲み込んだ。
こうして、決着はついた。










「終わりだ。聞かせてもらう、なぜ突然俺達を――――――――」

健司がヴィーを問い詰めようとした時だった。

「うわあああああああ!!!」
「ヴィータ!?」

突然断末魔の様な叫び声をあげたかと思うと、ヴィータはまるで砂のように消えて行った。

『………』

何がなんなのかが分からない俺達は、その場で呆然としていた。

【二人とも!! 大丈夫!?】

そんな時、俺達が耳にしたのは、女性……エイミィさんの通信だった。

「あの、これって一体……」
【それは僕から説明しよう】
「クロノ!?」

俺の問いかけに突然聞こえてきたクロノ(本人曰くそう呼べとのこと)の声に、思わず驚いてしまった。

【実は、闇の書の残滓による結界が確認されている。どうも、蒐集されたもののデータをもとに現れているようだ】
「と言うことは、もしかしてあのヴィータも」
【ああ、偽物だ】

健司の仮定をクロノは肯定した。

【なのは達も対処に向かっているのだが。出来れば君たちも対処に向かって欲しい】
「了解だ(です)」

俺と健司は即答でクロノに答えた。

【悪い。今その近くで巨大な魔力反応を感知した。それと今なのはが大きな魔力を持った人物と交戦中だ。出来ればそっちにも援護に行って貰いたい】
「分かった」
【頼んだ】

クロノはそう告げると、通信を切った。

「闇の残滓による偽物か」
「分かっていても、何だか複雑だ」

俺と健司はそう呟いていた。
いくら偽物だとわかっていても、自分の仲間を攻撃すると言うのは心が痛む。

「それにしても、二か所か」
「二手に分かれて行った方がいいな」

俺と健司はクロノから聞いた情報を整理した。

「俺はなのはの方に行くから、健司はこの近くにいる大きな魔力反応がある場所に向かって貰っていいか?」

俺はしばらく考えたのちに、健司に尋ねた。
それは健司の能力の高さを考えたものだった。

「分かった。しっかりとやれよ真人」
「そっちもな」

俺と健司は互いに軽口をたたきながら、それぞれの場所へと向かっていく。
俺はなのはと交戦中の、大きな魔力反応がある場所へ、健司はこの近くにある大きな魔力反応があった場所へ。
こうして、事件は幕を開けた。

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第29話 真実を話す日

闇の書事件が解決した次の日。

「遅いわよ! 真人!!」
「わ、悪い」

俺は終業式の後、なのはからすずかの家に来るように言われたのだ。
だが、家に戻ったら待っていたのは両親の説教だった。
無断外泊が主な理由だった。
そのため約束の時間に遅れてしまったのだ。
約束の時間に遅れること数十分。
ちなみに、そこにはアリサやすずかはもちろんのこと、健司やはやてとなのは、フェイトさんもいた。

「それで、なんでこんなに来るのが遅いのよ」

俺が座ったのを見計らってアリサが俺に聞いてきた。

「いや、昨日の無断外泊の事でみっちり絞られてたんだよ」
「それじゃ仕方ないわね」

理由を聞いてアリサ達から同情のまなざしが浴びせられた。

「と、ところで、なんで俺は呼ばれたんだ?」
「そうだった、大事な話ってなんなの?」

俺の問いかけに、アリサは思い出したようになのは達に問いかけた。

「うん、昨日の事なんだけど―――」
「あのね、実は私達―――――」

フェイトさんとなのはが話し始めたのは、二人が魔導師であること。
そして二人の出会いだった。










「なるほど」
「魔法なんて漫画の世界だけだと思ってたわ」

話を聞き終えたすずかとアリサが感慨深そうに口にした。
俺としては、信じている二人の方がすごい。

「大体わかったんだけどさ、一ついい?」
「何かな?」

突然聞いてきたアリサに、小娘が質問を促す。

「真人はどうやってその……魔導師とかになったのよ?」
「えっと……それは」

アリサの鋭い質問に、俺は答えられなかった。

【執行人。話してもいいか?】

俺は念のために、執行人に念話で確認した。

【お前自身で決めろ。その者達が信用に足るものであれば、話すといい】

俺の問いかけに、執行人はそう言い放つと一方的に念話を切った。

「真人?」
「あ、ああ。すまない。実はな――――」

そして俺は、魔導師になった経緯を話した。










「何ともまあ、あんたもすごい体験してるわね」

呆れたようなまなざしで俺を見るアリサと、呆然としているすずかの姿があった。

「ヴィータが乱暴してごめんな後で叱っとくさかい、堪忍してや」

はやての目に投資が見えたような気がしたので、俺はあえて触れないようにした。
その後、軽く雑談をしてすずかの家を後にした。










「なあ、真人」
「何?健司」

家が同じ方向なため、一緒に帰っていると、健司が突然口を開いた。

「これからも、お前のそばで、魔法の勉強をして貰ってもいいか?」
「え、でもお前は―――――――」

健司は俺の”転生者だから大丈夫なんじゃ”と言う言葉を遮って健司は話を続けた。

「俺のはただのごり押しだ。でも、真人の方は違う。だから俺も一緒に魔法の事を勉強させてほしい」
「ようやくその気になったか少年よ」

健司が頭を下げると、どこからともなく執行人が姿を現した。

「最後に聞くぞ。僕の訓練はとてもつらいものだ。それでも最後までやりとおせるのだな?」
「ああ」

執行人の問いかけに、健司は執行人の目をまっすぐ見て頷いた。

「よろしい。では、少ししたらお前の方も魔法の稽古をつけてやろう」
「ところで、だ」

俺は一つだけ気になっていることを聞くことにした。

「何だ?真人よ」
「なんで、俺達に見えてるんだ?」

俺の言葉の意味を理解したのか、執行人が答えた。

「お前の力が上がったことで、僕は姿を見せたりすることが出来るようになったんだ」
「なるほど」
「他にも単独での攻撃魔法の行使や、ユニゾンが出来るようになった」

執行人がさらに伝えてくるが、一つだけ気になった単語があった。

「ユニゾンってなんだ?」
「融合のようなものだ。融合することによって戦闘能力などを上げることが出来る。ただし失敗したらただでは済まないがな」

所謂もろ刃の剣と言うものか。

「やり方は?」
「体の一部分を合わせて”ユニゾン・イン”と唱えるだけでいい。あとは行動権を持った方が体を動かす」

執行人は最後に、”まあ、そうそうやる機会はないだろうが”とつぶやいた。
俺としてはかなり残念だが。
そんな時だった。

「ッ!!?これは」
「結界!!?」

突然俺達の周囲に結界が展開されたのか、周囲の風景が変わった。
俺はこの感覚を知っている。
最初のころにヴィータと遭遇するきっかけになった閉じ込めの封鎖領域だ。

「見つけたぞ!」
「なッ!!?」

突然の声に、俺は上空を見上げると、そこには橙色のゴスロリ風のバリアジャケットに身を包んだヴィータの姿だった。

「お前らの魔力、貰っていく!!」

ヴィータはそう言ってツッコんでくる。

「無駄だ!! 熾天覆う七つの円環(ろー・あいあす)!!」

健司が前方に出て片手を前方に掲げ唱えた瞬間、目の前に七枚の花びらが現れヴィータのグラーフアイゼンの攻撃を防ぐ。

「一体何のつもりだ!!」
「うっせぇ!! とっとと倒れろ!!」

健司の言葉に、ヴィータは聞く耳を持たない。

「ああくそ! 真人!! 行くぞ!!」
「了解!!」

そして俺達の戦いは幕を開けたのであった。

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