健康の意識 忍者ブログ

黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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第27話 休日と答え

「さてと、クラナガンまで来たけどどこに行く?」
「うーん、そうだね。あそこなんてどうかな?」

そう言ってなのはが指さしたのは、どこでも見かける服屋だった。

「そうだね、俺もちょうど私腹を何着か買おうかなと思ってたんだし、行くか」
「うん♪」

嬉しそうに返事をするなのはと共に、服屋へと向かった。










「ありがとうございました」

俺は服を2,3着買った。
この服屋は料金が安いことが魅力的な事の一つだ。

「そう言えばなのははどこに行った?」

俺はいつの間にかいなくなっていたなのはを探す。
彼女は程なくして見つかった。
可愛らしい服が並ぶところで、なのはは二つの服を見て悩んでいた。

「うーん、こっちもいいし。でもこっちも捨てられないし……」

ものすごく真剣に悩んでいる。
俺が真横にいる事にも気づいていないのだから。

「真人君、これを着たら喜んでくれるかな?」
「その喜ぶと言うの分からないが似合うとは思うぞ」
「きゃあ!?」

俺はなのはの呟きに答えると、小さく悲鳴を上げながら飛び退いた。
そんな彼女のリアクションに驚きつつも、俺はなのはに軽く謝った。

「な、何でもないからね! なんでもないよ!?」

なのはは取り乱した様子で二回も同じことを言うと、表に出て行った。

「………」

俺はなのはが見ていた二着の服を見る。
両方ともジャケットだが、片方は青、もう片方は薄いピンクで、可愛らしい模様が描かれているものだった。
そして俺は少しばかり考えたのち、その二着を手に取った。










「……む~」
「だから悪かったってば」

服やを後にしてから、なのははずっと機嫌が悪かった。
どうやら驚かされたことがかなりいやだったらしい。

「お詫びのしるしに、はい」
「……何、これ?」

なのはは俺が手渡した袋の中身を、不思議そうに見た。

「こ、これって……」
「さっきなのはが買おうか買わないか悩んでいた奴だよ」

俺はあの後、二着の服を購入したのだ。

「い、いいの?」
「良いって、良いって。はやて曰くこれは”デート”何だから。男を見せないといけないだろ」

俺は軽い感じで言うが、デートと言う言葉を言うためにはやてをダシに使った。
後でばれたら報復が待っていそうで怖い。

「………あのね、真人君」
「何だ?」

改まって話し出したなのはに、俺は静かに答えた。

「この間、真人君私に、その……す、好きだって言ってくれたでしょ? でも、私答えを言ってなかったよね」
「………」

俺はなのはの言葉に、動揺を隠すので精一杯だった。

「私は……その……」

俺はこの時ほど緊張したことはなかった。
それほど緊張して、俺はなのはの答えを待った。

「真人君の事が、好きです」
「………」

そして俺は嬉しいはずなのに、声も出なかった。

「俺も、なのはの事が好きだ」

そうだと思えば自然にそんな言葉が、口を継いで出てきた。
それから、俺となのはの間で会話が無くなった。

「そ、そう言えば。こうしてのんびり過ごしたことなんて今までなかったよな?」
「そ、そうだね」

しかし、この会話もそれで終わった。
俺の出し方が悪かったのかもしれない。

「つ、次の所に行くか」
「う、うん。そうだね――――きゃ!?」

俺が慌ててベンチを立ちあがったのに続いて、なのはもベンチを立ち上がろうとする。
だが、お忘れかもしれないがなのはは運動音痴だ。
そのせいなのか、もしくは緊張していたのかは分からないが、足が引っ掛かったのかよろめいた。

「あ、危ない!」

そして、俺はそんななのはの体を支えることで、事なきを得たが、今度は別の意味でピンチを迎えることになった。

「あぅ………」

なのはが顔を赤らめるのも無理はない。
何せ、今の俺達の体勢は抱き合うような形になっているからだ。

「真人君」
「な、なのは?」

なのはは甘えるような声色で、俺の名前を呼ぶ。

「………」

そして目を閉じた。
それが何を意味しているのかは、いくら俺でも理解できた。
幸い、このあたりは人通りが少なかった。
なので、俺はなのはの体を掴み、顔を近づける。
それはいわゆる”キス”と言うものだった。
そしてあと少しで唇が合わさると言った所で。

『こちらライトニング4! 緊急事態につき、現場状況を報告します!』
「のわぁ!?」
「きゃ!?」

突然全体通信でモニターが開いたので、俺となのはは目にもとまらぬ速さで離れた。

『F23路地裏にて、レリックと思しきケースを発見! ケースを持っていたらしき小さな女の子が一人!』
『女の子は意識不明です! 指示をお願いします!』

モニターには、エリオとキャロに抱えられている金色の髪をした少女が写っていた。

「………行くか」
「………うん、そうだね」

どうやら、俺達の休日は終了の様だった。
何とも言い難い雰囲気を残して。

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第26話 極秘任務?

フォワードメンバーが休日を楽しむ中、隊長陣とギリギリ隊長陣に分類される俺と健司はと言えば……。

「仕方がないにしてもちょっとだけあれだよな」
「言うな」

デスクワークに追われていた。
六課のデスクワークの量は半端ではない。
しかも今日は新人たちの分を引き継いでいるのでなおさらだ。

「お、やっと見つけたわ」

そんな中、涼しい顔をしてやってきたのは、部隊長でもあるはやてだった。

「ん? どうかしたんですか? 八神部隊長」
「ちょっと部隊長室に来てほしいんよ」

健司の問いかけに、はやては用件を告げた。

「俺達が、ですか?」
「いや、来てもらうのは山本二等空佐だけや」
「お、俺が!?」

はやての突然の言葉に、俺は思わず驚きの声を上げた。

「来てくれへんか?」
「………分かりました」

俺は覚悟を決めた。
はやてからの呼び出しの理由なんて一つしかないのだ。
そして俺はまるで処刑を待つ人のような気持ちで、部隊長室へと向かうのであった。
この時、俺は気付くべきだった。
はやての目がものすごく怪しく輝いていたことを。










「あれ? なのは、どうしてここに?」
「真人君こそ、なんで?」

部隊長室に着くと、そこにはなのはの姿があった。

「おほん! 本題に入るけどええん?」
「「っ!?」」

突然わざとらしく咳払いしたはやてに驚きつつ、先を促した。

「実はななのはちゃんと真人君には今日はお休みしてもらおう思っとるんよ」
「な、何で!?」

突然の宣告に、なのはが叫んだ。

「なのはちゃんに真人君、最近全然休んどらんやろ? ちょうどええ機会やと思って」
「でも……」

そう言えば俺はここに来てから休み何て、2,3日ぐらいしかとってないような気がする。
俺の場合は罪悪感からだが、なのはの場合はワーカーホリックかもしくは天然の素質なのか。
どちらにせよ、あまりいい傾向ではなかった。

「お願いや、聞き入れてくれへん? 人事部から指導が入ったんよ。休みを出せってな」
「そ、それじゃあお言葉甘えちゃおうかな?」

はやてのあまりにも必死な様子になのはも頷いた。
と言うより苦労してるんだな、部隊長って。

「でも、大丈夫なのかな? 私達が休んじゃって」

なのはが心配そうにつぶやく。

「大丈夫や、二人の分はいつも休みばっかとっとる健司君にやらせればいいんやし」
「「あははは……」」

俺達は苦笑いを浮かべた。
健司は俺とは対照的に良く休む。
理由は分からないがとにかく休むのだ。
はやてとしても腹に据えかねたのだろう。

「そして、二人には部隊長権限で極秘任務を与える!」
「極秘任務?」
「それはやな――――」

嫌な予感がする俺をよそに、はやては”極秘任務”を告げるのであった。










「お、お待たせ」
「あ、ああ」

六課のロビーで、俺となのはは顔を赤らめていた。
何故かは、なのはの服装ですぐに分かる。
なのはの服装は六課の制服ではなくピンク色の上着に青のスカートと言う私服だった。

「そ、それじゃ、行こう?」
「そ、そうだな」

俺となのははぎこちないまま、歩き出した。

(何が極秘任務だよ)
俺は心の中で、はやての事を恨んでいた。
はやての出した極秘任務、それは……

『なのはちゃんと真人君の二人で、デートをすることや!!!』

であった。
だからこそなのはも顔を赤らめているのであって……

「………えい!」
「うわ!? ど、どうしたんだよ、なのは?」

突然俺の腕に自分の腕をからめてきたなのはに、俺は慌てて声をかけた。

「だって、この方がデートっぽいでしょ?」
「そ、そうだけど、その腕に当たってるって」

俺は腕に当たり柔らかい感触に内心ドキドキしていた。

「当ててるもん。それとも、真人君は私と腕を組むのは、いや?」
「ッ!?」

なのははわざとではないにしろ、上目使いで聞いて来られた俺にはものすごいドキッとした。
まさか、女性の上目使いがここまでの威力とは……。

「そんなことはないぞ。そ、それより行くぞ!」
「うん♪」

慌てる俺を見て面白いと思っているのか、もしくは楽しんでいるのかは分からぬが、なのはは笑顔で頷くとさらに腕に強く抱きついてくる。
俺は心臓の鼓動を抑えながらクラナガンへと向かうのであった。










おまけ

機動六課オフィス
そこではいつものようにデスクワークが行われていた。
だが、その一部は異様な雰囲気を醸し出していた。

「なんでだ……なぜだぁあああ!!!」

そう雄たけびを上げたのは、健司であった。

「なんで、あいつは休みでデートまでして、俺はここで二人の分のデスクワークをするんだよ!!」
「それはあんたが休みを取り続けてきたからや!」

そう言ってハリセンで健司の頭を叩くはやて。

「だって、しょうがないだろ! コミケだぞ! コミケ! 普通行くだろ!!」
『そんなもの(コミケ)で管理局の仕事をさぼるな!!』

健司のとんでもない理由に、はやてとオフィスにいた者達が一斉に突っ込む。
ある意味自業自得であった。
ちなみにこの膨大な量が片付くまで睡眠、休暇なしと言われ、真夜中まで涙を流しながら処理していたのは余談である。

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第25話 突然舞い降りた休日

あの騒動から日が経った。
あれからティアナを始め、フォワードの動きがさらによくなった。
一度激しく衝突したのが、いい方向に動いたのだろう。

「はい、今朝の訓練と模擬戦も無事終了。お疲れ様」

そんなある日の早朝訓練も終わり、なのはが労いの言葉をかける。
フォワードたちは疲れている様子であった。
ちなみに俺はいつものお得横で書類の整理や訓練データのまとめをしていた。

「でね……実はなにげに今日の模擬戦が、第二段階クリアの見極めテストだったんだけど……」
『ええッ!?』

なのはの衝撃の言葉に、フォワードは驚きを隠せなかった。

「どうでした?」
「合格」
「「早ッ!?」」

なのはの問いかけに、即答したフェイトに、ティアナとスバルがツッコんだ。

「まぁ、こんだけみっちりやって問題あるようじゃ大変だって事だ」
「「あはは……」」

ヴィータの言葉に、エリオとキャロが苦笑いを浮かべた。

「私も皆いい線行っていると思うし……それじゃ、これにて二段階終了!!」

なのはの宣言に、フォワードたちが手を上げて喜んだ。

「デバイスリミッターも一段解除するから、後でシャーリーのところに行ってきてね」
「明日からはセカンドモードを基本形にして訓練すっからな」
『はいッ!!』

フェイトとヴィータの連絡事項を聞いて元気よく返事をする。
そんな中、キャロがヴィータの言葉に気が付いたようだ。

「え……明日?」
「ああ、訓練再開は明日からだ」

キャロの問いかけに頷き、ヴィータは再度説明をした。

「今日は私たちも隊舎で待機する予定だし」
「みんな、入隊日からずっと訓練漬けだったしね」

なのはとフェイトの言葉に、フォワードたちは顔を見合わせていた。

「ま、そんなわけで……」
「今日はみんな、一日お休みです!」

ヴィータの言葉を引き継ぐように、なのはがそう告げた。
実感が出てきたのか、フォワードメンバーの表情に笑みが溢れていた。

「町にでも出かけて、遊んでくると良いよ」
「はーい!!」

こうして、新人たちの休日が幕を開けたのであった。










「……以上、芸能ニュースでした」

俺と健司と隊長陣は、食堂で朝食を取っていた。
食堂では、テレビからニュースが流れている。

「続いて、政治経済。昨日、ミッドチルダ管理局地上中央本部において、来年度の予算会議が行われました。三度目となる再申請の税政問題に基づいて、各世界の注目が集まっています」

俺の周りで流れるのどかな雰囲気とは対照的に、ニュースの方ではやや重要なことが取り上げられていた。

「当日は、首都防衛隊の代表、レジアス・ゲイズ中将による管理局の防衛思想に関しての表明も行われました」

レジアス・ゲイズという名前が出た途端、皆がモニターを見上げた。

「魔法と、技術の進歩と進化……素晴らしいものではあるが、しかし! それがゆえに我々を襲う危機や災害も10年前とは比べ物にならないほどに危険度を増している! 兵器運用の強化は、進化する世界を守るためのものである!」

レジアスの演説に、それを見ていた局員たちが拍手を送る。

「首都防衛の手は未だ足りん。地上戦略においても我々の要請が通りさえすれば、地上の犯罪発生率も20パーセント、検挙率においては35パーセント以上の増加を、初年度から見込むことが出来る!」
「……このオッサンはまだこんなこと言ってんのな」

ヴィータは食事を再開し、呆れた様子で批判した。

「レジアス中将は、古くから武闘派だからな」

そんなヴィータに、シグナムはフォロー(?)をした。

「俺から言うと、少々浅はかではあるけど」
「………?」

俺の言葉に、全員が驚いた様子でこっちを見てきた。

「世界の平和を守るために兵器を投入する。それは一見いいことかもしれないけど、それは新たな争いの火種になる」
「………驚きだな、本局所属のお前からそんな言葉が出るとはな」

俺の意見に、健司が皮肉を込めて言ってきた。

「俺は思ったことを口にしただけだ。まあ、さすがにこんなこと本人には言えないけど」

俺はそう言うと、周りの視線(特にはやての)に耐えられなくなり、誤魔化すように食事を再開した。
それは、急な休日の朝の風景であった。

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第24話 過去(後篇)

退院して数日が立った。
周りが真っ暗なのと、足が動かないことから管理局の隊員の人が宿舎の方へと連れて行ってくれた。
その道中、俺は色々な事を隊員から聞いた。
まず、なのはは教導官として滞りなく働いていること、そして俺は『エース・オブ・エースを身を挺して守った騎士』と評価されたことと、階級が二等空佐に上がった。
後、健司が俺の部下でもありデバイスマスターのアリスと婚約をしたこと。
最後のはかなり驚きだったが、それ以上に驚きだったのは、俺の評価だ。
まさか階級を上げられるとは、思ってもいなかったのだ。

「レジアス中将、山本二等空佐をお連れしました」
「入りたまえ」

中からレジアスさんの声がする。
そして俺は隊員の人に車いすを押される。

「お前は外で待っていろ」
「はっ!」

レジアスさんの指示に、隊員はそう答えると去って行った。

「さて、まずは無事退院できたようだな。おめでとう」
「あ、ありがとうございます」

俺はレジアスさんの言葉に、内心で首を傾げながらお礼を言った。

「山本二等空佐の後遺症については聞いている。そこでお前さんには二つの道がある」

レジアスさんはそう言って俺に残された道を告げた。

「まず一つは、その状態でこの部隊に残り、働いてもらう。次にここをやめて静かに暮らすことだ」
「………」
「山本二等空佐には今回の一件で、支援金を出すとのことだ」

俺が何も言わないのを無視して、レジアスさんは淡々と言って行く。

(管理局をやめる……か)

俺はそれを考えようとしたがやめた。

「なら答えは決まってます。ここに残って微力ではありますが働かせていただきます」
「……理由を、聞かせて貰おうか」

俺の答えに予想が出来ていたのだろうか、レジアスさんは俺に理由を促した。

「ここをやめると言うことはこれから逃げると言うことになるんです。俺は逃げるのはもうやめたんです。なので、レジアスさんが迷惑でなければ、ここで働かせてください!」

俺はそう言うと、頭を下げた。
たぶん下がっているだろう。
俺は昔、色々な事から逃げていた。
そしてこの魔法の力を手に入れ、俺は今度こそ逃げずに立ち向かう。
そう思えばこの事故は、俺にとっての試練なのかもしれない。
それに……

「さすがは儂の見込んだ男だ。儂の答えはとうに決まっておる。これからもよろしく頼むぞ」
「はい!」

俺はレジアスさんの言葉に力強く頷いた。
その後、俺はしばらくの間は休養するように言われ宿舎でリハビリも兼ねて休んでいた。
そんな時だった、俺に朗報が飛び込んだのは










「山本さん、いますか?」
「その声はアリスか? ああ、いるぞ」

突然訪ねてきたアリスに、俺は中に入るように促した。

「失礼します」
「……邪魔する」

どうやらアリスだけではなく健司も一緒の様だ。

「実はね、山本さんの為にあるアイテムを持ってきたんです!」
「アイテム?」

俺はアリスの嬉しそうにはずんでいる言葉に、首を傾げながら聞き返した。

「そう、なんと私の手にあるステッキを持てば、歩けるようになるのです!」
「……はい?」

俺は思わずすっとんきょな声で聴き返してしまった。

「だから、これを持てれば歩けるようになるんだよ!」

そしてアリスももう一度説明をしていた。
それを数回繰り返した時、ようやく俺は理解することが出来た。

「さあ、山本さんの右側に置いたステッキを手にしてみて」
「こ、こうか?」

俺は、アリスに言われるがままにステッキを手にした。

「それで、足を動かしてみて」
「………う、動いた!!!」

俺はいつものように足を動かしてみると、何と足が動くようになっていたのだ。
そして、俺はベッドの上に立ち上がった。
この時の喜びは今でも忘れることが出来ない。

「ね、すごいでしょ? ちなみに手に持っているものを離すと……」
「離すと……って、うわ!?」

俺は手に持っているものを離した瞬間、そのまま崩れ落ちた。

「また元に戻るから気を付けてね」
「……それを早く言ってくれ」

幸い立っていたのがベッドの上だからよかったものの、これがもし固い地面だったら……。
その後、アリスは手にしているものの原理の説明をしていた。
それは俺にはよく分からなかったが、どうやら体の筋肉に魔力を通してその力でやっているらしい。
俺はそこで一つの仮説が成り立った。
目が見えないのや、下半身が動かないのは、脳からの信号を受け取れないからではないかと。
なので、俺は魔力回路を利用して障害を一時的にではあるが、解消できるのではないかと思った。

【執行人、俺の考えたことはできるか?】

俺は緊急時の為の護衛で、中にいる執行人に問いかけた。

【可能だが、これをやリ過ぎればもっと悪くなるぞ。これは体の構造を強引に捻じ曲げる物だからな。それでもやるのか?】
【ああ、頼む。俺は逃げないと誓ったんだ】

執行人の言葉に、俺はそう言い返した。
執行人はしばらくの間無言であったが、ため息をついた。

【分かった。では、これからそのための術式を組む。半年ばかりは掛かる、レジアスのおじさんにはその旨を伝えておけ】
【了解】

それがすべての始まりだった。
それから半年後、俺は魔力を通せば視力が戻るようになった。
執行人から、使うのは1日10時間と念押しされた。
そしてバリアジャケットを展開した際に、手にあるステッキの形をした装置を背中に装着することで、俺は戦えることもできるようになったのだ。

「それでは、山本二等空佐、任務に出動します!!」

そして、俺は任務に出動した。





俺のもう一つの成せば(逃げては)ならぬことそれは……
――なのはに前に出来なかった告白をすること――であった。

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『魔法少女リリカルなのは~目覚めた力~RB』最新話を掲載

こんばんは、TRです。

大変お待たせしました。
本日、『魔法少女リリカルなのは~目覚めた力~RB』の最新話を掲載しました。
踏み台転生者サイドから入るという、ある意味アレな感じになりましたが、無印から積み重なった結果なので、ご了承ください。
とはいえ、要望等があったら無印版の方も描くとは思いますが、主人公の影が薄くなるのは避けられないです。

そして、今回の公開をもちまして、本作の巡回執筆は終了となりました。


それでは、これにて失礼します。

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