健康の意識 忍者ブログ

黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

第11話 銭湯で

待機所に戻って合流した美由紀さんとエイミィさんにアルフ達と夕食を食べた俺達は、ひょんなことから銭湯に来ることとになった。
そして海鳴市内にある『海鳴スパラクーアツー』へと俺達は向かうのであった。










中に入ると、店員が元気よく挨拶をしてきた。

「はーい、いらっしゃいませー! 海鳴スパラクーアツーへようこ……団体様ですか?」

大勢で入ってきた俺達を見て、店員は一瞬驚いたが、すぐに対応した。

「えーと、大人15人と……」
「子供4人です」

はやてとフェイトが人数を店員に言った。
と言うより19人ともなれば団体になるよな、普通は。
ティアナは確認のために子供のメンバーを確認していく。

「エリオと、キャロと……」
「私と、アルフです!」

リインがティアナに手を挙げて自分達をアピールする。

「おー!」

そしてアルフは嬉しそうに返事をする。
しかし、こういった場所に獣耳とかしっぽとかを出してていいのだろうか?

(まあ、コスプレだと思われるか)

俺はそう強引に納得した。

「えっと、ヴィータ副隊長は?」

するとスバルはヴィータに確認を取る。

(おーい、スバル。それ禁句だ)

案の定ヴィータはスバルを睨みつけて一言

「あたしは大人だ!」

と不機嫌そうに言った。

(後で絶対にスバル逆襲されるな)

俺は心の中で手を合わせた。

「あ……はい! では、こちらへどうぞー!」

そんなやり取りを見ていた店員は若干表情が引きつっていた。
この日、この店員はある意味大変な時になったに違いない。

「お会計しとくから、さき行っててな」
「はーい!」

はやての言葉に一同は声を揃えて返事をする。
まるで引率する先生とと生徒のようだ。
まあ、ある意味その通りなのだが。
それはともかく俺達は中の方に進んだ。










「にしても本当にすごいな、ここは」

俺は案内図を見て呟いた。
ここの銭湯は当然だが、男女で分かれている。
そしてすごいのは露天風呂だ。
男女ともにあるのはいいのだが、何と混浴用の露天風呂まであるのだ。
普通の露天風呂もあるが、出る所を間違えれば混浴の目に合うことは必須だ。

(気を付けないと)

俺はそう心に強く決意した。
と、そんな事を考えているとエリオは”男”、”女”と分かれて吊されている暖簾を確認していた。

「……あぁ。よかった、ちゃんと男女別だ」

エリオは心底安心していた。

(そう言えば、エリオは女性用のお風呂に入っているんだったっけ)

俺は思い出した。
だとすればエリオがここまで安心する理由は分からなくもない。
まあ、世の男性どもはものすごい贅沢を言っているように感じるかもしれないが。
とそんな時、キャロが笑顔でエリオに近づく。

「広いお風呂だって。楽しみだね、エリオ君!」
「あ……うん、そうだね。スバルさん達と一緒に楽しんできて」

エリオの言葉にキャロの表情が曇る。

「え……エリオ君は?」

エリオはキャロの悲しげな表情に戸惑いつつも必死に抵抗する。

「ぼ、僕は……ほら一応、男の子だし」
「んー……でもほら、あれ!」

エリオはキャロが指さす方の注意書きに目を通した。

「注意書き? えっと……女湯への男児入浴は、11歳以下のお子様のみでお願い……します」

キャロは笑顔のまま、エリオの逃げ道を狭めていく。

「ふふッ、エリオ君10歳!」
「え!? あ……」

慌ててエリオは逃げ道を探る。

「おい、あれ助けなくていいのか?」
「楽しそうだからもう少し見てる」

俺の元にやってきた執行人の問いかけに、俺はそう答えた。
俺の答えに、執行人は『えげつない』とつぶやいていた。
どうでもいいが、この黒いステッキと言うのは微妙に目立つ。
ちなみにエリオは時よりこっちの方に、助けを求める視線を送って来ていた。

「うん。せっかくだし、一緒に入ろうよ」

と、フェイトはキャロに援護射撃を送った。

「フェイトさん!」

キャロは嬉しそうにフェイトを見るが、エリオはまさかフェイトがキャロの援護射撃をするとは思ってもいなかったようで、動揺していた。

「い……あ……い、いや、あ、あのですね……それはやっぱり、スバルさんとか、隊長達とかアリサさん達もいますし!」

エリオは必死に断ろうとするが、その言い方だとあまり断っている風には感じない。

「別に私は構わないけど?」

エリオの抵抗もむなしくティアナはあっさりと承諾した。

「てゆーか、前から、『頭洗ってあげようか?』とか言ってるじゃない」

そしてスバルもだ。

「う……」

エリオは段々逃げ場が無くなってきていた。

「私等もいいわよ。ね?」
「うん」
「いいんじゃない?仲良く入れば?」

アリサ、すずか、なのはと、次々にエリオの女湯入浴許可がおりてくる。
そしてフェイトは『男の言われたい言葉』ベスト10に入っていそうな言葉を言って、止めを刺した。

「そうだよ。エリオと一緒にお風呂は久しぶりだし……入りたいなぁ……」

とうとうエリオは抵抗することが出来なくなった。

(頃合いか)

いままで面白そうだからと黙っていた俺は、助け舟を出すことにした。

「まあまあ、フェイト、俺も男同士の親睦を高めたいなと思ってたんだから、ここは男女別に入りましょう」

そんな俺の言葉に、エリオは非常に喜んだ。

「「えー」」

そしてフェイトとキャロは不満そうな声をあげる。
だが、俺の方も対策を取ってあるのだ。

【後で、エリオをそっちに行かせるので、それでいいでしょ?】
【うーん。それなら】

俺の説得に、フェイトは渋々頷いた。

「それじゃあ、失礼します」

俺はそう言うと男湯の方に向かった。

拍手[2回]

PR

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

カウンター

カレンダー

04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最新CM

[03/25 イヴァ]
[01/14 イヴァ]
[10/07 NONAME]
[10/06 ペンネーム不詳。場合によっては明かします。]
[08/28 TR]

ブログ内検索

バーコード

コガネモチ

P R