健康の意識 忍者ブログ

黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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『To Loveる~二つの人格を持つ者~』&『魔法少女リリカルなのは~世界からの来客者~』&『魔法少女リリカルなのは~目覚めた力~RB』最新話を掲載

こんばんは、TRです。

大変お待たせしました。
本日、新作の『To Lovetる~二つの人格を持つ者~』の最新話を掲載しました。
なんと三話同時掲載です。
誰もが予想つかない路線を行こうとしていますが、それはご愛嬌ということで(苦笑)
次回ではあの人物が同乗しますので、楽しみにして頂けると幸いです。

そして、『魔法少女リリカルなのは~世界からの来客者~』の最新話も掲載しました。
相変わらず一話だけですが、おかしなところなどのカットは意外と大変なんです。
何卒、ご了承のほどお願いします。

さらに『魔法少女リリカルなのは~目覚めた力~RB』の最新話を掲載しました。
これに関しては二話同時掲載です。
Re,bornなので、元の作品をコピーしているだけですがこちらも加筆やら再構成やらで一新していたりするので、楽しんで頂ければ幸いです。


それでは、これにて失礼します。

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第1話 始まり

「ん……」

窓から差し込む眩しい光に、俺は朝であると思いベッドから起き上がった。
俺、結城 竜介はどこにでもいる高校生だ。
ある一点を除いてだが。

「ふわぁ~」

しっかりと寝たはずなのだがあくびが漏れてしまうのは、まだ寝たりないからなのだろう。
だが、別に俺は夜更かしをしたというわけではない。

「竜介、起きてる?」
「ああ、ちゃんと起きてる」

そんなどうでもいい疑問を考えていると、ドアを開けて入ってくる黒髪を後ろの方に束ねる真面目そうな雰囲気をまとっている少女。
彼女は、俺の妹にあたる美柑だ。

「………」
「な、何だよ」

じーっと俺の事を見てくる美柑に、俺はその視線の理由を聞く。

「いや、竜斗じゃないかなって」
「話しているだけでわかってくれよ。あいつじゃないだろ?」
「そうだね。竜斗がまた昨日の夜家の中を歩き回っていて、びっくりしちゃって大きな声で叫んだら睨まれたから。だって、いきなり目の前に出てきたら誰だって驚くよ!」

美柑は俺に不満をぶつける。
ある意味正しいけど、言う相手を間違えている。

「………それはあいつに直接言ってくれ」

そんな美柑に、俺はげんなりとため息をつきながら返す。

「まあいいや。朝ごはんで来てるから、早く降りてきてね」
「分かった」

俺はそう告げて部屋を後にする美柑にそう答え、手早く制服に着替える。
それは何時も繰り返された日常のサイクルだ。

「っと、そうだった。日記日記っと」

ただ違うのは、そのサイクルの中に日記を確認するのがあること。
机の上に置かれた一冊のノートは通称『交換日記』だ。
とは言っても、他の誰かと交換日記をしているわけではない。
していたとしてもする相手がいない。
そんな俺が交換日記をしている相手は|自分自身《・・・・》とだ。
俺はノートをめくり、昨日の日付のページを見る。
そこには読みやすく文字が綴られていた。

『その願いは取り下げだ。私が手を貸したら意味がないだろ? しかも男として最低の行為だ。そもそも私は恋愛関係は苦手だ』

俺の頼みはあっさりと却下された。
先日付のページに、”とある女子への告白をしたいから力を貸してほしい”ということを書いたのだ。
俺としては、冗談半分で書いたのだが、こうもあっさりと却下されると何だかショックだ。
その女子の事に関しては、またの機会に説明するとしよう
さらに、下の方に文字が続く。

『追伸:お前の妹に、いい加減慣れろと伝えてくれ。会うたびに悲鳴をあげられる身にもなってほしい』

(あいつも気にしてたのか)

その文章に、俺は思わず苦笑してしまった。
さて、俺のたった一つ普通の人と異なる点。
それは、俺の中にいるもう一人の”俺”の存在だ。

その兆候が出たのは俺が10歳の誕生日を迎えてからだ。
誕生日を迎えて数日後を境に、妹の美柑が俺を畏怖の目で見るようになったのだ。
その理由は”俺がまるで人が変わったかのように、怖くなったから”らしい。
その後もそんな事が頻繁に起きた。
それに伴って、俺自身も記憶が途切れたりすることが自然と多くなった。
そして記憶が戻った時には決まって周りの人が怯えたような目をする。
たまに帰ってきた両親に事情を話したところ、精神科で見て貰うことになった。
その結果、俺にはもう一人の人格が出来ているという診察結果が出た。
そして医者の勧めで交換日記を始めたところ、その人物と俺は今のような文談が可能となった。
ここまでなら、俺は普通の二重人格だろう。

普通のとは違うのは、もう一人の俺には不思議な力があること。
そして、俺の判断で自由に入れ替わったりすることが出来ることだ。
その方法も、もう一人の俺が教えてくれた。
何でも、体のどこか(手の甲などでもいい)に五芒星を描けば力のみを行使できるようになり、地面に描けば人格を任意に入れ替えることが出来るらしいのだ。
入れ替える際には地面に五芒星を描いた後にしゃがみ込んでどちらか片方の手でその場所に触れなければいけないという制約はつくが。
最初は俺も信じてはいなかったが、試しにやってみたら普段の俺にはできない芸当(100mを5秒で走ること)が簡単にできたのだ。
それ以来、俺は自分の手には負えないほどの問題(何故か看板が落ちてきたときや、階段から滑り落ちたりした時など)が起こった時に、もう一人の俺の力を借りるか、入れ替わったりしている。
その代り、夜に俺が寝た後はもう一人の俺の時間と決めている。
その時間は、彼が何をするのも自由な時間だ。
ちなみにもう一人の俺の名前が”竜斗”だ。
もっともこれは本名ではなく、俺がつけた名前だ。
理由としては俺の名前の、竜介と二つ目を示す”Two”の頭文字を取ったからだ。
彼曰く『どうでもいい』とのことなので、俺と美柑は彼を竜斗と呼んでいる。
一番不思議なのは、家族が俺達を受け入れた事だった。
病院に行く時まで怯えていた美柑でさえも、気づけば普通に接する(竜斗に対しては別だが)ことが出来るようになっていた。
だが、それは社会ではそれが通じない。
社会は俺のような異常な人物には厳しいのだから。
だからこそ、俺は学校などで不用意に力を解放したり、入れ替えたりしないように過ごしているのだ。

「竜介~!!」
「あ、ああ。今いく!!」

下の方から聞こえる声に、俺はそう返すと、慌てて自室を後にするのであった。
……この日を境に、力を解放したり入れ替えたりすることを迫られる状況が頻発することも知らずに。

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第2話 未知との遭遇

恋は盲目という言葉を聞いたことはあるだろうか?
一度火がついてしまえば周りのことなど見えなくなる。
つまり、何を言いたいのかというと……。
今目の前を通りかかった短め青色の髪の女子生徒を目で追いかけてしまうのも、仕方ないことだということだ。

「よ、竜介!」
「うわぁ!?」

突然肩に手を掛けられ、俺は驚きのあまり思わず飛び上がった。

「何やってんだよ? お前」

後ろの方に振り向くと、そこには飽きれた表情を浮かべるトサカヘアの男子生徒がいた。

「驚かすなよ、猿山」
「お前のリアクションの方がよっぽど驚くッつーの」

そう言うと、猿山は俺が追って行った視線の先の方に目をやる。

「なんだ、また西連寺の方を見て―――モガガッ!?」

俺は慌てて猿山の口をふさぐ。
いくらなんでも恥ずかしい。

「結城君、何やってるの?」

そんな俺に声をかけてきたのか今話に上がっていた西連寺だった。

「さ、西連寺!? な、何でもないんだよ! あはは」

青紫色のショートヘアーの髪型にし前髪は二つのヘアピンで左右に止められている。

「そ、そう? それよりも、猿山君苦しそうだけど」

怪訝な表情を浮かべたものの西連寺は納得したようで、俺にそう言ってきた。

「ッ! ッ! ッ!」
「……あ」

俺は慌てて猿山の口を封じていた手を放した。

「ぜぇー、ぜぇー、ぜぇー……死ぬかと思ったぜ」
「わ、悪い」

口と一緒に鼻も一緒に抑えてしまっていたようで、まるでマラソンを走り終えたかのように息を切らしていた。
そんな彼に、俺はただ平謝りするしかなかったのであった。










「はぁ………今日も告白できずか」

夜、風呂の湯船につかりながら、俺はため息を漏らす。
俺は西連寺の事が好きだ。
これは間違いない。
そう、それを伝えることが出来ないだけだ。
今まで何度か伝えようとはしたのだが、そのたびにアクシデントが発生し、結局は言えずじまい。
もはや諦めにも似た気持ちが出てきてしまう。

「はぁ……」

そして再び漏れ出すため息。

(ん? 気のせいか)

一瞬何かの音が……電流の放電音のようなものが聞こえたような気がしたが、そもそもそんな事が起こっていれば俺はただでは済まないだろうと思い、気のせいだと考えることにした。

「な、何だッ!?」

突然目の前が青白い光に包まれる。
そして次の瞬間、風呂が爆発した。
俺はその衝撃から身を守るように両手を前に突き出す。

「ふ、風呂が爆発した?!」

(あ、あれ……柔らかい)

前には柔らかいようなものは一切ない。
それならこの手にある柔らかい感触は何だろう?
それはすぐに分かることになった。
爆発の衝撃で吹き上がった風呂の湯が元に戻った時に。

「うぅーん。脱出成功~」

前から聞こえる少女の物と思われる声、そして手にある柔らかい感触。
もはやこれが何かなど、考えるのは愚問だ。
俺は慌てて掴んでいるであろう”それ”から手を放した。

「ねえ」
「……………」

最初は湯気で見えなかったが、それが徐々に晴れて行き、前にいるであろう少女の姿がはっきりと見えるようになってきた。
問題なのは、いきなり風呂に少女が現れ事ではない。
いや、それもあるのだが。
それよりも問題なのは、少女が衣服などを一切纏っていない(・・・・・・・・)ということだ。

「もう終わり?」

そんな俺の心情を理解しているのかしていないのか、追い打ちをかけるように尋ねてきた。

「うわぁぁっ!!!」

そして俺はいつもは出さないであろう大声を上げて風呂場から逃げ出した。

「どうしたの!? 竜介」

俺の叫び声を聞きつけた美柑が慌てて駆けつけてきた。

「ふ、風呂に裸の女の人が!」
「はぁ?」

意味が分からないと言いたげな目で俺を見ると、風呂場の方に向かっていく。

「どこにいるって?」
「だから、そこに……あれ?」

美柑の問いかけに、俺は応えようと恐る恐る風呂場を見るが、そこには誰の姿もなかった。

「確かにいたはずなのに」
「竜介、年ごろなのはわかるけどさ。妄想と現実の区別位、つけようね」

おかしいなと首を傾げる俺に、美柑はからかうような目で注意してきた。

「妹として恥ずかし――あたッ!?」
「俺は妄想少年じゃない。もう一回風呂桶につかる」

とりあえず、美柑にはデコピンをお見舞いして、俺はもう一度お風呂に入り直すのであった。

(何なんだよ。まったく)

俺は本日一番の、深いため息をつくのであった。

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第6話 出会い

それはほんの半年ほど前の事だった。

「はぁ。帰りが遅くなっちゃった」

その日、クラスの用事で学校に遅くまで(とは言え夕方5時ごろまでだが)残っていたため、自宅へと歩いて帰っていた。

(何時もの道を通っていたら夜になっちゃうな)

ほぼ愚痴にも近い言葉だったが、夜になれば親が心配する。

(そうだ! 友達が教えてくれた近道を使おう!)

前に友人が教えてくれた近道の存在を思い出した俺は、足早に歩く。










少し歩いたところにあるけもの道へとつながるわき道に入って行った。
そこを通れば、暗くなる前には家につくはずだ。
そう思って中に入った俺だったが……

(ちょっと怖いな、ここは)

まるで何かが出てきそうな雰囲気が漂うその道に、俺は若干怖くなっていた。
道全体が薄暗いからなのと、時より聞こえるカラスの鳴き声が恐怖心に拍車をかけて行く。

(早く抜けよう!)

そう決めて歩く足を速めようとした時だった。

「ん?」

突然発した光に俺は足を止めると、光ったと思われる場所―地面だが―にしゃがみ込んで見つめた。
そこにあったのは、青色のひし形の石だった。

「何だ? これ」

俺はその不思議な石を手にして立ち上がると、まじまじと観察する。
それは普通の石にも見えた。
だが、どうしてだろうか?
この石にとてつもない力を感じるのは。
その感覚を知っている。
俺ではないオレ・・・・・・・が。
俺は恐る恐るその石に手を伸ばす。
手にとっても特にこれと言って何も感じない。

(何だろう)

「ッ!?」

目の前にある宝石にも見えなくない石をまじまじと見つめていると、何かが首に当てられた。

「動かないでください」

掛けられるのは低く冷たい声。
俺は従うしかなかった。

「その石を渡してください」

続いて投げかけられた要求は、俺の手にする石を渡せという物だった。

「渡してくれるのなら危害は加えません」

なぜこの声の人物はこの石が欲しいのだろうか?
そんな疑問が脳裏をよぎる。
でも、この石を渡しさえすれば、俺は無事に家に帰ってこれるだろう。
俺は従うことにした。
だが、天はつくづく残酷な物だ。

「沈黙は拒否と受け取ります。力づくで奪わせていただきます」

その声がするのと同時に、俺は駆けだした。
本能が告げている。
この人は危険だと。

「なッ!?」
「逃げても無駄です」

目にも留まらぬ速さで俺の行く手を遮る。
金色の髪に赤い目、手には黒い斧のような杖。
紛れもなく”危険人物”だ。

「フォトンランサー・ファイアー!」
「ッ!?」

突如放たれた金色の弾はただの威嚇だったのか、かろうじて避けることが出来た。

「………フォトンランサー・ファイアー!」

だが、間髪入れずに今度は数十個の弾を放ってくる。
俺はそこから先の記憶がない。
気が付いたら、家の玄関ドアの前で呆然と立ちつくしていた。
どうやって俺はそこまでたどり着いたのか、そして右手に握りしめていた石はどうしたのか。
色々な疑問が残る中、俺はそれを夢だったことにした。










そんなこんなで、今近くにその子がいるのだ。
でも、きっともう敵じゃないのかもしれない
確証はないけど、俺は心のどこかでそう思うことにした。

【さて、そろそろ魔法講義も終わるとしよう】

どうやら師匠の講義も終わりのようだ。
俺は師匠に念話でお礼を言う。

「さあ、教室に戻るわよ!」

それとほぼ同時に、アリサは大きな声でそう告げる。
そして俺達は教室へと戻るのであった。
その間、テスタロッサさんからの視線を感じながら。

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第7話 講義

昼休みも終わり、俺は授業を受けていた。
科目は算数だ。

「三角形の内角の和は180度です。よってこの角度は――――」

その授業を聞きながら、俺は昼休みに師匠が話した魔法講義の事を思い出した。










【魔法と言うのは俗にいう、奇跡を起こす力だ】

最初の出だしはそれだった。
魔法使いともなれば、俺の友人たちの間では一種の夢物語な内容だ。
大人になって行くにつれて、そんなものは存在しないと考えるようになってしまう。
でも、俺は言い続けるだろうし、信じる。
魔法使いは実際にいるんだ、と。

【もちろん一般人には使うことはできず、この力が使える者は絶大な力とそれ相応の責任が追い求められる】
【責任?】

突然出てきた思い言葉に、俺は聞き返してしまった。

【そう、責任だ】

師匠は頷くように答えると言葉を続けた。

【魔法は人を幸せにしたりすることもできる反面、人を殺したり傷つけたりする武器にもなる】

それは、とても重い言葉だった。
”魔法”という漠然とした理想像に隠された思い言葉だった。

【だから魔法と言う力を使うのであれば、覚悟を決めることだ。これからもお前は人を傷つけたり殺めることがあるだろうからな】

まさかと思いたかったが、それはできなかった。
なぜなら昨日、俺はすでにその兆しを見たからだ。

(もし、師匠たちが来るのが遅れていたら……)

考えただけでも俺はぞっとした。

【そうだ。そのように力の恐ろしさを認識できただけで、お前は少し強くなった】

師匠はそんな俺にどういう威とかは分からないけど、声をかけてくれた。

【少しでも強くなれるように……自分の身を自分で守ることが出来るようにするために、今日の放課後から本格的に特訓を始めるぞ】
【はい!!】

俺は師匠の宣言に返事を返す。
かくして、俺の魔法の特訓はこの後から本格的になるのであった。

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