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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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EXTRA STAGE01:幸運をかけた戦い

――ステータス―――



数:5人
HP:30000
属性:神坂 春姫(火/Lv.3)、柊 杏璃(光/Lv.?)、高嶺 小雪(闇/Lv.3)、式守 伊吹(闇/Lv.4)、上条 沙耶(無/Lv.2)
EX:150%
ASSIST:すもも・準・ハチ・信哉


味方

数:5人
HP:1500
攻撃属性:シンx2(闇/Lv.3)、浩介x2(神・火・水・雷/Lv.8)、ナナカ(火/Lv.4)
守護属性:浩介以外、攻撃属性と同様(浩介は神属性)
EX:100%
ASSIST:パッキー、犬のぬいぐるみ

―――――――

start

敵のフレーム数

神坂 春姫(火)Lv.3:83F
柊 杏璃(光)Lv.3:87F
高嶺 小雪(闇)Lv.3:90F
式守 伊吹(闇)Lv.4:74F
上条 沙耶(無)Lv.2:63F


味方二人のフレーム数

シンA(闇)Lv.3:46F
シンB(闇)Lv.3:61F
浩介A(神)Lv.8:61F
浩介B(水)Lv.8:64F
ナナカ(火)Lv.4:45F

スタートダッシュに成功し、有利な状態での出だしとなった。


神坂 春姫(火)Lv.3:82F
柊 杏璃(光)Lv.3:77F
高嶺 小雪(闇)Lv.3:84F
式守 伊吹(闇)Lv.4:63F
上条 沙耶(無)Lv.2:72F


味方二人のフレーム数

シンA(闇)Lv.3:15F
シンB(闇)Lv.3:20F
浩介A(神)Lv.8:20F
浩介B(水)Lv.8:21F
ナナカ(火)Lv.4:15F


ユニゾン!

シンAとシンBに浩介Aとナナカがユニゾンとなった。

「詠唱、始め」

シンたちは詠唱を開始した。
続いて浩介Bが行動可能となった。

「行くぞ。ハイドロスイール!」
「ぐっ!?」

浩介Bの攻撃が伊吹を襲う。

「力を貸す。ダークインパルス!」
「おのれっ!」

さらに犬のぬいぐるみのアシスト攻撃が伊吹に炸裂する。




HP:29483↓517

神坂 春姫(火)Lv.3:61F
柊 杏璃(光)Lv.3:56F
高嶺 小雪(闇)Lv.3:63F
式守 伊吹(闇)Lv.4:47F↑5
上条 沙耶(無)Lv.2:51F

EX:102%↑2
STUN:7


味方

HP:1000

シンA(闇)Lv.5:14F
シンB(闇)Lv.5:19F
浩介A(神)Lv.10:19F
13浩介B(水)Lv.8:80F↑80
ナナカ(火)Lv.6:14F

EX:118%↑13
Rush:2
-14%


ユニゾン!

シンAとシンBと浩介Aにナナカがユニゾンとなった。

「今こそ、僕たちの力を合わせるとき」

ユニゾンリーダーは浩介Aだ。
攻撃の相手は伊吹。

「決める、エターナルディザスター!」
「効かぬ!」

シンAの攻撃が伊吹へと放たれる。

「呼ばれて飛び出たリンゴの実。追加攻撃!」
「ぐぅ!?」

さらにパッキーのアシスト攻撃が炸裂する。

「食らえ、永劫の災禍!」
「あぁ!!」

続いてシンBの攻撃が伊吹へと放たれる。

「行くぜ、魔王様。エクストラアタック!」
「調子に乗るな!」

さらにパッキーのアシスト攻撃が伊吹に炸裂する。

「ふっ! 星流の嘆き」
「こんなのっ!」

さらに浩介Aの攻撃が伊吹へと放たれる。

「我が力、受けてみよ。高の月武術、圧」
「ぐぁ!?」

浩介AのEx knock Backによって伊吹とその周囲にいる仲間たちが押し下げられた。

「浩介様! これが俺様の一撃だ!」
「っち!」

さらに犬のぬいぐるみのアシスト攻撃が伊吹に炸裂する。

「毎度、アルティメットフレア!」
「おのれっ」

そしてナナカの攻撃が伊吹に放たれる。

「世界の原点の力、受けてみよ。シャイニングスター!」
「がぁ!?」

浩介Aの渾身の一撃が伊吹に放たれた。




HP:14995↓14488

神坂 春姫(火)Lv.3:222F↑175(場外)
柊 杏璃(光)Lv.3:217F↑175(場外)
高嶺 小雪(闇)Lv.3:49F
式守 伊吹(闇)Lv.4:383F↑350(気絶)x50(場外)
上条 沙耶(無)Lv.2:212F↑175(場外)

EX:154%↑52
STUN:5


味方

HP:1000

18シンA(闇)Lv.3:65F↑65
18シンB(闇)Lv.3:75F↑70
13浩介A(神)Lv.8:85F↑80
13浩介B(雷)Lv.8:66F
18ナナカ(火)Lv.4:65F↑65

EX:262%↑144
Rush:11+7
165%


小雪が行動可能となった。

「そこです! アビスブレイカー」
「くっ」

小雪の攻撃がナナカを襲う。

「あなたの攻撃、読ませていただきました。ルファ・トゥーナ・ポルトス!」

小雪のEx Domeによって、一回の攻撃を無効化されるようになった。

「うおおお! 何だか燃えてきたぜ!」

さらにハチのアシストによって、敵のステータスが一定時間上昇した。




HP:14995

神坂 春姫(火)R,ST+ Lv.3:173F(場外)
柊 杏璃(光)R,ST+ Lv.3:168F(場外)
53高嶺 小雪(闇) R,ST+ Lv.3:95F↑95
式守 伊吹(闇)R,ST+ Lv.4:383F(気絶)x1(場外)
上条 沙耶(無)R,ST+ Lv.2:163F(場外)

EX:82%↓72
Rush:2
50%
STUN:5
R=1
ST+=50

味方

HP:928↓72

18シンA(闇)Lv.3:16F
18シンB(闇)Lv.3:26F
13浩介A(火)Lv.8:36F
13浩介B(雷)Lv.8:17F
18ナナカ(火)Lv.4:46F↑30

EX:274%↑12
STUN:8


シンAが行動可能となった。

「まだまだ、深淵滅壊」

シンAの攻撃が杏璃に向けて放たれるが、小雪によるEx Domeの効果で攻撃は無効化となった。
だが、今回の攻撃を無効化したことにより無効化効果は消滅した。

「カッキ―ン。ホームラン」
「きゃ!?」

パッキーのアシスト攻撃が杏璃に炸裂した。




HP:14813↓182

神坂 春姫(火)ST+ Lv.3:157F(場外)
柊 杏璃(光)ST+ Lv.3:202F↑50(場外)
53高嶺 小雪(闇)ST+ Lv.3:79F
式守 伊吹(闇)ST+ Lv.4:368F(場外)
上条 沙耶(無)ST+ Lv.2:147F

EX:84%↑2
STUN:4
ST+=34


味方

HP:928

36シンA(闇)Lv.3:60F↑60
18シンB(闇)Lv.3:10F
13浩介A(火)Lv.8:20F
13浩介B(雷)Lv.8:1F
18ナナカ(火)Lv.4:30F

EX:279%↑5
Rush:2
83%
STUN:8


浩介Bが行動可能となった。

「遅い! ライトニングシューター!」
「このままではっ」

浩介Bの攻撃が小雪に向けて放たれた。

「我が主の名のもとに。切り裂け!」
「うぐっ?!」

さらに犬のぬいぐるみのアシスト攻撃が小雪に炸裂する。




HP:14152↓661

神坂 春姫(火)ST+ Lv.3:156F(場外)
柊 杏璃(光)ST+ Lv.3:201F(場外)
53高嶺 小雪(闇)ST+ Lv.3:103F↑25
式守 伊吹(闇)ST+ Lv.4:367F(場外)
上条 沙耶(無)ST+ Lv.2:146F

EX:84%↑2
STUN:2
ST+=33


味方

HP:928

36シンA(闇)Lv.3:59F
18シンB(闇)Lv.3:9F
13浩介A(火)Lv.8:19F
26浩介B(雷)Lv.8:80F↑80
18ナナカ(火)Lv.4:29F

EX:292%↑13
Rush:4
16%
STUN:8


シンBが行動可能となった。

「行っけー。アビスブレイカー!」
「このっ!」

シンBの攻撃が杏璃へと放たれる。

「魔王の名の下に、アルケインメテオストリーム」
「呼ばれて飛び出たリンゴの実。追加攻撃!」
「痛っ!」
「サリーちゃん登場。だららー」
「効かないわよ!」
「不浄な輩め。国津神の息吹!」
「待ちなさいよ!」
「戦場は血が騒ぐ。ダブルショット」
「認めないわ!」
「オイタしちゃうわよ。二千本桜!」
「うぐっ!」
「カイチョー呼んだか? オマエ、食う」
「痛いわよ!」
「行くぞ、魔王殿。俺の渾身の一撃だ!」
「痛くないわ!」

シンBのEx Cooperateによって杏璃に集中砲火が浴びせられる。

「行くぜ、魔王様。エクストラアタック!」
「やったわね!」

さらにパッキーのアシスト攻撃が杏璃に炸裂する。




HP:11236↓2916

神坂 春姫(火)ST+ Lv.3:147F
柊 杏璃(光)ST+ Lv.3:242F↑50(場外)(気絶)x50
53高嶺 小雪(闇)ST+ Lv.3:94F
式守 伊吹(闇)ST+ Lv.4:358F(場外)
上条 沙耶(無)ST+ Lv.2:137F

EX:96%↑12
STUN:1
ST+=24


味方

HP:1656↑728

36シンA(闇)A+ Lv.3:50F
36シンB(闇)A+ Lv.3:70F↑70
13浩介A(火)A+ Lv.8:10F
26浩介B(神)A+ Lv.8:71F
18ナナカ(火)A+ Lv.4:20F

EX:140%↓152
Rush:14
222%
STUN:8
A+=99


浩介Aが行動可能となった。

「渾身の一撃を放つ準備を」

浩介Aは詠唱を開始した。
続いて、ナナカが行動可能となった。

「てりゃっ。あっついのを食らいやがれっ!」
「そんなっ」

ナナカの攻撃が小雪へと放たれる。

「うぅ、目の前がくらくらと」

小雪は気絶状態となった。




HP:10962↓274

神坂 春姫(火)ST+ Lv.3:127F
柊 杏璃(光)ST+ Lv.3:242F(場外)(気絶)x30
53高嶺 小雪(闇)ST+ Lv.3:94F↑20(気絶)x50
式守 伊吹(闇)ST+ Lv.4:338F(場外)
上条 沙耶(無)ST+ Lv.2:117F

EX:108%↑12
STUN:9
ST+=4


味方

HP:1656

36シンA(闇)A+ Lv.3:30F
36シンB(闇)A+ Lv.3:50F
13浩介A(火)A+ Lv.10:10F
26浩介B(神)A+ Lv.8:51F
56ナナカ(火)A+ Lv.4:75F↑75

EX:148%↑8
Rush:15
238%
STUN:8
A+=79


浩介Aが行動可能となった。

「渾身の一撃。火と共に朽ち果てろ!」
「っち!」

浩介Aの攻撃が伊吹へと放たれる。

「あんた、勘違いしてるぞ。お前は僕の仲間だろ? さあ、我と共に敵を討とう」
「む?!」

さらにEx Disturbによって伊吹は錯乱状態となり浩介達の仲間となった。

「俺を忘れてもらっては困るな。エクストリームスプライト」
「おのれっ!」

犬のぬいぐるみのアシスト攻撃がさらに伊吹へと襲い掛かる。




HP:7054↓3908

神坂 春姫(火)Lv.3:117F
柊 杏璃(光)Lv.3:242F(場外)(気絶)x20
53高嶺 小雪(闇)Lv.3:94F↑20(気絶)x40
式守 伊吹(闇)Lv.4:343F↑15(場外)(行動不能)
上条 沙耶(無)Lv.2:107F

EX:118%↑12
STUN:7


味方

HP:1656

36シンA(闇)A+ Lv.3:20F
36シンB(闇)A+ Lv.3:40F
46浩介A(火)A+ Lv.10:80F↑80
26浩介B(神)A+ Lv.8:41F
56ナナカ(火)A+ Lv.4:65F
式守 伊吹(闇)Lv.4:62F

EX:79%↓69
Rush:17
89%
STUN:8
A+=69


シンAが行動可能となった。

「まだまだ。深淵滅壊!」
「きゃ?!」

シンAの攻撃が沙耶に向けて放たれる。

「俺様登場。追加攻撃」
「そんなっ!」

さらにパッキーのアシスト攻撃が炸裂する。




HP:6110↓944

神坂 春姫(火)Lv.3:97F
柊 杏璃(光)Lv.3:242F(場外)
53高嶺 小雪(闇)Lv.3:94F(気絶)x20
式守 伊吹(闇)Lv.4:343F(場外)(行動不能)
上条 沙耶(無)Lv.2:117F↑30

EX:120%↑2
STUN:5


味方

HP:1656

74シンA(闇)A+ Lv.3:60F↑60
36シンB(闇)A+ Lv.3:20F
46浩介A(水)A+ Lv.8:60F
26浩介B(神)A+ Lv.8:21F
56ナナカ(火)A+ Lv.4:45F
式守 伊吹(闇)Lv.4:42F

EX:92%↑13
Rush:19
190%
STUN:8
A+=49


シンBが行動可能となった。

「決める。アビスブレイカー」
「きゃあ!」

シンBの攻撃が春姫に向けて放たれる。

「呼ばれて飛び出たリンゴの実。追加攻撃」
「ぐぅっ!?」

さらにパッキーのアシスト攻撃が春姫に炸裂する。




HP:4725↓1385

神坂 春姫(火)Lv.3:87F↑30
柊 杏璃(光)Lv.3:222F(場外)
53高嶺 小雪(闇)Lv.3:94F
式守 伊吹(闇)Lv.4:343F(場外)(行動不能)
上条 沙耶(無)Lv.2:97F

EX:122%↑2
STUN:3


味方

HP:1656

74シンA(闇)A+ Lv.3:40F
74シンB(闇)A+ Lv.3:70F↑70
46浩介A(水)A+ Lv.8:40F
26浩介B(神)A+ Lv.8:1F
56ナナカ(火)A+ Lv.4:25F
式守 伊吹(闇)Lv.4:22F

EX:105%↑13
Rush:21
303%
STUN:8
A+=29


浩介Bが行動可能となった。

「はぁっ。星流乱舞!」
「きゃ!?」

浩介Bの攻撃が沙耶へと放たれる。

「浩介様。これが闇の力だ!」
「効きません!」

さらに犬のぬいぐるみのアシスト攻撃が沙耶に炸裂する。




HP:2083↓2642

神坂 春姫(火)Lv.3:86F
柊 杏璃(光)Lv.3:221F(場外)
53高嶺 小雪(闇)Lv.3:93F
式守 伊吹(闇)Lv.4:343F(場外)(行動不能)
上条 沙耶(無)Lv.2:126F↑30

EX:124%↑2
STUN:1


味方

HP:1656

74シンA(闇)A+ Lv.3:39F
74シンB(闇)A+ Lv.3:69F
46浩介A(水)A+ Lv.8:39F
59浩介B(神)A+ Lv.8:80F↑80
56ナナカ(火)A+ Lv.4:24F
式守 伊吹(闇)Lv.4:21F

EX:118%↑13
Rush:23
235%
STUN:8
A+=28


伊吹が行動可能となった。

「行くぞ。アビスブレイカー」
「いけませんっ!」

混乱状態にある伊吹は小雪へと攻撃を放つ。

「この技、避けれるなら避けてみるがよい。ラ・ディーエ!」
「ぐぅぅ!!?」

伊吹のEx Barrageが小雪に炸裂する。

「伊吹様、お下がりください。雷神の太刀!」
「きゃああ?!」

さらに信哉のアシスト攻撃が炸裂する。
小雪は気絶状態となった。
伊吹は錯乱状態から回復した。




HP:59↓2024

神坂 春姫(火)Lv.3:65F
柊 杏璃(光)Lv.3:200F(場外)
53高嶺 小雪(闇)Lv.3:82F↑10(気絶)x50
式守 伊吹(闇)Lv.4:343F(場外)
上条 沙耶(無)Lv.2:105F

EX:68%↓56
STUN:4


味方

HP:1656

74シンA(闇)A+ Lv.3:18F
74シンB(闇)A+ Lv.3:48F
65浩介A(水)A+ Lv.8:18F
59浩介B(火)A+ Lv.8:59F
56ナナカ(火)A+ Lv.4:3F

EX:161%↑43
Rush:28
305%
STUN:8
A+=7


ユニゾン!

シンAと浩介Aがユニゾンとなった。

「力を解き放つ」

二人は詠唱を開始した。
続いてナナカが行動可能となった。

「精神一到」

ナナカは詠唱を開始した。

ユニゾン!

シンAと浩介Aとナナカがユニゾンとなった。

「さあ、命乞いの用意はいいか?」

ユニゾンリーダーは浩介Aだ。

「くらいな。アイシクルインパクト!」
「うぐぅ!?」

浩介Aの攻撃が春姫に放たれた。

Finish!!

「浩介様の名のもとに。ダークネスシュート!」
「負けない!」

さらに犬のぬいぐるみのアシスト攻撃が炸裂する。

「たぁ! アルティメットフレア!」
「まだだわ!」

続いてナナカの攻撃が春姫に向けて放たれる。

「行っけ―! 永劫の災禍!」
「うぐぅ!?」

そしてシンAの攻撃が放たれる。

「これが盟約の力。アルケインメテオストリーム!」
「じゃじゃーん。エクストラアタック!」
「このくらい!」
「アタシにおまかせ。会心の一撃!」
「痛っ!」
「お任せください。ダブルショット」
「当たらないわ」
「不浄な輩め。神速の祝詞」
「どこを狙ってるのかしら?」
「はーい、ヘレナよ。二千本桜!」
「ぐぅ!」
「オデ、頑張る。エーテルスカベンジャー」
「このままだとっ」
「行くぞ。これが俺の一撃だ!」
「認められないわ!」

シンAのEx Cooperateによって、春姫に集中砲火が浴びせられる。

「行くぜ、魔王様。追加攻撃!」
「何で!?」

さらにパッキーのアシスト攻撃が春姫に炸裂する。

「さあ、終焉の時だ。グラシアルエッジ!」
「きゃあ!?」

そして浩介の止めの一撃が春姫に放たれた。




HP:0↓57179

神坂 春姫(火)Lv.3:337F↑310(場外)(気絶)x100
柊 杏璃(光)Lv.3:162F(場外)
53高嶺 小雪(闇)Lv.3:82F(気絶)x12
式守 伊吹(闇)Lv.4:305F(場外)
上条 沙耶(無)Lv.2:67F

EX:127%↑39
STUN:7


味方

HP:12509↑11853

92シンA(闇)Lv.5:0F
74シンB(闇)Lv.3:10F
78浩介A(水)Lv.10:0F
59浩介B(火)Lv.8:21F
74ナナカ(火)Lv.6:5F

EX:214%↑53
Rush:41
818%
STUN:8


「これに懲りたら、二度と楯突かないことだ」










「そんな、馬鹿……な」

何とか勝利した僕たちの目の前で崩れ落ちていく少女たち。

「だ、大丈夫ですか!?」
「狼狽えるな。ただ寝ただけだ」

慌てながら彼女たちに近づこうとするシンに、僕はそう告げる。

「でも……」
「案ずるな。今の戦闘でのダメージは大した問題にはならないから」
「お前、いったいこいつらに何をしたんだ?」

大賢者の鋭い問いかけの言葉がかけられる。
さすがに、大賢者相手には隠せないか。

「あいつらに催眠術をかけたんだよ」
「催眠!?」

僕の答えに、ナナカさんが驚いた様子で声を上げる

「とは言っても、ちょっとばかし好戦的になるようにするのと一定のダメージを受けたら眠るようにさせるものだけど」
「つまり、わざと戦って相手を気絶させる……でも、そんなことをしていったい何のメリットが」
「それは時期にわかる。どうやら来たみたいだ」

僕は視線を二人のいる法とは別の方向に向ける。

「あれって、メリロットさん!?」
「しかも何かを抱えてるけど」

そこにはこちらに向かって歩いてくる、彼女たちの探していた人物を抱えたメリロットさんの姿があった。

「どうやら、そちらも終わったようですね」
「ええ。ちょうどいいタイミングです」

声をかけてくるメリロットさんに、僕は頷きながら答えた。

「ちょっと待って、これはどういうことなの?」
「それは私からご説明しましょう」

シンの問いかけに答えたのはメリロットさんだった。

「最初、彼を見つけた際に、高月君と打ち合わせをいたしました」


★ ★ ★ ★ ★ ★


それはメリロットが雄真を見つけた時のこと。

「それで、その青年は?」
「図書館のほうで保護しております」

図書館の前で、浩介とメリロットは保護をした雄真について話をしていた。

「青年の様子は?」
「まだ混乱しているようですが、少しずつ落ち着いてきています。これでしたらこの学園に入ってきたほかの方たちに関する情報を聞き出せるかもしれません」

メリロットの言葉に、浩介は”ふむ”とつぶやきながら顎に手を当てて考え込む。

「話を聞き出したら、彼の紅茶に眠り薬を混ぜてもらってもいいですか?」
「……何をする気ですか?」

浩介の問いかけに、メリロットの視線が少しだけ鋭くなる。

「この学園内に条件発動型の催眠魔方陣を仕掛けて、好戦的にさせます」
「それはかなり危険では……私は推奨できません」

浩介の説明に、メリロットは苦言を示した。

「ご安心を。魔力を持つ者かつ、この学園の学生以外のものでしか発動しないようにします」
「………なるほど」

浩介の説明に、メリロットはつぶやいた。

「発動条件は魔力を持ち、なおかつこの学園の学生ではない人物。魔将たちは一度ここに入っているため、データは採取済み……認知されていない魔将や魔族たちでなければ誤作動はほぼおこりません。起こった際にはこちらで責任を持って対処します」
「分かりました。そこまでおっしゃるのでしたら、高月君の提案を呑みましょう」
「ありがとうございます。対象者たちにはダメージの軽減と一定ダメージを受けたら眠るようにもしますので、とりあえず時間を見計らってフィーニスの塔で合流と言う形にしましょう」

それが、二人の計画であった。


★ ★ ★ ★ ★ ★


「ということです」
「「………」」

メリロットの説明が終わり、ナナカさんとシンは唖然としていた。

「お、俺様よりえげつねえぜ」

そんな中、そう感想を漏らしたのは大賢者パッキーだった。

「目的のためであれば手段は選ばない。たとえ親であろうと利用する」
「と、とりあえずこの人たちどうするの?」

深く突っ込まない方がいいと感じたのか、ナナカさんが地面に倒れ伏す少女たちに視線を向けながら聞いてきた。

「このまま元の世界へと戻す。戻って少しすれば目が覚めるはずだし、ここでのことの記憶はすべて消去される。されなくとも夢程度の認識だろう」
「それも計画のうちだったということ?」

シンの問いかけに、頷いて答える。

「さあ、始めるか」

僕はそう告げて神剣二本を構える。

「ふっ!」

それに霊力を込めて僕は、地面に倒れている少年少女たちを挟むように剣を地面に投げ飛ばした。

「azel,melth,eudia,d,adioms」

静かに言葉を紡いでいく。
それに呼応して地面に刺さる二本の剣は光を纏わせる。

「taxio!!」

紡ぎ切った瞬間、二本の剣に纏う光は一気に膨れ上がり、僕たちの視界をふさいだ。
やがて、視界が戻るとそこには彼女たちの姿はなかった。
こうして、ここ流星学園に舞い込んだ侵入者騒動は幕を閉じるのであった。










数日後、流星学園、生徒会室。

「はぁ………」

そこでは、浩介の深いため息が響いていた。

「どうしたのさ、深いため息なんてついちゃって」
「あ、分かりました! これはずばり、禁断症状ですね!」
「誰がジャ○キーだ!」

首をかしげるナナカの声に、目を輝かせて答えるロロットの言葉に反応した浩介は、そのままずるずるとソファーに腰掛ける。

「実はね」

そんな浩介の様子を尻目に、リアが苦笑しながらナナカに耳打ちした。

「え? 聖沙に怒られた?」
「うん。そうみたい」

ハトがまめ鉄砲を食らったような表情を浮かべるナナカに、リアが頷く。
浩介はことの顛末を知った聖沙に、おとがめを受けることとなったのだ。
ちなみに、おとがめの内容としては、

『信じられない! 関係ない学園の生徒がかかったらどうするつもりだったのよ!』
『どうして私じゃなくてナナカさんなのよ!』

出会ったのは、リアと浩介しか知らない。

「えっと、お疲れ様?」
「ただの自業自得だぜ」

どう声を掛ければいいかが把握できなかったシンの労いの言葉に、パッキーはため息を漏らしながらやれやれという姿勢でつぶやく。
こうして、彼らの日常は続いていく。
少しさきに来る”リ・クリエ”の問題へと立ち向かいながら。

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『けいおん!~軽音部と月の加護を受けし者~』最新話を掲載

こんばんは、TRです。

本日『けいおん!~軽音部と月の加護を受けし者~』の最新話を掲載しました。
ようやっと次回からは学園祭当日の話になります。
なんだかんだでかなり話が進んだなと思う今日この頃です。


それでは、これにて失礼します。

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第22話 ボーカル

紆余曲折経て、ボーカルは唯に決まった。

「よし、それじゃ歌ってみようか」
「らじゃー!」

律の指示に、唯は敬礼をすると息を吸い込んだ。
そしてついに歌い始めた。

「ちょっとちょっと」

律は、慌てて歌っている唯を止めた。

「ギターを弾きながら歌って」
「あ、そうだった。忘れてた」

(忘れてたって)

いろいろと突っ込みたかったが、もう一度唯にやってもらうことにした。
ポップな感じの曲調のギターの音色が響く中、しばらくたっても肝心の”歌”がない。

「「「「今度は歌うのを忘れてる」」」」

僕の中には”絶望的”という言葉が浮かんでしまった。
非常に失礼だから言わないが。










「うぅ……ギターを弾きながら歌が歌えない」

一番落ち込んでいるのは当の本人だ。

「うーん。マルチタスク能力の欠如か………これは少しばかり先が思いやられるな」

顎に手を添えてどうしたものかと考えをめぐらす。

「とりあえず、ボーカルトレーニングをしておいたらどうだ?」
「ぼーか……なにそれ?」

僕の提案に、唯が首をかしげて聞いてきた。

「簡単に言えば、歌の練習のようなもの」
「おぉー。でも、それはどうやってやればいいのかな?」

そこで、僕は固まってしまった。
普通、ボーカルトレーニングは専門のトレーナーの人の指導のもと行う。
だが、そうすると先立つ物が必要になる。
彼女の場合だと、初手からやる必要があるためそれなりの額になることは必至。
一学生の彼女に、そんな負担をさせてまでなすべきことなのだろうか?
プロデビューを考えているならともかく、アマチュアレベルで今後も行くことを考えるのであれば、それは非常に採算が取れなくなる可能性がある。

(僕の方でもできなくはないけど……)

それをすれば、おそらく僕の正体が知られることになるだろう。
それを考えると、どうしてもためらわれた。

「仕方ないわね。私が特訓してあげるわ」
「先生!」

そんな中、自ら名乗りを上げたのは、山中先生だった。

「それじゃ、まずは歯ギターから――」
「それはいいです」

唯の肩をつかんで歯ギターを教えようとするが、唯が問答無用と言わんばかりに断った。
こうして、山中先生による唯への特訓は幕を開けるのであった。










唯の特訓が始まって数日後のこと。
学園祭のことで打ち合わせに来た生徒会役員の真鍋さんと、打ち合わせを進めていた。
曲目は『Leave me alone』に『Don't say "lazy"』、そして締めを飾る『ふわふわ時間タイム』の三曲だ。
最初はカバー曲、あと二曲がオリジナルと言う構成になっている。
次のライブでは、すべてオリジナルにするのもいいかなと思っているのはここだけの話だ。

「ボーカルは唯と澪と高月君の三人、と」
「うぅ……」

隣で哀愁を漂わせている澪を僕は見なかったことにした。
理由は明白。
澪も歌うことになったからだ。
その時はいろいろと大変だった。
ふと、その時のことを思い出した。










それはつい先日のこと。
いつものようにデザートに舌鼓を打っているときのことだ。

「あ、そうだ澪」
「何? 浩介」

僕は、言おうと思っていたことを切り出すことにした。

「オリジナルで作った曲の一つ『Don't say "lazy"』のことなんだけど」
「あれが、どうかしたのか?」
「その曲だけ、ボーカルをやってもらいたいんだけど」

どう告げたものか悩んだが、ストレートに言ったほうがいいだろうと結論付けた僕は、直球で口にした。

「えぇ?!」

案の定、澪は飛び上がらん勢いで驚きに満ちた声を上げる。

「頼める?」
「嫌だ!」

一刀両断で断られてしまった。

「やっぱりだめか」
「断られるの分かっててどうして聞くかな、あんたは」

あきれた口調で、律が聞いてくる。

「この曲を構成した時から、ボーカルは澪が一番合っていると思ってたんだよ。だから、どうせなら澪に歌ってもらおうと思ったんだけど……」
「絶対に嫌だっ!」

視線を感じたのか、澪は耳をふさぎながら再び拒絶した。

「唯が歌えばいいじゃないか」
「確かに。でも、澪のほうがこの曲は最適だと思う」

唯が歌う予定の曲は、ふわふわした感じのアップテンポの曲。
こういう場合、唯の声は曲と非常にマッチしているため、自然と曲が輝くのだ。
つまり、曲との相性は抜群と言うことだ。
そして僕が澪に歌ってほしいと思っている『Don't say "lazy"』は、ふわふわしたものではなく、スピーディーで力強い曲調。
この場合で考えると澪の歌声のほうが相性がいいと判断したのだ。
良曲も歌い手次第では悪曲となることがあるため、歌い手の選択も重要なことなのだ。
ちなみに、悪曲に代表されるのはカラオケなどで歌われる聞くに堪えない音痴な歌だったりする。
音程はめちゃくちゃ、タイミングもあっていないなどなど、探せばいくらでもそういうデータが存在するほどだ。
唯がこの曲を歌うと、”力強い”曲調が生かし切れなくなってしまう可能性が高い。

(まあ、僕のわがままなんだけど)

曲の相性云々と屁理屈をこねているが、結局は彼女が歌うこの曲を聞いてみたいという僕のわがままでもあった。
それに、誰が歌ったから失敗と言うものでもない。
要は、その曲をだれに歌ってもらうことを想定して作ったかが重要なのだ。
それが今回の場合は澪だったというだけの話で、唯が

(とはいえ、仕方ない。最終手段だ)

こうなるであろうことは想像していたため、僕は最終手段を使うことにした。

「分かった。だったら、こういうのはどうだ?」
「……どういうの?」

僕は、妥協案を澪に提示することにした。

「二人で歌う」
「二人……デュエットでってこと?」

僕は澪の問いかけに頷くと補足する。

「二人で歌えば、注目も分散されるし恥ずかしいとかそういうのも薄れると思うけど。どうだろう?」
「……………」
「分かった。歌う」

しばらくして彼女が出したのは、承諾であった。

「す、すごい。あの澪に頷かせるとは。浩介、恐ろしい子っ!」

こうして、律から恐ろしいやつ認定をされることになってしまった。
彼女が母国での僕の二つ名を聞いたらどういう反応をするのかが、微妙に気になったのはどうでもいいことだ。










「でも、唯は大丈夫なの?」

僕が先日のことを思い起こしている間、話がかなり進んでいたようだ。

「この間から放課後にさわ子先生と特訓してるんだ」
「たぶん間に合うとは思うけど」

そう澪が言い切った瞬間だった。
力強く開けはなれたドアから入ってきたのは、山中先生と唯の二人だった。

「完璧よ」

サムズアップしながら、そう告げる山中先生の言葉が正しいと感じさせる雰囲気を唯は纏っていた。

(な、なんだ? これが特訓によって進化した、平沢唯の姿とでもいうのか?!)

何だか自分でも支離滅裂な感じになっている。
それほど、彼女の雰囲気にのまれているということだ。
そして、唯はギターを弾き始めた。
その瞬間、さらに僕は背筋に電流が通ったような錯覚を覚える。
ゆがみのない音程、そしてメリハリのあるその奏法。
それらは彼女のギターの腕がかなり上達したと思わせるのに十分だった

「スゥ……」

いよいよ問題の歌の部分だ。
この調子ならばかなりうまく歌えるという確証が僕の中にあった。
だが、それは無残にも裏切られることになる。
彼女の口から出た声色は、ガラガラとしたものだった。

「練習させすぎちゃった、テヘ♪」
「かわいく言ってもだめだっ!」

練習のしすぎによって、声がかれてしまったらしい。

(これはまずい)

『ふわふわ時間タイム』は、唯が歌うことを前提にしていたため、それを歌う人物がいなくなるというのは、かなり最悪な状況だった。

「と言うことは……」

その言葉に、自然と視線は一人の人物へと集まっていく。

「………えっ!?」
「そうね。澪ちゃんなら歌詞覚えているでしょうし」
「頑張ってね澪ちゃん」

こうして、完全に一人で歌う曲ができてしまった。
そんな澪はと言うと

「……~~~~」
「うわ!?」
「み、澪ちゃん!?」

ついに沸点を超えたのか、顔を真っ赤にして倒れてしまった。

(こ、こりゃあれをデュエットにして正解だったな)

もしあれも澪一人で歌うとなったら、どうなっていたか想像がつかない。

『Don't say "lazy"』が、デュエットになったのがせめてもの救い……なのか?










『あはは、それは大変だ』
「他人事だと思って」

軽快に笑う、電話先の相手に僕はため息交じりで返す。
夜、自室で勉強をしているとかかってきた電話の相手は中山さんだった。
彼女に、学園祭でのライブのいきさつを話したところ、返ってきたのがさっきの言葉だ。

『でもそうか。ついに浩介も初舞台になるわけか』
「いや、別に初舞台はとっくの昔にやってるんですが」

少し前に、H&Pのデビュー時のライブが僕にとっての初舞台であった。

『そういうことじゃなくて、高月浩介としてのデビューでっていう意味だよ』
「………」

考えてみればそうだった。
DKとしてはすでにデビューしているが、高月浩介としてはこれが初めての舞台なのだ。

「中山さんは僕にプレッシャーでも与える気ですか?」
『あははっ!』

僕の恨めしい言葉に、中山さんは電話口で高らかに笑い出した。

『ごめんごめん。浩介ほど”プレッシャー”っていう単語が似合わない人はいないからついね』

確かに、僕ほどプレッシャーだの、緊張だのが似合わない人はいないだろう。

(まあ、緊張したりするくらいは僕にでもあるんだけどね)

一度大きな緊張をすると、小さなプレッシャーなどに動じなくなってしまう。
……たぶん。

「私だって緊張することぐらいはありますよ」
『想像がつかないんだけどね。あの初舞台の時の君の言葉を聞くと』

ずいぶんと懐かしいことを中山さんは言ってくる。

『”怯えるな。たとえ、観客どもが野次を飛ばそうが、瓶を投げようがそれらをすべて歓声と思い、すべてを出し切れ。お前らの敵は観客ではない、自分自身だ”……あの言葉は、私たちをしびれさせたよ』
「……お恥ずかしい限りです」

それは”昔の僕だった”からこそ口にできた言葉だった。
今は、あのような内容の発言はしないと思いたい。

『まあ、それはともかく。学園祭の時は私たちも顔を出すよ。あのDKがともに演奏することを認めた異例のバンドなのだからね。どのようなバンドか見ておきたいし』
「そんな、期待されても……別に演奏のオファーを断り続けているのは、相手が悪いからと言うわけではなくて」

中山さんの言葉に、思わず苦笑してしまう。
実際に、僕に自分のバンドで臨時に演奏をしてほしいというオファーがいくつも寄せられたが、僕はそれをすべて断った。
でも、それは

『私たちに気を使ったんだろ?』
「………」

僕の心の中に思い浮かべたことをそのまま言われてしまった。

『自分出活動したら、私たちに申し訳ないから断り続けたんだろ?』
「はぁ……かないませんね。中山さんには」

中山さんの鋭い指摘に、僕は苦笑した。
演奏のオファーを断り続けたのは、それが主だった。
今思えば、ここに来るまでは他人を気遣った行動などをしたことはなかったため、あの時初めて他人に気を使って行動をしたと言うことになるのだろう。

『何年バンドやっていると思うんだ? それくらいはわかるさ』

あきれたような口調で返す中山さんの声からは、怒りなどの感情は見えなかった。

『あ、そうそう。次のライブだが一週間後を予定しているから、ミーティングと軽い練習をすることになるから、そのつもりで』
「分かった」

復帰後3回目のライブはどのようなものになるのか。
今はわからないが、とりあえずギターの練習の時間を少しばかり増やしておこうと心の中で決めた瞬間だった。
なんだかんだ言って、練習自体がまともにできていないため不完全燃焼中だったりするのだ。

『それじゃ、学園祭楽しみにしてるぞ』
「了解。それじゃ、お休み」

中山さんも”お休み”と返して電話は切られた。

「さて、僕も寝るとするか」

時間を見れば、いい時間帯だったため、僕は明りを消してベッドにもぐりこむ。
こうして、時間は過ぎていき、気が付けば学園祭当日を迎えるのであった。

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『けいおん!~軽音部と月の加護を受けし者~』最新話を掲載

こんばんは、TRです。

大変お待たせしました。
本日『けいおん!~軽音部と月の加護を受けし者~』の最新話を掲載しました。
いよいよ学園祭に向けて動き出し始めました。
次話では曲名やボーカルなどが決まります。
この学園祭編は数話ほど続く予定です。


それでは、これにて失礼します。

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第21話 歌

脅迫という非常に強引な方法で何とか顧問は決まった。
それによって、ようやく軽音楽部は部として認められるにいたった。
だが、それに胸をなでおろす暇はない。
軽音部にとって初舞台でもある文化祭までそう日がないのだ。
ということで、さっそく山中先生にお願いをして演奏を聴いてもらうことになった。

「こんな感じのオリジナルなんですけど、どうですか?」

アレンジした曲は除外して、残すオリジナルの二曲を演奏したのだが、あまり芳しくはなかった。
正直に言えば音はばらばらで、リズムキープもできていない。
何より、各音色がぼやけてしまっているような感じだ。
それは僕も同じことだった。
僕の問題点として上がるのが、浩介=DKであることが知られないようにするために演奏のレベルを数段階落とすことで対策をしていることだ。
ちなみに、当初言っていた”ギターをいじって弦が切れやすくさせておき、楽器を選ぶ目がないのでプロではない”という構成は軽音部に入ってわずか数週間で破たんとなった。
理由としては、僕のくだらないプライドによるものだった。

―プロたる者、相棒に改悪するのは下種のすること―

その言葉が浮かんだ僕は、すぐさま弦をちゃんとしたものに張り替えた。
その結果弦は切れにくくなることとなり、ギターに細工をするという計画は失敗に終わるという何とも悲しい結果だけが残った。
となれば、自分の腕を数段階落とすしかない。
だが、落としたら落としたで、今度はどの程度落とせばいいのかのラインが分からなくなってしまうという問題が発生したのだ。
今現在、その領域の計算中だったりするのだが、そのせいで演奏自体に支障が出てしまい不協和音になりかけている曲ができてしまっているのだ。

(それに、何か忘れているような)

そして僕が悩んでいるのはそれだった。
何かを忘れているというより、何かが足りないような気がするのだ。
楽器の演奏のラインかと思い見直しをしてみたものの、特に問題点は見つからなかった。
尤も、譜面に問題があれば合宿の際に気づいているわけだが。
見直しが終わったのがつい先日のこと。
今はお手上げだとばかりに考えている状況だったりする。
さて、澪に感想を求められた山中先生は顎に手を当てて考え込む仕草をしている。
僕たちは、彼女の口から出る感想を固唾を呑んで待っていた。

「前のリ後のりとか、リズムセクションがバラバラとか、気になることはあるけど」

山中先生の評価は非常に厳しい物であり、そして僕がほぼ想定していたものでもあった。
だが、山中先生はさらに言葉を続けた。

「まず、ボーカルはいないの?」
「……………」

山中先生の問いかけに、再び部室内に痛い沈黙が走った。

「「「「「あっ!!」」」」」

そして一斉に声を上げた。

(そうだよ、歌だよ)

足りないものの正体は、意外に簡単なことであった。
オリジナルの二曲には、”ボーカル”がないのだ。
だからこそ足りないという感想を抱いたのだ。
とはいえ、一番問題なのはそのことに気づきもしない僕自身にあるのだが。

(こういう時にカバーバンドとしての欠点が出てくるわけか)

H&Pはほかのバンドが演奏した曲をカバーする”カバーバンド”という区分となっている。
要するに、自分たちで曲を作ったことはない。
もしかしたら他の皆にはあるのかもしれないが、僕には作曲経験は皆無。
できることとしたら、ベースとなる音にさらに楽器などを重ねて行ったりするアレンジなどしかない。
そして、当然だがカバーする元の曲には歌詞がすでにあるためそれが普通となってしまった僕が気づけるはずもない。

(こりゃ、プロというよりはエセプロだな)

思わずため息がこぼれそうになるのを必死にこらえた。

「まさか、歌詞もまだ?」
「えぇっと……」

歌がないことにすら気づいていないのだから、歌詞などあるわけがない。

「それでよく学園祭のステージに出ようだなんて考えたわね?」
「す、すみません」

山中先生の顔が引きつっていた。
それはいつしか体全体に広がっていく。
それは爆発の兆候でもあった。

「今まで音楽室を占領して、何をやっていたの?! ここはお茶を飲む場所じゃないのよ!」
「す、すみません!!」

予想通り……いや、予想以上の爆発に謝ってしまった。
いや、それが普通なんだが。
だが、山中先生はそれで止まらなかった。

「大体ねっ!」
「ひぃぃ!?」

先ほどのような般若の表情をしてさらに詰め寄ってきたため、僕は横に逃げた。

「先生!」
「あぁっ!?」

もはや教師というより、チンピラにも近い状態の山中先生に果敢にも声をかけたのは、意外なことにムギだった。

「ケーキ、いかがですか?」
「えぇ!?」

その手には、いつ持ったのかケーキの箱があった。
突然ケーキを差し出してきたムギに驚く僕たちにさらに追い打ちをかける人物がいた。

「いただきますっ!」
(いただくのかよ!?)

やはり女性はスイーツなどの甘いものには勝てないということなのか?
とはいえ、実験するほど僕は馬鹿ではないが。
この後、二曲の歌詞をそれぞれ書いてくるということでお開きとなった。
ちなみにその後は、先生に指摘された問題点を改善するべく練習をすることとなった。

「ほへー、練習後のお茶はまた格別どすなー」
「そうだねー」
「練習後って……二曲を二回ずつ通しで弾いただけなんだけど」

椅子に座ってムギが入れたお茶を飲みながら黄昏ている律と唯の二人に、僕はため息交じりに突っ込む。
実際に、そこまでいう程に弾いているわけではない。
だが、ひとたび休憩となった途端こうなってしまった。

「根を詰めてもよくはならないんだし、適度に休憩を入れることも重要よ」
「……」

顧問でもあり、軽音楽部OGである山中先生の言葉に、僕は口を閉じることしかできなかった。

「おぉ~、先生が天使に見える」
「あら、天使みたいに美人だなんて」

律の言葉に、山中先生は嬉しそうに頬に手を当ててもじもじとし始める中、僕は観念して席に着いた。

「はい、どうぞ」
「あ。ありがと」

ちなみに今日のデザートは今日はタルトだった。
お茶の入ったコップとタルトケーキの乗ったお皿が差し出された。
それを僕は、口に運ぶのであった。










「作詞と言ってもな」

夜、自室で僕は放課後に出た課題『曲の歌詞を考える』に取り掛かっていた。
すでに夕食、お風呂、予習復習共に済ませていたため寝るまでの数時間をつぎ込むことができるようになったのだ。

「まあ、とりあえずやってみるか」

そして僕は作詞に取り掛かった。

「よし、完成!」

作詞自体はすぐに終わった。
作詞したのは僕がムギに頼んだスピード感のある曲調の曲だった。

「とはいえ、これは……」

完成した詩に、僕は目を通してみた。

『目の前にある山を切り落とし、立ちふさがる敵を打倒せ―――――』

「うん。完全に没だ。というか確実にだめだ」

歌詞が物騒すぎる。
確かに、タイミングは合いそうではあるが、まず確実にこれを目の前で歌われたらひかれること間違いない。
と言うか、歌詞自体が痛い。
痛覚と言う意味ではない。
確実にこれを見せたら軽蔑のまなざしを向けられるのは明白だ。

「僕に作詞の才能がないことがわかっただけでもよしとするか」

ポジティブシンキングも、行き過ぎていると思うが、前向き思考でないと確実に自分を保てない。

(そういえば、この間授業で短歌を書いて提出したら先生に呼び出されたっけ)

今のこの状況と関係ないこととも思えないことを、思い出してしまった。

(あの時に”血”とか”殺戮”とかの単語を入れたのがまずかったか)

書き直しをするようにと言われ、その日の放課後までに唸り続けた結果、何とか先生のOKをもらったのだ。
それまでに書き直した回数は20を超えていたのは余談だ。

「これは厳重に抹消しよう」

とりあえず僕は台所に歌詞が記された紙を持っていくと、それを火にかけて抹消した。
火を放つ魔法はあることにはあるが、飛び火する可能性があることや、こういうことに魔法はあまり使いたくない(主に怒られるのが嫌だという理由でだが)ために、原始的な末梢方法となった。

「これで僕の黒歴史は葬り去られた」

ついでに20回ほど書き直した短歌とやり直しと言われた最初の短歌も燃やしておくことにした。
目の前で炭と化す紙だったものを見ながら、僕はそうつぶやいた。
そして僕が至った結論は

「誰かがちゃんとしたものを書くだろう」

他人任せだった。
そんなこんなで僕は作詞をあきらめるのであった。










「できたっ!?」
「あ、あぁ」

翌日の放課後、作詞ができなかった四名(僕を含めてだが)は詩を書いてきたと言う澪に一斉に詰め寄った。
その手にはおそらくは歌詞が書かれているであろうルーズリーフがあった。

「見せて見せて!」
「も、もう!?」

見たいとせがむ唯に、澪が固まる。

「私も一度見たいわ」
「僕もぜひ見せてもらいたい」

”今後の作詞をする際の参考にしたいから”とは口が裂けても言えなかった。
ところが、澪の性格を忘れていた。
恥ずかしがって歌詞を見せようとしないのだ。

「えっと、以下減にしないと山田先生が……」

山中先生の笑顔は次第に崩れていき、今ではひきつっている。
僕はなぜか田舎のおじいさんの話題に展開しかけている唯たちに声をかけるが、それは遅すぎた。

「早くせんか!!」

大声で叫びながら、澪の手にあるルーズリーフを奪い取ったのだ。

「あぁっ!?」

澪が悲鳴を上げるが、時すでに遅し。
僕と律は山中先生のそばによると、ルーズリーフを覗き込む。

「……」

歌詞と思わしき文章を読んだ瞬間、僕は背筋に寒気が走るのを感じた。

(こ、これはある意味すごい威力だ)

山中先生と律は悶えているし。
僕のとは正反対の文章だった。
とはいえ、こっちの方が数倍もましなのは言わずもがなだが。

「わ、私としてはいい感じにかけたと思うんだけど……ダメ、かな?」
「だ、ダメと言うことはないんだけど」
「ちょっと思っていたのとは違ったというか……」

今にも泣きだしそうな澪に、二人は必死にフォローしている。
僕は無言を貫くことにした。
下手に口を開けば藪蛇になりかねない。
ちなみに、唯とムギはOKを出していた。
律は僕の方を見てくるが、僕は無言で肩を竦めて答える。

「さ、さわちゃん!」
「さわちゃん!?」

あまりの劣勢ぶりに、とうとう律は山中先生に救いを求めた。
しかも、あだ名のような感じで呼びながら。

「こういうのってなしだと思うよね?!」
「そ、そうね」

ようやく自分に賛同する意見が出たことに勢いをつけ、律は三人を落ち着かせようとするが、数秒後に山中先生は”こういうのもありだ”と意見を変えた。

「それじゃ、この歌詞で行くとするか」

律のその言葉に、唯とムギが拍手を送る。
だが、律の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。

(同情するよ。本当に)

思わず同情してしまった僕の表情も、おそらくひきつっているだろう。

「それじゃ、ボーカルは澪で行くか」
「うぇ!? わ、私は無理だよ!」

ボーカルが自分であることがわかるや否や、顔を引きつらせるとソファーから立ち上がり異論を唱えた。

「なんで?」
「だって……こんな恥ずかしい歌詞は歌えないよ!」
「だったら書くなっ!」

耳をふさいでうずくまる澪に、思わず突っ込んでしまった。
彼女はいったい、自分が歌う可能性があることを考えて書いたのだろうか?
いや、もしかしたら誰かが歌詞を書いてそれになると思っていたのか……真相は澪のみぞ知るだ。

「澪がだめだと思うと……………ムギやってみる?」

唯のほうに視線を向けた瞬間、固まったのちにムギに声をかけた。
なぜ固まったのだろうかと、彼女のほうを見てみると目を輝かせていた。

「私はキーボードで精いっぱいだから……」
「そうか。じゃあ、浩介は?」

唯を飛ばしてこっちの方に視線を向けた律が聞いてきた。

「僕が、これを?」

まさか聞かれるとも思っていなかったため、うまく言葉が出てこなかった。

「律、僕がこの歌を歌っている光景を想像してみろ」
「浩介が、これを歌っている姿………」

律が遠い目で上の方を見始めた。
きっと彼女の頭の中では、僕が歌っている姿が浮かんでいるのだろう。
ついでに僕も想像してみた。

「「……………おぇ」」

きっとその光景は似ていたのだろう。
思う浮かべたその光景に、僕と律は思わず吐き出しそうになった。

「となると」

気を取り直して、律は唯のほうへと視線を向ける。
相変わらず唯は目を輝かせてもうアピールしていた。
そして、ムギのほうを見て僕の方を見ると再び唯のほうへと視線を向ける。

「ごほん、ごほん。あーあー」

今度は声を出してアピールをしだした。
それほど歌いたいのだろう。
それを無視して律はムギに視線を向けて僕の方へと視線を向ける。

「いい加減、隣で猛烈アピールをしている人物に声をかけて。見ているこっちが悲しくなってくる」

もうアピールしてもスルーされ続けられた唯はハンカチをかんでいた。

「唯、やってみるか?」
「え? 私?! でもでも、私歌えるかわからないし、それに歌もうまくないし」

ようやく声をかけられた唯は手にしたハンカチを放り投げると、もじもじしながら言葉を続けた。

「じゃあ、いいや」
「嘘です! 歌いたいです!!」
「はぁ……」

律の腰にしがみつきながら懇願する唯の姿に、この先の道のりはまだまだ遠いことにため息が出てしまうのであった。

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