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黄昏の部屋(別館)

こちらでは、某投稿サイトで投稿していた小説を中心に扱っております。

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IF-D 第7話 近づく終わり

戦が始まった当初は、ブリオッシュたちと組んでいたがやはりどうしても気まずくなってしまったため、俺は逃げるようにグラン砦へと向かっているシンクたちの方と合流した。
エクレールからは『勝手に配置を変えるな』というありがたいお叱りを受けたものの、理由などは特に聞かれることもなく、特例と言うことで配置の認めてくれた。
尤も、姫君がOKを出してくれたことが一番大きいのではあるのだが。
そんなこんなで、グラン砦にたどり着いたのだが……

「ここからは私一人で行きます」

先ほど俺たちに向けて出されたレオ閣下の挑戦状を聞いた姫君が、突然そう言い出した。

(自分で話し合う気か。だが……)

俺は何となくっではある物の、嫌な予感がしてならない。
だからこそ、少しだけ意見をすることにした。

「それは認められません、姫君」
「え!?」

俺の言葉に驚いた様子で見てくる姫君。

「私もご一緒に行かせていただきます」
「私一人で大丈夫なので、渉さんは――」
「でしたらお聞きしますが、上に到着した際に攻撃されたらどうするのですか? 奇襲攻撃に対応できるのですか?」

俺はとことん性格が悪いなと思いつつ、姫君を問い詰める。

「今のレオ閣下は宝剣を奪うために躍起になっている。どのような事が起こるかは予測も出来ない。そんな状況で姫君を一人で行かせるのは、大問題です。護衛役として一人つく必要がある」
「おい、渉! 姫様に何ていう事を――「親衛隊長は黙ってろ!」――ッ!?」

俺に怒鳴ってくるエクレに怒鳴り返して無理やり黙らした。

「ということで、護衛には自分が付きます。もし嫌な場合でしたら、申し訳ありませんが姫君には眠って頂きます」
「ッ!?」

俺は神剣の吉宗を展開して、姫君に向けて構える。
吉宗なので、切ることはできない。
よってただの脅しだ。
だが、そのことを知らない姫君にとっては抜群の効果を発揮したようで、

「分かり……ました」

姫君は声を震わせながら了承した。

(こりゃ、後で謝った方がいいな)

姫君が上に向かう準備をするのを見ながら、俺はそう考えるのであった。










昇降機に乗り、武道台へと向かう中、姫君は大剣を手に俺は神剣二本を手に無言となっていた。
俺はそこでひとつ深呼吸をしてから口を開いた。

「先ほどは無礼の数々、大変申し訳ありませんでした」
「え?」

俺の突然の謝罪に、姫君が驚いたような声を上げた。

「俺も衣食住を見て貰っている恩もあるので、これくらいしなければ罰が当たります」
「そんな、もともとは私のせいで……」
「確かにそれはあれですが、色々な人たちとの出会いもたくさんありました。だからこそ今の俺は姫君の懐刀。姫君の身を守り、姫君の命を聞く……それが俺のやるべきことです」

俺は自分に言い聞かせるように姫君に告げた。
そうだ、今の俺は懐刀だ。
相手が向かってくるのであれば、手を汚してでも主を守らなければいけない。

「勿論、二人の話し合いを邪魔する気はありません。到着し次第、自分は離れた場所で待機します」
「ありがとうございます」
「お礼を言われるほどの事ではないですよ」

お礼を言ってきた姫君に、俺は苦笑い交じりに答えた。

「ところで、ダルキアン卿とユキカゼのことですが」

だが、姫君にはどうやら話が残っていたようで続けさまに切り出された話題に、俺は何も言わずに続きの言葉を待つことにした。

「お二人と喧嘩でもされたんですか?」
「別に喧嘩などは……」

していないと言おうとしたが、なぜかそこから先の言葉を口にすることができなかった。
別に姫組が俺を威圧しているわけでもなく、ただそれを口にするのが憚られたからだ。
もしかしたら、ウソをついたところですぐに姫君に本当のことがわかるという予感めいたものを感じていたからかもしれないが。

「理由を聞いても?」
「お二人の班から外れて私たちのところに来たので、そうじゃないかなと思ったんですけど」

俺の疑問に答えるようにして語られた姫君の答えは、実に理に適っているものだった。

「……もしよろしければ、ケンカの理由を教えていただけますか?」

神妙な面持ちで姫君は言葉をつづけた。

「……姫君にお話しするのもおこがましい理由ですよ」

そう前置きを置いて、俺は理由を話すことにした。

「人の気持ちを理解しようともせず、自分の身勝手な言葉で傷つけた……のかもしれませんし、それ以外の理由かもしれません」
「それ以外?」

姫君は俺の後半の言葉に疑問を抱いたようで、深く掘り下げてきた。

「詳しくは言えませんけど、でもこの戦が終わったらちゃんと話してみます」
「頑張ってくださいね、渉さん」
「ありがとうございます」

深く聞こうとしなかったことと、応援してくれたことに、俺は姫君に軽く頭を下げながらお礼を言った。

「貴方とこうしてお話ししたのは初めてですね」
「そうですね、自分も姫君とまともに話すのは、これが初めてです……と、到着しましたよ」

話がひと段落したところで昇降機が一番右側を指示したのを見て、俺は気を引き締めた。
そして、ゆっくりと扉が開く。

「お邪魔いたします。レオンミシェリ閣下」

姫君が前を見据えて声を上げると、昇降機を降りた。
俺も一歩遅れて昇降機を降り、奇襲に対応できる位置に立った。

「レオ様が国の宝剣を賭けて戦われるのであれば、私も宝剣を手にこの場に来ないといけないと思い、失礼ながら勝手に推参しました」

レオ閣下の表情は目が見開かれており、かなり動揺しているようにも見えた。

(俺と姫君の二人で来ることが予想外だったのか、それとも……)

俺が思考に耽っていた時、レオ閣下のそばにいたメイドのような人が、短剣を手に姫君に向かって行くのが見えた。

「はぁ!!」

間一髪のところで姫君の前に立ち神剣二本で防ぐことに成功した。

「分かりやすい奇襲どうも!!」
「無礼なふるまいについてのお叱りは後でいくらでも! 今は説明している時間がありません!!」

神剣と相手の持つ短剣に火花が散る。

「なッ!? しま――――」

俺は支点をずらされ、そのまま前のめりになってしまった。
倒れるのは免れたが、相手は姫君の所に向かって行こうとした。

「きゃあ!?」

その瞬間、姫君から発せられるエネルギーによってメイドの人は少しばかり後ろのほうに吹き飛ばされた。
その姫君の手にはピンク色で二回り小さな短剣が握られていた。
だが、その剣からは異様なものを感じることからそれが宝剣であることはすぐに分かった。
俺はすぐに奇襲を仕掛けてきたメイドの人に剣を突き付け、身動きを制限する。
その間、俺は頭の中で考える。

(どうも嫌な感じがする。これは空模様のせいなのか?)

周りの雰囲気が少しずつではあるが、悪くなっているのに俺は気付いていた。
それは、姫君とレオ閣下が言い合っているからではない。

(まさかとは思うが、プラスのエネルギーが消えかけているのか?)

それならば今の雰囲気にも説明がつく。

(だとすれば――――)

「ッ!?」

突然動悸と激しい眩暈が俺を襲った。
まるで、体の奥底から揺さぶられたかのような気持ち悪さを感じる。
しかしそれも、ほんの一瞬の事だった。

『グラナ浮遊砦攻略戦に参加中の皆様にお知らせします』
「ん?」

そんな中、突然聞こえてきたのはアナウンスだった。

『雷雲の影響か、付近のフロニャ力が、若干ではありますが弱まっています。また落雷の危険もあることから、いったん戦闘行動を中断してください。繰り返します――――』

(フロニャ力が弱まっている………俺の思った通りか)

俺はアナウンスを聞きながら自分の推測があっていたことを確認した。

「あの皆さん、屋根のあるところへ」

青髪のメイドの人が提案するとゆっくりと歩いて行った。

「二人とも」

俺は対峙している二人に静かに声をかけて、移動するように促した。
この時俺は、説明がつかないほど焦っていた。
二人はゆっくりとだがメイドの人のいる所に向かって行く。
そんな時、突如としてマイナスエネルギーが増幅した。

「「「ッ!?」」」

その次の瞬間、地震が発生した。

(これはまずい!!)

増幅し続けるマイナスのエネルギー、総称邪気。
その瞬間、武道台が宙に浮かび始めた。

「ミルヒ!」
「レオ様!」

名前を呼びあう二人だが、俺は空を見ていた。

(あれが、邪気の原因か)

俺の視線の先にあったもの、それは

―――とてつもない邪気と闇の力を秘めている漆黒の球体だった。

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